はじめまして。
株式会社ファングリーの宇佐美です。
普段はコンテンツディレクターとユニットのマネージャー、そしてちょっとですが広報にも足を突っ込んでおります。
私たちはブランディングテクノロジー株式会社からの事業分割により誕生した新会社ですが、「そもそもファングリーって何者よ?」という方も多いかと思います。そこで今回、ファングリー設立の経緯やミッション・ビジョン・バリュー(MVV)について代表に詳しく聞いてみました。
――ピアノとメジャーリーグ観戦が趣味の松岡さん、よろしくお願いします。
「あ、そこからいきます? そのあたりは語り始めると長いのでまた別の機会にでも(笑)」
――そうしましょう。なぜこのタイミングでファングリーを設立したのでしょうか?
「そうですね……事業を独立させたいというか、させたほうが良いという気持ちはずっと以前から持っていました。メンバーにもそういう話はしていたと思います。6~7年くらい前から具体的な構想も描いてはいました。当時は、世の中的には『コンテンツマーケティングって何?』という人が多かった時代。そこから少しずつ市場の変化や顧客のニーズに合わせてサービスを変え、組織体制を変え、メンバーの仕事への向き合い方を変え、部署のミッションを変え……といったことをコツコツやってきたという経緯があります」
――コツコツと……まさしくイチローのように、ですね。
「それはかなりカッコよく言い過ぎですね(笑)」
――では急に決まったとか、このタイミングが外せなかったとか、そういうことではないんですね。
「はい。実際、『コンテンツマーケティング市場でシェアを取る』という目的であればちょっと遅すぎますし、完全に後発という位置付けになりますよね。ただ、マーケットのトレンドが変わってきたり、昨年6月にブランディングテクノロジー社のIPOがあったり、それらに前後してサービスの見直しや組織変更を行ったりする中で、結果としてこのタイミングで良かったのかなと思っています。インディーズバンドが、いろんな変遷を遂げてようやくメジャーデビューするような感覚でしょうか(笑)」
――ファングリーを設立した「一番の狙い」はなんですか?
「事業ドメインを明確にし、法人としてマーケットにコミットすることです。そのほうが事業を推進しやすい。『コンテンツマーケティング事業部門』ではなく、『独立した法人』としてブランディングしていったほうが市場で勝負しやすい、と考えました」
――具体的には、どういうことでしょうか?
「そこは一般的な事業分割戦略とほぼ一緒です。意志決定権限の委譲による経営のスピード化、あらゆる資源の選択と集中、そして一番大きそうなのが独自のミッション・ビジョン・バリュー(MVV)によるカルチャーの醸成、スタッフの感情やモチベーションへの影響ですね。新会社の設立自体が目的ではなく、そうすることで結果も出しやすくなるのでそうした、という感じでしょうか」
「ありがたいことに、『コンテンツマーケティングって何?』の時代だった6~7年前よりも直販のお客様の数は着実に増え、私たちがやれること、やりたいことも増えました。プロジェクトにはスケール感が生まれ、スタッフに求められるレベルや期待値は上がってきています。そういった状況が追い風になったという側面もありますね」
――続いて、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)についてお聞きします。ファングリーのミッションは、「コンテンツの力で共創の機会を増やす」ですが、これはどういったメッセージでしょうか?
「大事にしたかったのは、『共創』というテーマです。『共創マーケティング』という言葉は知ってますか?」
――わかりません。バッハがつくった音楽でしょうか?
「いやいや(笑)、協奏ではなく『共創』ね。バッハも語ると長いのでまた別の機会にでも」
――失礼しました。
「共創マーケティングは、顧客などの利害関係者と一緒に商品やサービスの開発、販売促進活動などを行うマーケティングの方法論です。今、テクノロジーの進化によって情報収集格差、言い換えれば『情報を持っている人とそうでない人の差』がかなり小さくなってますよね。それに伴っていろんな商品やサービスがコモディティ化し、差別化しにくくなっています。差別化しにくくなると、どうなりますか?」
――価格競争に巻き込まれやすくなります。
「そう、実際にそれで苦しんでいる企業も多い。ですが、互いの知見や強みなどを活かして価値を『共創』していくことで、差別化や優位性の確保を図りやすくなります。これは間違いなく、今後の社会的課題にインパクトするテーマだと自分は思っています。ファングリーとしては、こうしたテーマに対して前向きで、一緒に取り組んでくれるお客様やパートナー企業、フリーランスのクリエイターと長くお付き合いしたい。そういった想いを、ミッションとして掲げました」
――「お付き合いしたいお客様を自ら増やす」とはどういうことですか?
