「多職種」のチームをつなぐ全体ミーティング。ファングリーのWin Sessionを紹介

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こんにちは。
ファングリーのコンテンツディレクター、宇佐美です。

当社では毎月1回、「Win Session(ウィンセッション)」と呼ばれる取り組みを行っています。
Win Sessionとは、期初に「目標(Objectives)」を掲げ、「主要な結果(Key Results)」の評価や目標の再設定を通して組織のパフォーマンス向上やベクトルの統一を図っていく「OKR」で行われる代表的な取り組みの一つです。

組織の目標を個人の目標にブレイクダウンし、「個人の成果の集積が組織の目標達成につながっている状態」にすること。
そしてビジョンの浸透を促すことを目的に、当社でもOKRの考え方を取り入れています。

今回のブログでは、ファングリーが月1回のWin Sessionを大事にしている理由や運用方針、その様子についてレポートします。

【背景】始めたきっかけはリモートワークの導入

【背景】始めたきっかけはリモートワークの導入

働き方改革の推進や新型コロナ対策などによって、リモートワークという働き方が急速に普及しました。
フルリモートに振り切った企業、あえてリモートワークを選択しない企業、そしてリモートワーク化に苦戦している企業。
それぞれに判断基準があると思いますし、そもそも業種や業態として「できる/できない」や「しやすい/しにくい」といった条件もあるでしょう。
そういったなか、ファングリーでは「各スタッフが上司と合意の上で働き方を選択できる仕組み」をルール化し、約1年前からリモートワークを導入しました。

当社ではディレクター、ライター、デザイナー、エンジニア、映像クリエイター、マーケター、プランナー、バックオフィスと、さまざまな職種のスタッフが多様な働き方をしています。
そのため、「自分のタスクに没頭したいならリモート」「打ち合わせなどのコミュニケーションが多い日は出勤」といったように、状況に応じてできるだけ柔軟に働き方を選べる仕組みは、必要だったのかもしれません。

ただ、組織として大切にしたい価値観(FUNGRY 6Values)の共有の点から、いくつかの懸念がありました。

・部署が職種(機能)別に分かれているため、リモートワークによって「横のつながり(部門間連携)」が滞るかもしれない
・「さまざまな職種のメンバーと同じ空間で切磋琢磨できる」という組織のメリットが失われ、「帰属意識」 の低下につながるかもしれない
・定性的な指標が含まれる「バリュー目標」について、正しく評価するのが難しくなるかもしれない

そういった懸念を払拭するための取り組みが、今回のテーマであるWin Sessionです。

【概要】ファングリーのWin Sessionの運用方針

【概要】ファングリーのWin Sessionの運用方針

続いて、ファングリーがどのようにWin Sessionを運用しているのかをご紹介します。

STEP1:開催日がアナウンスされる

月1回、前月の業績情報が確定したタイミング(だいたい月の中旬)で開催します。
スタッフによっては月末や月初などに業務が偏ることもあるため、このくらいの時期だと開催しやすいという事情もあったりします。

STEP2:資料やトピックをまとめる

Win Sessionは原則として全員参加です。
急な取材やお客様対応などを除き、Win Sessionの時間帯には予定を入れないのがルール。
日程がアナウンスされたら、開催日までに資料をまとめたり、話す内容を思案したりします。
話したいトピックがたくさんある人にとっては、逆に悩ましい時間になることも。

STEP3:参加する

Win Sessionのコンセプトは、「チーム全員が成果を讃え合い、頑張りを認め合い、情報を分かち合う時間」。
会社のMVVや当期の目標を意識しながら互いの仕事ぶりを称賛し、承認し合うことで、連帯感や帰属意識といった「マインド」の部分を共有するのも会議の重要な目的です。

限られた時間のなかで、「業績報告」「Good&New(良かったこと、新しい発見)」「みんなに共有(進捗したこと、ぜひ知っておいてほしいこと)」の3項目について参加者全員が発表します。

「制作したWebドラマが評価され、追加発注をいただきました」
「お客様が開催したウェビナーで、自分の記事が事例として紹介されました」
「Twitterを通して薬機法に詳しいライターさんとつながれました」
「タイトな納品スケジュールで身体は疲れましたが、心は充実しています」
「お客様から、『社内のメンバーに○○さんのこと紹介しておいたので』と言われました」

