バックオフィス領域の専門的な記事制作を継続支援
安定した制作体制の確立でスムーズな進行を実現

フリー株式会社

スモールビジネスの成長を支える、多様なクラウドサービスを提供。「freee会計」「freee人事労務」「freee申告」をはじめ、経理から販売管理までバックオフィスのあらゆる課題のソリューションとして豊富なサービス・プロダクトを展開し、有料課金ユーザーは54万事業所にのぼる(2024年9月時点、個人事業主を含む)。

フリー株式会社:https://corp.freee.co.jp/

フリー株式会社では、経営者やバックオフィス業務の担当者に役立つ基礎知識を解説する記事コンテンツ(https://www.freee.co.jp/kb/)を継続的に発信しています。多くのサービスとプロダクトを擁することから取り上げる領域やテーマは多岐にわたり、また税理士や弁護士などの監修による専門性を重視している点が特徴的です。

今回は、同社のセントラルマーケティング本部 デジタルマーケティング部において、法人をターゲットとしたSEOの取り組みを行っている工藤様、横堀様、飯山様の3名に、代表の松岡とプロジェクトマネージャーの北桝がお話を伺いました。

コンテンツの品質重視への転換期で取り組みを強化

フリー株式会社 マネージャー 工藤様フリー株式会社 マネージャー 工藤様

北桝:工藤さんから記事制作のご相談でお声がけをいただいたのは、2022年の秋頃でした。以降、現在まで継続的に記事制作のご支援をさせていただいています。ご相談をいただいた当時から、客観的に見てフリーさんはコンテンツマーケティングに力を入れていらっしゃる印象でしたが、御社内ではどのように取り組まれていたのでしょうか。

工藤様:フリーがSEO施策としてコンテンツ発信を積極的に始めたのは、今から8年ほど前です。当時の担当者がメディアを立ち上げ、まずは一定期間で数百記事を公開することを目標に取り組んでいました。

それから2年ほどかけて初動の記事制作がひと段落ついたあとは、ゆるやかに運用を続けていましたが、2022年頃のGoogleのコアアップデートで、公開記事の検索順位がガクッと下がってしまいまして……。そのタイミングで、細々と行っていたコンテンツ更新の体制を改めて見直そうということになったんです。検索順位を上げるのはもちろん、より広いプロダクト領域でSEO対策をしていく方針になりました。

松岡:当社にご相談をいただいた年がちょうど転換期だったのですね。ちなみに、コアアップデートによる影響はどの程度だったのでしょうか?

工藤様:ざっくり言うと、オーガニックの流入数が3分の1程度まで減りました。なので、慌てて立て直しに取り掛かった形です。

北桝:ご相談当初の印象として残っているのが、コンテンツ制作に関するレギュレーションやマニュアルが非常に整備されていた点でした。当社もさまざまな規模・業種の企業様をご支援していますが、徹底されている企業様は決して多くはないので……。レギュレーションなどの整備も、2022年頃の方針転換がきっかけなのでしょうか?

工藤様:レギュレーションなどは記事を大量に制作するようになった頃から存在はしていましたが、より精度を高めるために見直しを行ったのは確かにそのタイミングでした。それこそ、新たにファングリーさんにご依頼するにあたって、現状のままではお渡しできないと思いましたので、できる限り誰が見ても理解できる状態を目指しました。

北桝:フリーさんの場合は制作するコンテンツの量が多いため、複数の会社やフリーランスの方がパートナーとして制作に携わっていますよね。担当者ごとの認識のズレをなくして品質を担保する上で、レギュレーションやマニュアルが効果的に機能していますか?

