創業50年の老舗額縁メーカーのリブランディング
代表交代による事業承継を象徴するCIを開発

株式会社 同志舎

「日本学生油絵会」の設立、「日本学生油絵コンクール」の立ち上げ、「美術ジャーナル」の創刊などに貢献し、美術文化の啓蒙を進めた羽生道昌によって1973年に設立。「作家の魂が込もった作品を入れる、個性的な額縁を作りたい」との思いを受け継いだ職人が一つひとつ丁寧に作り上げた額縁の製造・卸販売などを行っている企業です。

株式会社 同志舎:https://arte-mondo.co.jp/

問い合わせの経緯・ご相談内容

同志舎様は、ある銀行からのご紹介経由でご相談をいただきました。

当初は「Webサイトをきれいに刷新して使いやすくしたい」という内容でしたが、詳しくお話を聞いていくうちに、ご相談の裏側には以下のようなさまざまな課題や懸念、思いがあることがわかりました。

  • 経営戦略上の位置づけの不明確さ
  • 情報発信や競合差別化におけるプロモーション面の課題
  • レガシー産業における業界全体の売上縮小に対する危機感
  • 卸先である販売店との関係性を強化したい意向
  • 代表の事業承継を控えたタイミング

たくさんのお話をお聞かせいただく中で、「どのようにWebサイトをリニューアルすべきか」を検討。代表の柳澤様 が設計されていた「これからの同志舎らしさ」を明確にし、そのブランドを軸に差別化できるプラットフォーム、そしてメーカーと販売店の架け橋となり採用にも活用できるツールを目指し、「単なるWebサイトのデザイン刷新」ではなく、リブランディングを行った上でサイトリニューアルすることをご提案しました。

ご提案の流れ

初回は現状確認として、社内・社外向けの課題、目指すべき(目指したい)姿、業界的なポジショニングをどう変化させたいかを中心にヒアリングを実施。その上で、提供サービスとしてブランドコンサルティング、Webサイト構築、動画制作をご予算に合わせて選定し、プロジェクトの全体像をご提案しました。

2回目のお打ち合わせではその企画内容とお見積もりに対して想いのプレゼンとフィードバックをいただき、さらなる企画の修正、ご検討を経てご発注いただく結果となりました。

プロジェクト体制図

プロジェクト体制図

プロジェクトの時系列

2023年10月 プロジェクトに着手。グランドスケジュールを設計しアンケートを実施
2023年11~12月 キーマンインタビューとワークショップを実施し、ブランディングの肝となる言語開発をスタート。同時にWebサイトリニューアルの初動アクションを開始
2024年1月 コーポレート用のタグラインなど、各種言語を制作
2024年2月 言語開発の流れでVI設計を行い、デザイン開発をスタート
2024年3~4月 新Webサイトを公開。動画撮影の実施
2024年5月 動画が完成。YouTubeにて公開
2024年6月~ 採用強化のため、動画を活用し広告アプローチを開始

ソリューション

社内のエンゲージメント強化と、新ブランドを確立するためのブランドコンサルティング

社内の部門間連携や、年齢・所属などによる価値観の違いを調査・分析した結果、全社的に「会社の成長に貢献することに対しては意欲的である」とエンゲージメントの高さが明らかになった。

そこを軸に、新しいブランドのあるべき姿や目指す状態から、外部ステークホルダー(額縁を使用する個人・法人のお客様、販売店、求職者)とどう関わりたいかを言語化し、タグラインなどの言語(キーメッセージ)を制作しました。

そうして完成したキーメッセージやVI(ビジュアル・アイデンティティ)を各種タッチポイントへ反映。さらにはWebサイトでの発信、動画制作といったアウターブランディングに至るまで、一気通貫で支援を実施しました。

成果物

ブランディング

ブランディング
ブランディング
ブランディング

Webサイト

Webサイト

動画

 

同志舎様からのコメント

柳澤様(代表):
創業から50年の節目に代表となり、業界も時代とともに販売形態が変わってきていることにどう対処すべきか悩んでおりました。メーカーとして「良い製品を生産している」との自画自賛ではお客様には伝わらない思いを届けるため、ブランドコンサルからタグラインの開発、ホームページのリニューアル、ブランディングムービーの企画制作と丸々ファングリー様に協力いただき、今後のスタートが見えてきた思いです。

この度の一連の制作が終了したことは我々にとってのスタートであり、これからこのサイトをどう運営し、企業イメージと商品のストーリーをどう発信していけるかが重要だと考えております。この度はお世話になりました。ファングリー様の多くの関係皆様に御礼申し上げます。そして、今後も引き続きご支援いただけますようよろしくお願いいたします。

佐藤様(担当者):
ブランドを構築するという明確な目的のもとに活動したことがなかったので、いろいろと支援をしていただき大変感謝しております。「自分の会社を理解しているようで、それを言語化できない」という悩みは常に抱えていましたが、今回「一生モノの額縁を。」というタグラインが生まれたことにより、今後の活動に対する大きな指針ができたと思っています。

また併せて、Webサイトの刷新やPR動画の発信により、社内外に対して同志舎の「らしさ」や方向性を謳うことができました。この度はいろいろとお世話になりました。どうもありがとうございます。

プロジェクトマネージャーの総括

業界的にも厳しい状況が続いている中にあって、同志舎様は「サービス品質に妥協はしない」「でも価格とのバランスを取らなくてはならない」といった難しい舵取りを求められていました。しかも、代表の事業承継という大きな決断を控えているタイミングです。そういったとても大切な時期にご期待をかけていただけたことが何よりも印象的でした。

プロジェクトに取り組む過程で見えて来たのは、現場におけるスタッフの皆様のこだわりと、組織として変化していこうとする意志。すなわち、「ブレない軸」と「挑戦する姿勢」という2つの「らしさ」をもって前向きに仕事をされている企業だということです。

当社としても企業や働くスタッフの魅力、仕事の面白さ、大変さ、額縁メーカーならではのユニークな福利厚生といったさまざまな特徴を「ブランド」に落とし込むことに注力し、言語(デザイン含む)・Webサイト・動画で伝えることを意識しました。

今回のプロジェクトでは、「リブランディング」というフェーズでした。今後は販促活動や採用活動の支援、社内デジタル化による業務改善など、外に魅力を発信するためのお手伝いを進めていければと考えております。外部から見ただけでは分からない、とても魅力的な企業様とお仕事する機会をいただけたこと、この場を借りて感謝申し上げます。