「提案力強化×サービス力強化」の両軸で取り組む、ファングリーの薬事系コンテンツ制作

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こんにちは。
ファングリーのコンテンツディレクター、宇佐美です。

近年、当社に問い合わせをいただく機会が増えている内容の一つに「薬事系コンテンツの制作やチェック」があります。
「薬事系コンテンツ」とは、いわゆる薬機法(旧薬事法)をはじめとする関連法規に抵触する恐れがある広告表現を用いたコンテンツのこと。

医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器にはそれぞれ薬機法上の定義があります。
そして、それぞれの商品やサービスが、承認された定義を超える効能効果(機能性)を標ぼうしてはいけない、というのが基本的なルールです。
ネット広告やWebサイト上の表現に対する規制が年々強化されていることから、当社への相談も増えているものと考えられます。

「攻めと守りが噛み合わないと、チームで結果を出すのは難しい」
これは多くの経営者や事業責任者の方が実感しているところかと思いますが、ファングリーでは増加する薬事系のご相談に質の高いコンテンツ制作で応えるべく、「攻守両輪」で強化に取り組んでいます。

今回は、セールス部門のマネージャーと薬事を軸に扱うライターそれぞれに、最近の取り組みについて聞いてみました。

【提案力強化】問い合わせ増加に合わせ、お客様との向き合い方を変える

薬事系コンテンツに関するニーズは、どれくらい増えてきているのでしょうか。
最前線でソリューション提案をしているセールス部門のマネージャーに話を聞きました。

椿:「薬事系コンテンツに関する問い合わせが増えているというのは、実感としてもありました。2019年下期(2019年10月~2020年3月)と2020年上期(2020年4月~9月)という短期間の比較だけでも、問い合わせ件数比で4~5倍ほど、売上比で8倍ほどになっています。薬事に関連する商品・サービスを販促したい企業や、そういったクライアントを持つ広告代理店、EC事業コンサルティング会社などから問い合わせをいただく機会が多いですね」

椿:「提案活動をしていて、自社のメディアやコンテンツが薬事に抵触するリスクを重く見ている企業が増えていると実感しています。これは、『企業のブランドイメージ』やSEO対策においても欠かせない観点となった『情報の信頼性』を、損ないたくないからでしょう。これまで『質より量』を優先してコンテンツマーケティングに取り組んできた企業が、『量より質』にシフトチェンジしているケースは非常に多いです」

こういった状況を受け、問い合わせの内容にも変化が。

椿:「印象的だと思ったのは、『薬事チェックはできますか?』だけではなく、『こういった場合は薬事チェックが必要ですか?』という問い合わせも増えてきたことです。薬事チェックの依頼先を探すというより、提案・助言からしてくれるコンサルタントを探すような印象を強く受けました。それに合わせて私も、『この場合は薬事チェックが必要です。なぜなら~』というコミュニケーションに変えました。お客様との向き合い方を変えたことが、発注増につながった側面もあると思います」

初めてコンテンツマーケティングに取り組む企業や広告代理店にとっては、薬事チェックの要・不要やその背景の説明、どういった改善が考えられるかを提言してくれる会社がいると助かるでしょう。
「サイト内の表現すべて、薬事チェックをかけてほしいとクライアントに言われた」という代理店から相談があった場合には、「このページはこういった理由でチェック不要です」とお伝えしたり、担当者の方がクライアントに伝えやすいように代替表現を例示したりすることもあります。

ファングリーが大事にしているのは、お客様や消費者と「共創」の機会を増やして新たな価値を生み出すことです。
相談のタイミングで「それ、助かる!」と思ってもらい、「あなたたちと共創したい!」と言ってもらえるようなコミュニケーションに徹することが重要だと考えています。