工藤様:そうですね、外部のパートナーさんと一緒に取り組むうえでの共通言語は必要だと考えています。とはいえ、パートナーさんによって体制や得意な領域は異なるので、そこは個別にすり合わせをしながらチューニングしています。基本的に外部の方に携わっていただく場合、私たちとしては中長期的にお付き合いしたいと考えていますので。

北桝:私たちもまずはフリーさんが大切にしているコンテンツのトンマナなどを習得することから始めましたが、やはりご一緒する時間を重ねることで品質のブラッシュアップができていると感じています。

最初にご相談をいただいた際、既存のパートナーさんとの間で原稿確認のリテイクを5~6回重ねていると伺っていたのですが、当時は制作面の課題は多かったのでしょうか?

工藤様:特に会計領域などは専門性の高い記事が多いので、ノウハウが不足していた頃は内容はもちろん、細かい表現に誤りや違和感がないかといった確認にもリソースを割いていて、苦労はしていました。

松岡:当時は専門家のクレジットが記載された監修記事もあまり多くなかった印象でしたが、やはりGoogleのアップデートなどを踏まえて、コンテンツの権威性についても見直しを図ったのでしょうか?

工藤様:仰る通り、コンテンツの権威性がGoogle評価に影響を与えるようになってきたこともありますし、それに伴って競合他社のコンテンツもどんどん品質が上がってきて、より一層、品質の担保に注力せざるを得ない状況でした。

そのため既存のリソースだけでは対応しきれなくなり、知人から紹介を受けたファングリーさんに新たにお声がけをしたという経緯があります。

今期からの体制変更による成果と課題

(写真左)フリー株式会社 横堀様(写真右)同社 飯山様(写真左)フリー株式会社 横堀様(写真右)同社 飯山様

北桝:現在、お三方のチームが担っている役割を教えてください。

工藤様:今期からSEO施策を担うチームをターゲットで分けることになりました。具体的にはターゲットを個人事業主と法人の2つに分類し、私たちのチームは法人を担当しています。

たとえば「freee会計」という1つのプロダクトであっても、実際のサービスの提供内容は個人事業主か法人かで違いがあります。そのため、SEO施策においてもターゲットの違いを明確にし、それぞれに必要なキーワードを切り分けてコンテンツを発信する体制に移行しています。

北桝:ターゲット別にチームを分割したことで、成果は感じ始めていますか?

工藤様:そうですね、ターゲットごとにキーワードを整理して別々に対策することで成果は得やすくなっていると思います。ただ、キーワードによってはターゲットが入り混じっているケースもあるので、チーム間の連携や調整は多く発生しているかもしれません。たとえば会計領域では、個人事業主と法人のどちらかに分類しづらい勘定科目などもあるので。

松岡:確かにGoogle側が考えているものとユーザーが求めている情報が必ずしも合致せず、コンテンツづくりが難しいケースはありそうです。

北桝:現状の課題感はどんなところにありますか?

横堀様:私は主に人事労務の領域を担当していますが、競合他社も品質やドメインパワーが高く、差をつけづらいレッドオーシャンの状況なので、リライトにどう対応すればいいか悩むことが多いですね。

北桝:フリーさんの場合、すでに検索結果の上位に表示されている記事も多いので、さらにそこから順位を上げるとなると難易度が上がりますよね。

横堀様:キーワードによっては官公庁や公的機関が上位に表示されているケースも少なくありません。そこを競合と見るかという話もありますが……。官公庁などのドメインの強さを考慮すると、単にリライトしただけで成果が出るとは限りませんが、実際に手を入れてみて、どう変わるかを見ながら試行錯誤しています。

工藤様:成果に関しては、以前に比べて検索順位や流入数、コンバージョンなど複数の指標を細かく観測できる体制になってきています。かつてはとにかく順位を上げることが至上命題だったので……。取り組みのフェーズが変わってきたのは、ファングリーさんのおかげでもあります。

飯山様:私は新しいプロダクトを担当していますが、成熟していない領域は伸びしろがある分、そもそものキーワードの掘り起こしに苦戦しています。また、これは内部構造の話ですが、コンテンツからのCVRを上げる難しさも感じています。

北桝:対策するキーワードの選定はフリーさん側で行われていますが、選定時の優先度もコンバージョンに近いキーワードのほうが高くなっていますか?