「お客様の中には『一緒にサービスや事業をつくっていきたい』という方もいれば、『それは御社に任せるよ』『御社が提案してよ』という方もいます。後者が良くない、ということでは決してないですが、ファングリーとしては共創に前向きなお客様(ミッションに共感していただけるお客様)を自分たちの手で増やしていきたいということです」
――続けて、ビジョンについてお聞きします。「国内でもっとも信頼できるコンテンツプロデュースカンパニー」とは、どういうことですか?
「ミッションに共感してもらうには、私たちなりの共創によってクライアントのビジネス成果をあげていく必要があります。そうした状況をつくっていくためのビジョンです」
「ビジョンにおけるキーワードは『信頼』ですね。ちなみに、お客様が自分たちをどれだけ信頼してくれているかを見ることができる指標には、どんなものがあると思いますか?」
――受注額(お客様から見れば発注額)……でしょうか?
「取引額が大きいからといって、必ずしも信頼が厚いとは限りません。発注は多いが解約も多いというケースだってありますからね。答えはひとつじゃないかもしれませんが、自分は『取引の継続期間』だと思っています。シンプルに、信頼があればお付き合いは長くなる。信頼されなくなるとお付き合いが解消する。これは企業間取引の原理原則で、人間関係でもそうですよね」
「コンテンツプロデュースカンパニーとして信頼を得ることが、ミッションを達成するための最短距離だと考えています。人間は基本的に、信頼している相手にしか重要な情報や本音を開示しません。信頼があればより深いレベルでの情報交換や議論が可能になりますし、クリティカルな課題を解決するための手助けにもなります」
――「作業」の領域を超えた範囲に踏み込むことになるので、信頼関係がなければそのやり取りは実現しませんね。
「そうです。そういったコミュニケーションが増えていけばスタッフの成長機会も増えますし、信頼が信頼を呼ぶサイクルが生まれるかもしれません。『コストが安い会社』『~の作業ができる会社』ではなく、『重要なプロジェクトを信頼して任せられる会社』という観点で選択肢に挙がる会社を目指しています」
――ただ、ゼロから信頼を勝ち取るのは簡単ではないですよね。
「そのとおりです。重要なのは、お客様の信頼を勝ち取るに足る技術、知識、ノウハウ、アイデア、リソース、コミュニケーションスキルを我々が持っているか。これまでに培ってきたものもありますし、一方で正直まだまだ至らない部分もたくさんあります。ただ、分社化によって改めて明確にメッセージとして提示している、という事実は大きいと思います」
――バリューについてはいかがですか?ファングリーでは、大切にしたい価値観やあるべき文化を「FUNGRY 6Values」として定めています。
「これにはめちゃくちゃ時間をかけましたね。その節は各所にご迷惑をおかけしました(笑)。このコアバリューは、『私たちがクライアントやユーザーに提供していく価値』、言い換えれば『期待してほしいこと』になるかと思います。」
「タイトルだけだとスタッフもよく理解できず、形骸化してしまうので、行動指針の良い例・悪い例を作って具体化しました。言葉のチョイスや具体例の組み合わせ(補完関係)など、細かい部分まで徹底してこだわってつくっています。例示なく説明するのは難しいのですね。『FUNGRY 6Values』についてはまた別の機会にお話ししますね」
――ありがとうございます。ここまでブログを読んでくださった方に想いは伝わりましたかね?
「どうでしょう(笑)。自分たちが目指しているものは伝わったと思いたいですが、『何者なのか?』については結局よくわからなかったかもしれないですね。ファングリーが何者なのかは、このサイトとこのブログでお伝えしていければと思っています」
インタビュー当初は「あまり堅苦しい感じで話したくないな」「手短にいきましょう」と言っていた松岡でしたが、そこはとにかく語り出すと止まらない性格。新会社設立にかけた想いが次第にあふれ出し、次のミーティングに出遅れるほどの熱量で話してくれました。
今回の松岡の話を通して、ファングリー設立の背景や私たちが目指すべきビジョンを何となく理解していただけたらうれしいです。
そして今気付きましたが、「ファングリーという名前の由来」について触れていませんでした。次回以降、ブログでこのあたり(松岡がとりわけこだわったネーミング)についても触れていきたいと思います。
今後ともファングリーをよろしくお願いいたします。