WACULと共同でコロナ禍における学習塾を決定するまでの行動プロセスを調査、全データをまとめたレポートを公表

株式会社ファングリー(東京都渋谷区、代表取締役:松岡 雄司、以下当社)は、グループ会社のブランディングテクノロジー株式会社(東京都渋谷区、代表取締役:木村 裕紀、証券コード:7067)が業務提携する株式会社WACUL(東京都千代田区、代表取締役CEO:大淵 亮平、証券コード:4173、以下WACUL社)と共同で学習塾ユーザーに対してアンケート及びインタビューを行い、インターネット経由で学習塾を決定するまでのプロセスの実態を調査しました。その結果をご報告いたします。

インターネット検索を活用して学習塾の入塾を決めるまで

調査背景

これまで対面コミュニケーションが中心だった学習塾業界は、2020年3月の小中高の臨時一斉休校や度重なる都市部での緊急事態宣言の発出など、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けており、子供たちの学習環境の変化に伴ってニューノーマルへの早期対応が求められています。こうしたパラダイムシフトを踏まえ、学習塾の選定においてユーザーの意識や行動がどう変化しているのかについての実態を調査すべくアンケート及びユーザーインタビューを実施しました。

なお当社は学習塾に特化したマーケティング支援サービスとして「塾マーケ」を展開しており、学習塾のマーケティングファネル(認知→興味関心→比較検討→入塾→満足→紹介)ごとの塾の課題に適したソリューションを提供しています。

小中高生の学習塾選定におけるアンケート調査レポート【2021年度版】
~塾の選定候補に入るために押さえるべきチェック項目まとめ~

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調査サマリー

アンケートについて
【調査概要】小中高生の学習塾選定における意識調査
【時期】2021年3月
【方法】インターネットリサーチ
【人数】2000名

ユーザーインタビューについて
【調査対象】インターネットを活用して学習塾を選定した男女
【時期】2021年4月
【方法】オンラインインタビュー
【人数】5名

学習塾の比較検討において約半数がインターネット情報を参考にしている

アンケート調査の結果、子供を塾に通わせたことがある1266人のうち622人(49.1%)がインターネットの情報を参考にしており、また622人中328人(52.7%)が最も参考にした情報として塾公式サイトの情報を挙げています。このことからインターネットでの情報展開の重要性は高く、特に塾の公式サイトの情報を選定材料として重視していることがわかりました。

入塾の決め手1位は「体験授業の内容」だが他の決め手と特段の差は見られない

227人(17.9%)が「体験授業の内容」を入塾の決め手に挙げました。「自宅からの距離」が217人(17.1%)、「授業料」が199人(15.7%)と続きましたが、それぞれ大きな差はなく人によって塾の選定基準にばらつきがあることが推察できます。

入塾の決め手1位は「体験授業の内容」だが他の決め手と特段の差は見られない

通わせている塾の規模に大きな偏りは見られない

子供を通わせている塾の規模について、大手学習塾(21以上の教室を全国に展開)が447人(35.3%)、中規模の学習塾(地域で2~20の複数教室を展開)が449人(35.5%)、小規模の学習塾(単独教室のみの個人経営塾など)が367人(29.0%)と僅差だったことから塾の規模は塾選定に影響を与えないと推察されます。

通わせている塾の規模に大きな偏りは見られない

ユーザーインタビューについて

アンケートの調査結果を踏まえて子供を入塾させるまでのプロセスにおける行動観察調査を実施。ユーザーインタビューの対象者5名に「インターネット検索で情報収集を行った上で塾を選定するまでの行動」を再現してもらいました。その行動を「認知フェーズ」「情報収集フェーズ」「意思決定フェーズ」の3つのフェーズに分類して分析を行いました。

【認知フェーズ】

今回インタビューした5名全員は、既に知っていた特定の塾の情報を探すためにインターネット検索を利用しており、知らない塾を探すためにインターネット検索したユーザーはいませんでした。また、塾を認知したきっかけとして以下を挙げており、様々なタッチポイントが機能していることがわかりました。

  • 知人や友人から得られる口コミ(紹介)
  • ダイレクトメール(パンフレット・説明資料、キャンペーンの案内)
  • 兄弟姉妹からの情報(すでに通っていたなど)
  • 施設や店舗で設置されているチラシ
  • TVCMなど不特定多数向けの広告や看板広告

