AIが競合サイト分析を自動化!Googleスプレッドシート×GAS活用術

ページのイメージ画像

こんにちは。今回もブログを担当しますWebディレクターの佐藤です。
今回はAIで競合分析を自動化してくれるツールをスプレッドシートで作成したので、その方法をご紹介します。

このツールを作成した背景

Webサイトの運用やマーケティング戦略を立てる上で、競合サイトの分析は欠かせません。しかし、多くの競合サイトを一つひとつ見て回り、手作業で分析するのは非常に時間と労力がかかる作業です。特に、ターゲット層や訴求ポイント、デザインの雰囲気といった要素を網羅的に調べるのは骨の折れる作業だと感じます。また、サイトは日々更新されるため、競合の動きをすぐに察知することが重要です。

今回は、GoogleスプレッドシートとGoogle Apps Script(GAS)、そしてGemini APIを組み合わせることで、競合サイトの情報を自動で取得・分析し、レポートを作成する方法をご紹介します。
これは、マーケティング担当者やWebディレクター、営業担当者の業務効率を改善するのに役立ちます。

競合分析の課題を解決する自動化ツール

このツールの仕組みはとてもシンプルです。Googleスプレッドシートに競合サイトのURLを入力するだけで、AIがそのサイトを読み込み、特長や訴求ポイントを自動で分析し、結果をシートに書き出します。

このツールが解決する主な課題は以下の通りです。

  • 手作業の削減: サイトを一つひとつ巡回する必要がなくなります。
  • 分析のスピードアップ: わずか数分で複数の競合サイトの概要を把握できます。
  • 客観的な視点: AIが客観的に分析するため、主観に頼らない一貫したレポートが得られます。

必要なものとツールの構築手順

このツールを構築するために必要なものは、以下の3つだけです。

  • Googleアカウント(個人アカウントでも問題ありません)
  • Google Gemini APIキー
  • Googleスプレッドシート

構築は、以下のステップで進めます。

ステップ1:Googleスプレッドシートの準備

まず、競合分析レポートのベースとなるGoogleスプレッドシートを作成します。A列に「会社名」、B列に「サイトURL」、C列に「分析内容」という見出しを作成しましょう。AIが分析結果を書き込む場所になります。

※スプレッドシートの共有設定は限定公開でも問題ありません。

ステップ2:APIキーの取得

次に、Gemini APIキーを取得します。Google AI Studioのサイトで簡単に無料で取得できます。
これでGeminiの機能を利用することができます。

  

①のメニューから②のAPIキー作成をクリック。
APIキーが作成されると画面下の表に追加されます。

ステップ3:Google Apps Scriptの設定

スプレッドシートのメニューから「拡張機能」→「Apps Script」を選択し、スクリプトエディタを開きます。

ここに、AIがウェブサイトを分析するためのGASのコードを貼り付けます。
このコードはGeminiを活用するとすぐに作ることができます。

【プロンプト例】
スプレッドシートとGAS、APIキーを使って競合サイトの分析ツールを作成してください。
スプレッドシートのA列に会社名、B列にサイトURLを記載します。C列にそのサイトを読み込んだ結果を入力してください。
サイトの読み込みでは、サイトの特長や訴求している内容をスプレッドシートに記載してください。
競合分析で何を分析するかも合わせて作成してください。

競合分析でAIにまとめてほしい情報をリクエストすれば、その形でまとめてくれます。

Geminiから提供されたスクリプトには、ウェブサイトの情報を取得し、Gemini APIを呼び出して分析を依頼するコードがすべて含まれています。
コードを貼り付けたら、const apiKey = ‘YOUR_GEMINI_API_KEY’; の部分を、先ほど取得したAPIキーに置き換えて保存してください。

  • もしスプレッドシートのメニューバーに「サイト分析」が表示されない場合は、GASの画面で「実行」を行い確認してください。
  • うまく動かない場合はスクリプトの誤り、APIキーのエラーが考えられます。Geminiに確認しましょう。
  • 法人アカウントの場合はAPIキーを使用する権限が無いといった問題もあるかもしれません。

ステップ4:ツールの実行

最後に、スプレッドシートに戻り、B列に分析したい競合サイトのURLを入力します。メニューバーに新しく追加された「サイト分析」から「サイト情報を取得」を選択して実行します。
すると、C列にサイトの特長や訴求ポイントが自動で書き込まれ、レポートが完成します。

特長と主な訴求、ターゲット層、最も強調されているポイントなどを抽出してくれます。
上の画像ではちょうどファングリーがエラーになっていますが、エラーの場合も報告をくれます。

この後、再度試した時は問題なくファングリーのサイトの分析もしてくれました。

分析レポートの活用方法

AIに抽出してもらいたい内容を工夫することで、より実務で活用できるレポートになります。

  • サイト改善のヒント: 競合がどのような言葉で何を訴求しているかを知ることで、自社サイトの改善点が見えてきます。
  • 営業活動の武器に: 競合サイトの強みや弱みを把握すれば、顧客への提案内容がより具体的になります。
  • マーケティング戦略の立案: 競合全体のトレンドや、特定の分野に絞った戦略のヒントを得られます。

AIを活用したこのツールは、手動での分析では見落としがちなポイントを網羅的に洗い出してくれます。Google Apps Scriptを利用すれば様々なことができますので、何か自動化したい、効率化したい、といった気持ちがあれば、さっそくGeminiに質問しましょう。

ぜひ、この機会に自動化に挑戦し、日々の業務を効率化してみてください。

Webサイト制作事例集ダウンロード

サイト制作のお問い合わせはこちらから