【サービス強化】「資格の知識×表現力」でお客様の意向を最大限実現

【サービス強化】「資格の知識×表現力」でお客様の意向を最大限実現

薬事系コンテンツの制作やチェックには、専門知識が必要です。
実際にチェックしたり制作したりする担当者でなければ、質問に回答できなかったり、正確な見積もりや納品スケジュールが出せなかったりすることも多くあります。
問い合わせをたくさんいただいたとしても、お客様の課題を解決するためのサービス提供体制が整っていなければ、攻守の両輪はうまく回っていきません。

ファングリーもそこに苦しんでいました。
代表の松岡は薬事の専門知識を持っていますが、すべての提案に関われるわけではありません。
そういった状況を変えるために始めたのが、「社内で薬事の専門家を育てる」という取り組みです。

このプロセスの当事者であるライターに話を聞きました。

佐藤:「私は約4年前にライターとして入社し、約2年のアルバイト期間を経て正社員になりました。正社員になってからは個人的に好きな美容系の案件を任されることが多く楽しかったのですが、少しずつ求められるレベルが高くなっていることに危機感を持っていました。『このままではまずいな』と。一度、先方からの指摘に対して『その指摘が理解できないとこの案件は納品できない』と感じて頭を抱えたこともありました(汗)。そういった経験もあり、代表の松岡さんに『薬事の勉強がしたい』と相談したのがきっかけです」

佐藤:「私が取り組んだのは、薬事法管理者の資格取得です。薬事法管理者の資格取得には結構なお金がかかるのですが、そこを会社に支援してもらいました。モチベーション高く取り組んだのですが、業務の合間に勉強するというのは、やってみるとこれがなかなかにハードで(笑)。そういった時期がしばらく続き、気付けば『修了試験の受験資格があと1か月で切れる』というところまで来ていました。修了試験は幸い一発合格できましたが、スケジュール的にも精神的にもギリギリでしたね」

化粧品や健康食品などを訴求する際は、法令に抵触しない魅力的な表現が求められます。
違反すると社名が公表されたり罰金が科せられたりするケースもあるので、その点は特に気を付けなければなりませんが、だからといって毒にも薬にもならないライティングでは商品の魅力をユーザーに伝えることはできません。

佐藤:「あるクライアントの資料に、『(例)血流改善で肌を白くする世界初のクリーム』といった記載があったとしますよね。でも、化粧品の訴求では標ぼう可能な効能効果が56個決められており、表皮より内側の話をすることはできません。また、『肌を白くする』という表現自体もNG。『世界初』と謳えるだけのエビデンスがあるかどうかの確認も不可欠です。クライアントがそういった訴求をしたくても、できないことを理解してもらう必要があります」

佐藤:「こういった場合、『書けないけど伝えたい』という内容は、擬音を用いたキャッチコピーや比喩表現などに置き換えます。いかに直接訴求せず、使用感を想起させられるかが工夫のしどころです。知識だけでなく発想力や創造性も求められるので、そこは自分のライターとしての能力が問われる部分だと思います」

クライアントからの要望に迅速に応える中で、社内では「薬事のことなら佐藤さん」というブランドもできてきました。

また同時に、会社としては薬事コンテンツ制作の体制強化を目的とした専門ライターや監修者のパートナー開拓を進めており、認証取得のプロセスを通して医療広告ガイドライン関連の知識(薬事法管理者の資格では範囲外)も習得できる「YMAAマーク」の取得も目指しています。
まだまだ序章であり、道半ばではあるものの、少しずつ攻守の両輪が噛み合ってきました。

まとめ

スマホシフトによってインターネットがより身近な存在になり、広告表現を原因とするトラブルや消費者被害も増加。
それに合わせて、薬機法をはじめとするさまざまな法的規制が強化されています。
そういった流れを受けて、企業のリスクマネジメントに対する意識やリテラシーも高まっていると言えるでしょう。

問い合わせが増えているということは、それだけ悩んでいる企業が多いということ。
ファングリーでは「関連法規を遵守する」「ユーザーに魅力をしっかり伝える」という2軸をしっかり両立し、薬事系コンテンツの制作・チェックを通してお客様の課題解決を目指していきます。

まとめ