企業がユーザーに対して行うあらゆるマーケティング活動の最終的な目的は「消費行動」ですが、そこにいたるまでには様々な手段やプロセスがあります。なかでも、当コラムで取り上げている「コンテンツマーケティング」は、商品や店舗・企業に対する「ユーザーのファン化」に大きな効果を発揮するマーケティング手法です。
「コンテンツマーケティングとストーリー」第2回では、ストーリーをつなぐことがどのように「ファン化」に効果を発揮するのかについてご紹介していきます。
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みなさんにもきっと、お気に入りの飲食店やブランド、テレビ番組、歌手、雑誌などがあるでしょう。これらはまさに、みなさんが「ファン」になっているもの。何度も繰り返しお店に行って飲食をしたり、ものを買ったり、視聴したりする――ファンとは、いわば「常連」のことです。
コンテンツマーケティングは、ユーザーとの「関係づくり」をするためのツールであると言われます。コンテンツによってユーザーとの接点を増やしていくことで、「ゲスト」を「ファン」に変えるのです。そして、当該ユーザーの中での店舗・企業の認知や価値を高め(ユーザーの中に「思い入れ」を創出し)ていくことで、消費行動を促すことができるのです。
では、ユーザーをただの「ゲスト」から「ファン」にするためにはどうしたらいいのでしょうか。
――そのヒントが“ストーリー”にあります。
ストーリーは、コンテンツへの興味を強めるだけでなく、「再訪」や次の展開への「期待」を強く促します。その代表的な例と言えるのが、連続テレビドラマや連載マンガです。
ここ数年、テレビCMをはじめとした広告にも「ストーリーの連続性」を利用したものがよく見られるようになりました。ソフトバンク「白戸家の人々」シリーズやトヨタ「20年後のドラえもん」シリーズなどがそれにあたります。こうしたコンテンツは、それ自体に強い広告性を持たせるよりも、「一歩先の効果」へつなげる力を持たせた、言わば「ファン化させるためのコンテンツ」です。
コンテンツにストーリーの連続性を与えることで、次のコンテンツを「見たい」という期待を煽ります。これにより、更新されるコンテンツを「見逃せない」と思わせることができ、CMであればより注意して視聴するようになり、サイトであれば積極的に情報を取得したいと思うようになります。
ユーザーをまず、(商品ではなく)「コンテンツ自体」のファンにすることで、もっと知りたいという欲求を刺激し、「検索」というアクションや、「サイトの周遊」というアクションにつなげることができます。これにより、本当に伝えたい商品のことを効果的に伝えることができるのです。
ストーリーを活かしたコンテンツは、能動的なメディアと言われるWebでこそ、より効果を発揮します。その効果として、例えば以下のような流れを築くことができます。
コンテンツマーケティング(とくにテキストによる優良コンテンツ)はサイトのSEOを強化するため、継続していくことでさらにユーザーの流入は増えていきます。つまり、ストーリーを使って「コンテンツを育てる」ことで、既存ユーザーとの関係性を強化するばかりでなく、新規ユーザーの獲得にもつながるのです。
ゲストをファンに変えて消費行動を促し、裾野が広がることでさらに新たなファンが増える――好循環を生む“ストーリー“を、コンテンツに活用しない手はありませんね。
「コンテンツマーケティングとストーリー」第3回では、コンテンツマーケティングでストーリーをどのように活用していけばいいのかについてお話ししていきます。
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