工藤様:数年前はとにかく検索量の多いキーワードで上位をとってフリーのプロダクトを認知してもらうことを重視していましたが、最近はコンバージョンへの意識がより強まっています。ただ、まだ新しいプロダクトの場合は認知を優先するなど、プロダクトごとにフェーズは分けていますね。

当初からの円滑なコミュニケーションが信頼に

(写真左)株式会社ファングリー 松岡(写真右)同社 北桝(写真左)株式会社ファングリー 松岡(写真右)同社 北桝

北桝:冒頭でもお話しした通り、フリーさんとのお取り組みは2年以上にわたっていますが、当社の関わりにおいてメリットを感じられているところを教えてください。

横堀様:私が感じているのは、ビッグワードの順位改善が図れている点です。直近で言うと、2024年12月に納品いただいた記事を公開して1ヶ月ほど経ち、順位の上昇が見られ、流入も増えています。

飯山様:記事の品質面ですね。記事内に図解を積極的に入れて理解しやすくするなど、なかなか手をつけられていなかった部分のご提案がありがたいです。あまりニーズが顕在化していない難しいキーワードにも、柔軟に対応していただけて助かっています。

北桝:直近の数ヶ月は、フリーさんよりキーワードのご指定をいただいたのち、構成と原稿の作成、監修者のアサインから、御社のデザイナーさんへの図表の作成依頼、コーダーさんへの入稿依頼まで、制作フェーズを一貫して当社にお任せいただいています。

以前は基本的に御社がアサインしたフリーランスの編集者の方を介して進めていましたが、そのやり方よりも進行はスムーズになっていますでしょうか?

工藤様:まさに公開までのリードタイムが短縮されているのはありがたく、安定した制作進行のおかげで安心してお任せできています。また、個人的に一番助かっているのはコミュニケーション面です。今回のように直接お話しする機会もそうですし、普段はSlackやBacklogでリアルタイムに連携を図れているのが助かっています。

記事制作の場合、どうしても局所的なコミュニケーションが多く発生しがちなので、お互いにかみ合わない状態だと厳しいなと思っていました。ファングリーさんはお取り組みの当初から、松岡さんと北桝さんより「こういうやり方はどうか?」など、積極的に相談や提案をもらえていたのが信頼につながりましたね。お声がけしている企業さんの中でそこが一番際立っていたのがファングリーさんだったので、ぜひお願いしたいと思い、今に至ります。

北桝:コミュニケーションがスムーズな点は、私たちとしても感謝しているところです。フリーさんはこちらからの相談や提案に対するレスポンスがとても速いですから。

工藤様:実際、過去の取り組みではコミュニケーション面の課題を感じていました。中長期的にお付き合いをしていく中で、認識の齟齬が起きず、相談しやすいことは重要なポイントですね。

今後に注力したいこと

工藤様:現行の記事運用体制をもう一段階上げていきたいですね。具体的に言うと、記事のメンテナンス体制をより強化したいと考えています。現在ご依頼しているリライトのように大きくテコ入れするというより、軽微なメンテナンスを高頻度で行っていく形です。やはり当社として「絶対に順位を落としたくないキーワード」がいくつか存在し、順位の維持によってコンバージョンだけにとどまらないメリットも得られるので、メンテナンスは欠かせません。

現在は軽微なメンテナンスの場合、社内の担当者がすべて対応していますが、ご協力いただけたら心強いですね。また、記事制作以外にも、たとえばプロダクトページのリニューアルなどに構想の段階から一緒に携わっていただくような案件もご相談させていただくかもしれません。

松岡:当社も、より御社の担当者目線でさまざまなコンテンツづくりに携われる体制をつくっていければと思います。

北桝:今後もパートナーとしてご支援できることを増やしていきたいと考えていますので、「こういうのできないかな?」という些細なご相談もどんどんお待ちしています。