このことから、日常生活における人の移動や行動、人と人とのコミュニケーションに関わるマーケティング施策が塾の認知獲得においていかに重要であるかがわかります。また最終的に子供を入塾させた学習塾を知ったきっかけとして、知り合いからの紹介や口コミが739人(58.4%)ともっとも割合が多く、特に親・子供・親の知人や友人・子供の友達といった「横のつながり」が重要であることがわかりました。

【情報収集フェーズ】

今回のユーザーインタビューの結果、インターネットを使った塾の情報収集には大きく3つの行動パターンがあることがわかりました。

  1. 認知→「塾ポータルサイト→公式サイト→問い合わせ→説明会・体験授業」→比較検討→決定
  2. 認知→「塾ポータルサイト→問い合わせ→塾からの入電→説明会・体験授業」→比較検討→決定
  3. 認知→「指名・地名検索→リスティング→公式サイト→問い合わせ→説明会・体験授業」→比較検討→決定

5名すべてのユーザーがネット上で確認したポイント

  • 授業料(支払いができる範囲内かどうかの確認)
  • 通う教室の場所(地域・地名・路線などを基準に生活範囲内であるかの確認)

塾のポータルサイトや公式サイトなど媒体に関係なく、現実的にその塾に通えるかどうかといった基本的な情報を最初にチェックする傾向がみられました。

公式サイトでチェックされる重要なコンテンツ

  • 塾長の挨拶(メッセージ)や理念(考え方)
  • 塾長や講師の顔写真
  • 生徒の声
  • 教科の範囲(対応教科など)
  • 成績保証などの特徴

他の塾と比較するために公式サイトに掲載されている塾長のメッセージや顔写真、生徒の声など、塾ならではの情報を求める傾向が見られました。また教科の対応範囲の多さ(広さ)は塾選定において優位性になることがわかりました。

また不明点を解決するために質問したいことがあった場合、問い合わせフォームに個人情報を入力して問い合わせをすることに抵抗を感じるユーザーがいました。このことからQ&Aコンテンツを充実させ、分かりやすい導線を設けることが重要だと言えそうです。

人よって重要度にバラツキのあった内容

  • オンライン授業の対応状況
  • 新型コロナウイルス感染症対策状況
  • 気軽に行ける雰囲気かどうか
  • 自習室の有無
  • 個別授業か集団授業か
  • 授業の振替可否
  • 定期テスト前の補習があるか

インターネット上での口コミの捉え方

辛辣(しんらつ)な口コミがよほど多くない限り、概ね「参考程度」として口コミ情報を捉えており、説明会や体験授業などに足を運んで実際に感じたことを判断材料として優先する傾向がありました。

説明会・体験授業でチェックされるポイント

  • 生徒(保護者)と先生の相性
  • 塾の学習環境(私語が少ないか、教室が密でないかなど)
  • 講師がアルバイトか正社員か
  • 事前にオンラインで収集していた内容が本当かどうか

資料請求後の電話アポイント

「資料請求や問い合わせ後にすぐに電話があったので説明会や体験授業に出向いた」「資料請求したが電話がかかってこなかったので塾には出向かなかった」というユーザーがいました。このことから資料請求をしたからといって必ずしも説明会や体験授業に参加するわけではなく、塾サイドから即座にアクションすることが次のステップに進んでもらう上で重要であることがわかります。

【意思決定フェーズ】

最終的には子供が判断

親が主導でさまざまな材料(情報)を集める一方で、「塾に通うのは子供」という観点から当事者の意見を尊重するケースが多いことがわかりました。インタビューしたユーザーの家庭では、訪問前(情報収集時)と体験後で子供の入塾志望度が変わったという事例もあり、来塾時に得られた生の情報が最終的な塾の選定に強く影響することがわかりました。