直近では、このようなコメントがありました。

【目的】月に一度の全体会議で、仕事がぐっとやりやすくなる

【目的】月に一度の全体会議で、仕事がぐっとやりやすくなる

Win Sessionは「仕事をやりやすくするための場」

オフィスワークに比べて人の目が届きにくいリモートワークでは、他者の業務内容や仕事ぶりについて把握しにくくなるもの。
その結果、助けてほしくても助けてもらいにくくなったり、助けたくてもどうしていいかよくわからなくなったり……といった状況も起こり得ます。
そういった「自分が困る状況」を招かないために時間を使うことが、一つの目的ではあります。

ただ、情報を確認するだけなら資料で完結しますよね?
あえて「スタッフ全員が一同に介する」という仕組みにしているのは、一同に介することによって得られるメリットが大きいからです。

・スタッフ全員が一同に介する月間で唯一の機会であると意識する
・個人の活動や成果を、自分自身の言葉でプレゼンテーションする
・前向きな発言や質問によって「共創」の機会を実現する

30人近くのスタッフに対してプレゼンする機会など、そう多くはないですよね。
人前で話すのが苦手なスタッフにとっては、いい予行演習にもなるはず。
「出来事をポジティブな情報に変換して伝える」という思考や習慣も自然と身に付き、「思い」を話すこと、確認することによって、解消できるストレスもあるでしょう。
もちろん、過去にあった事例や新しいアイデアを聞いたり募集したりするのも自由。
各自がWin Sessionを「仕事をやりやすくするための場」と捉えることで、共有のためのミーティングがより濃密な時間になっていくというわけです。

Win Sessionに対するメンバーの感想

Win Sessionの取り組みに関して何人かのスタッフに質問してみたら、以下のような回答をもらいました。
最後に、その一部をご紹介したいと思います。

「普段は在宅勤務が多いので、月一でみんなの顔が見られるのがうれしい」
「会社として一丸となる雰囲気や、一体感が感じられる」
「全体を把握することで、スケジュール調整や相談・依頼などがしやすくなる」
「続けていく中で、メンバーの発言からオーナーシップを感じるようになった」
「同僚のプレゼンを見て、自分の改善に活かせないか意識する時間になっている」
「自分の仕事ぶり(頑張ったこと)や業績をプレゼンテーションする数少ない機会」
「自分の成果を客観的に把握し、他者へ伝えるという作業はとても大事」
「メンバーの成果を聞くことで、『自分ももっと頑張らないと』と励みになる」
「資料を作るタイミングで、振り返りと改善の気付きを得られる」
「いろんなクリエイターが何を考えて仕事に取り組んでいるのかを聞くのは有意義」

それぞれのメンバーが、いろんなモチベーションをもって臨んでくれていることがわかります。
その一方で、「情報が多く、時間内に収めることになんとなく限界が(笑)」「話してるうちに『あれも』『これも』となりやすいので、もう少し事前の準備が必要」「社歴が浅いメンバーから、素朴な質問がもっとほしい。もっといろんなことを聞いてほしい」といった意見もありました。
現在のやり方がベストではないですし、今後メンバーが増えたらまた違ったアプローチが必要になってくるかもしれません。
このあたりは継続的に改善を図っていきたいところですね。

まとめ

「フリーランス」や「副業」「複業」といった働き方が一般化し、「一つの組織に所属しなくても不自由なく食べていける時代」になってきました。
業界にもよりますが、「正社員を目指さない」という働き方も今日では珍しくありません。
リモートワーク(テレワーク)の普及は、その流れに拍車をかける出来事と言えるでしょう。

では、そういった中でメンバーがファングリーに所属する意味は何なのか。
私は、「同じ価値観、同じ方向性のもとで仲間と一緒に働ける(=自己実現できる)価値」こそが会社に集う意味だと思っています(代表の松岡も似たようなことを言っていたので間違いないはず)。
だからこそ、オンラインとはいえ全員が顔を突き合わせるWin Sessionは大事なんだと、メンバーの感想を読んであらためて実感しました。

これからも社内のさまざまな職種をつなぐ重要な機会として、Win Sessionをよりよい時間にしていきたいですね。