大手総合メディア企業
日本を代表する総合メディア企業。メディアを中核に、出版、映像、教育、データサービスなど幅広い事業を展開。
本事例のお客様とは、2021年よりお取引関係があります。Webサイトを運営する中で、サーバーOSやミドルウェアのEOL(※)対応に直面し、ファングリーにご相談いただきました。
※EOL:製品やサービスのライフサイクル終了を意味し、販売やサポートが終了するタイミングのこと。
【サーバーOS】
・CentOS Linux 7(CentOS7)
【ミドルウェア】
・PHP(7.3.10から8.2.0にバージョンアップ)
・Nginx
・MySQL
・WordPress(5.2.20から6.8.0にバージョンアップ)およびWordPressプラグイン
今回のプロジェクトではクライアントが契約しているサーバー管理会社と連携し、サーバー管理会社がインフラ側、ファングリーがアプリケーション側を担当しました。
今回のプロジェクトはAWS(Amazon Web Services)での対応でした。ファングリーでは、より安全にプロジェクトを進行するために以下の手順での対応をご提案させていただきました。
2024年12月 |
環境の事前調査・着手前時点で発生しているエラーの洗い出し・Webサイトのディレクトリマップ作成 ・CMSおよびプラグインのバージョン確認 EOL対応後、コンテンツが正常に移管できているかを確認するために、サイトのディレクトリ構造やCMSのバージョンを確認。また、PHPやWordPressのバージョンが古い場合は既にエラーが発生している可能性があるため、この後の工程で発生したエラーと混同しないようにする。 |
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2025年1月 |
本番環境のバックアップ・EC2のスナップショット・linuxコマンドtar圧縮 ・サーバーからソースコードをダウンロード 実際にシステムを触る前に必ず本番環境のバックアップを取得する。 |
新環境構築(AWSインスタンス立上げ)・新OSインストール(RHEL9)・PHP、Nginx、MySQL等の設定 AWS(Amazon Web Services)で新規インスタンスを立上げ、新環境を構築。今回はそこに新規でRHEL9(Red Hat Enterprise Linux 9)をインストール。Nginx、MySQLを含む各種モジュールの設定を行い、現行の環境を再現。 |
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2025年2月 |
ソースコードおよびDB移管/動作検証・CMS(WordPress)のインストール・ソースコード、DBの移管 ・動作検証 新規で構築した環境にCMSをインストールし、ソースコードやDBの移管を実施。動作検証ではWebサイト全ページの表示を目視で確認。PHPのバージョン違いによる表示崩れなどが発生するため、都度原因の特定と修正を実施。 |
2025年3月 |
脆弱性診断/診断結果対応・第3者による脆弱性の診断・推奨レベルまでの到達 新環境へ移行する前に脆弱性診断を実施。診断結果に基づき推奨レベルまで対応。 |
2025年5月 |
新環境移行・DNSの切り替えクライアントの移管判定会議を経て、DNS切り替えを実施。新環境へ移行。 |
最終動作検証/旧OSシャットダウン・最終的な動作検証・旧環境へのアクセスログの確認 ・旧OSのシャットダウン 新環境で正常に動作しているか稼働状況を確認。旧環境へ流入がないかログを確認。問題が発生していないことを確認し、旧OSをシャットダウン。 |
――貴社のパートナー選びの基準についてお教えください。また、ファングリーに依頼された際、どのような点が決め手になりましたか?
今回、EOLの影響範囲は弊社マーケティングチームが管理するWebサイトでした。しかし、既存の開発パートナーの対応範囲を大きく超えるため、システム領域が対応可能なファングリー様にご依頼することにしました。ファングリー様はもともと弊社の保守パートナーであり、取引実績も十分にあったため、安心してお任せすることができました。
――ファングリーに依頼された中で、どのようなメリットがありましたか?
通常の保守業務では、弊社マーケティングチームとのやり取りが中心ですが、本プロジェクトでは弊社開発チームと直接、技術的なコミュニケーションを行っていただき、大変助かりました。
――今後、ファングリーと解決していきたい課題がありましたら、お教えください。
今後も定期的な脆弱性診断などを予定しており、その都度発生する課題に対しても、一つひとつ丁寧かつ正確にご対応いただけることを期待しております。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
サーバーOSやミドルウェア(WebサーバーやDB)には、ライフサイクルが存在します。そのため、定期的なバージョンアップデートや不要サービスの停止などのメンテナンスが必要です。
仮に、サーバーOSやミドルウェアのサポートが終了した状態でWebサイトを運用していると、セキュリティパッチを継続的に受けることができず、サイバー攻撃の標的になったり、第3者への攻撃の踏み台になったりする恐れがあるため、Webサイトの運用には社会的責任が伴うと言えます。
また、EOL対応ではWebサイトに実装されたプログラムと、外部連携サービスとの互換性を検証するための期間が必要になります。そのため、日ごろのサポート状況確認と計画的なEOL対応実施が重要です。
ファングリーには専門的なエンジニアリングの視点を持つスタッフがいるため、プロジェクトの要件整理からのサポートも可能です。WebサイトのEOL対応でお悩みの場合は、お気軽に当社までご相談ください。