まとめ

  • 学習塾を比較検討するにあたり49.1%がインターネット情報を参考にしている
  • インターネット情報を参考にした人のうち52.7%が塾の公式サイトの情報を最も参考にしたと回答
  • 決め手となった情報は、3位「授業料」、2位「自宅からの距離」、1位「体験授業の内容」
  • 本格的に塾選定を始める前に塾を認知していることが重要
  • 認知のきかっけとして多かった「知り合いからの紹介や口コミ」を増やすために生徒や保護者の満足度を上げることは必須
  • 口コミや紹介以外の認知のきっかけも41.6%あり経路として無視はできない
  • 塾を認知してもらうためには多様なタッチポイントが必要
  • オンライン/オフラインを問わずインプレッションを獲得するための施策が必要
  • 自塾が選ばれるために塾長のメッセージや方針(考え方)など「オリジナルの生きた情報」を発信することは有効
  • 塾選定のスタイルは昔から大きく変化していないが情報収集をする手段としてオンラインコンテンツの重要度は高まっている

今後の取り組みとして推奨したい施策

MEO(Google マイビジネス)、公式サイトのコンテンツの充実、塾ポータルサイトへの登録、資料請求後のアポイント電話(インサイドセールス)、オンライン動画配信やオンラインコミュニケーションの環境整備など

無料ダウンロード資料

今回の調査結果の全データをレポートとしてまとめたほか、コロナ禍にある2021年度において自塾が選定候補に入るためのポイントをリスト化した資料(PDFデータ)を無料でダウンロードしていただけます。

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株式会社WACUL 取締役CIO 垣内勇威氏のコメント

株式会社WACUL 取締役CIO 垣内勇威氏

学習塾の選定行動は、リアルな知人の口コミ、ポータル(Google Map含む)、リアルの体験授業の影響が大きい。これは地域密着型の他ビジネスとも共通する。デジタルでまず為すべきことは、検索で上位表示されているポータルに網羅的に網を張ることだ。

一方で、塾の公式サイトは閲覧されるもののほとんど役に立っていなかった。確かにリアルな口コミや第三者的なポータルに比べれば、公式サイトの情報は「無難」になりがちだ。はたして塾業界において、公式サイトに力を入れる必要はないのだろうか? 結論から言えば、そんな事は決してない。公式サイトがつまらないのは、完全に塾側の努力不足である。今回のインタビューでもある個人経営塾の公式サイトは、被験者の心を少なからず動かしていた。その公式サイトは、デザインこそ素人感満載ではあるものの「塾長の熱い長文メッセージ」「講師陣の生の声と写真」「卒業生の手書きの感謝メッセージ」などが大量に掲載されており、溢れんばかりの熱量が伝わってきた。

公式サイトの役割は「リアルな体験授業」のDXと言ってもよいだろう。教室に行くより手前で、体験授業並みのインプットを与えられれば、他の候補よりも頭一つ抜け出すことができる。

 


<ファングリーについて>

ブランディングテクノロジー株式会社(証券コード:7067)の連結子会社として2020年10月に新設分割したコンテンツプロデュースカンパニー。コンテンツマーケティング領域、企業ブランディングに関わるクリエイティブ領域、自社メディアの運営を軸に事業を展開。クライアントビジネスの課題や目的、予算にあったプロジェクトチームと実効性の高いソリューションを提供しています。

会社概要
会社名:株式会社ファングリー
所在地:東京都渋谷区南平台町15-13 帝都渋谷ビル5F
設立:2020年10月
代表者:代表取締役社長 松岡 雄司
資本金:20百万円
URL:https://fungry.co.jp/
Facebook:https://www.facebook.com/fungry.co.jp
Twitter:https://twitter.com/FungryOfficial
Instagram:https://www.instagram.com/fungryofficial/

<WACULについて>

WACULは、テクノロジー×ビッグデータで、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現する様々な課題解決プロダクトを持つDXカンパニーです。2010年にデジタルマーケティングのコンサルティング事業を開始し、人工知能等を活用したデータアナリティクスの先進テクノロジーとコンサルティングを通じて蓄えた知見とを融合し、2015年から「AIアナリスト・シリーズ」を提供、マーケティング&セールスのDXを通じて、クライアントの売上最大化を効率的に実現します。

会社概要
会社名:株式会社WACUL(読み:ワカル)
本社所在地:東京都千代田区神田小川町3-26-8 2F
代表者:代表取締役CEO 大淵 亮平
URL:https://wacul.co.jp/
Twitter:https://twitter.com/wacul_jp
Facebook:https://www.facebook.com/wacul.co.jp/

 


本件に関するお問い合わせ先
株式会社ファングリー 塾マーケ事務局
担当:河島
Tel:03-5457-3938
E-mail:contact@fungry.co.jp