インタラクティブ動画とは、コンテンツの中にユーザーがクリックやタップなどのアクションができる要素を用意し、「能動的な動画コンテンツへの参加」を促すことを目的とした動画の様式およびツールのことです。
通常、動画といえば配信されているものを受動的に閲覧しているケースが多いと思います。しかし近年では、テクノロジーの進化によって視聴者がストーリーの分岐を選択できる参加型の動画コンテンツが登場してきました。それがインタラクティブ動画です。
テレビゲームなどのエンターテインメントの世界ではすでに馴染みのある仕掛けですが、Webの世界でもインタラクティブ動画を活用したマーケティング活動ができるようになってきており、「動画の視聴時間が長くなる」「接触回数が増える」といったのエンゲージメントを高める効果に注目が集まっています。
まずは実際に見て、触って、インタラクティブ動画がどのようなものなのかをぜひ体感してみてください。クリック(タップ)できるところが注目ポイントです。
その後、インタラクティブ動画を導入することでどのような効果が期待できるのか、ほかの導入事例などを含めご紹介していきます。
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インタラクティブ動画そのものはクリック(タップ)できるところが特徴ですが、クリックすることでユーザーの行動はどう変わっていくでしょうか。ご自身がユーザーになったつもりで使ってみてください。
近年、人材不足でどの業界、どの企業も採用に困っている状況です。求職者の元にはアピールする多くの企業が殺到しますが、アピールする企業が多ければ多いほど情報があふれることとなり、それぞれの企業の印象は薄くなってしまいます。では、求職者の記憶に残るためにどうすればよいのか……。こう考えた結果、インタラクティブ動画を採用することになりました。
インタラクティブ動画なら、クリック(タップ)してストーリーが選べること自体が目新しいため記憶に残ります。また、動画閲覧中に求人内容を見てみたいと思ったら、動画内をクリックすることで求人案内のページに遷移することが可能です。こうした機能・仕組み・仕掛けが、最終目的である採用活動に直結しています。
すでに、いわゆる従来の動画を活用して「来院を促す」という目的は果たしていた歯科医院様ですが、来院後の治療説明を効率化し、かつ患者様の理解を高めたいという課題がありました。そこで、受付での待ち時間に治療への理解を深めてもらうために、インタラクティブ動画を制作しました。
矯正治療は、比較的費用が高額になりがちです。インタラクティブ動画でこれから受ける矯正治療についてユーザーが能動的に理解しようとし、診察までにじっくりと考える時間を提供できるところも患者様側のメリットとなっています。
動画の内容自体のユニークさや面白さとは違う、普遍的な視点でインタラクティブ動画のメリットや効果、魅力的な部分を上げてみました。
これまでの動画体験にはない「動画を操作できる」という驚きや面白さが、ユーザーに動画内容のイメージを色濃く残してくれます。
また、インタラクティブ動画に取り組んでいる企業はまだまだ多くありません。今まで「視聴者が操作できる動画」を体験したことがない人も少なくないため、「目新しくて面白い」ということで注目されるケースもあるでしょう。SNSで拡散されればより多くの人に知ってもらえるため、宣伝効果が高くなる可能性もあります。
自ら操作できるので、ユーザーは「その操作の先にある内容がどう展開されていくのか」ということに注目します。これから展開される内容を興味深く視聴し続けるので、当然ながら離脱率が下がって視聴時間が伸び、インタラクティブ動画の尺に対するエンゲージメントが高くなります。
また、動画配信元は例えば商品購入ページなどの操作の先にある最終的な目的を設定しているので、動画を見ることによって商品理解や購買意欲などが向上し、目的に対するエンゲージメントも高くなります。
「どの操作が多かったのか」や「動画内でどの経路がコンバージョンにつながりやすいのか」など、Webサイトでは当たり前にできるデータの蓄積や分析、改善が、動画でも可能になります。これまでは動画の改善につながる根拠のあるデータは取得しづらい状況がありましたが、動画でもPDCAが回しやすくなる点はメリットです。
以下は、YouTubeにアップロードされているインタラクティブ動画です。4人の女性の会話シーンを視聴した後に、いずれかの女性をクリックして選ぶことができます。それぞれの枠をクリックすると、次の新しいYouTube動画のページ遷移し、選んだ女性のイベントを見ることができます。
しかし、このインタラクティブはスマートフォンでは機能しません。またPCでインタラクティブ動画になっていたとしても、リンク先をWebサイトに設定したり、クーポンを発行したり、クリックしたものに対する詳細説明を表示するなどといったことはできません。
これらにより、動画から次の起こさせたいアクションを仕込むことができます。
また、これらは従来の動画を使ったマーケティングプロセスを短縮化する効果もあり、同時にマーケティング全体を考慮したストーリー設計や動画制作をする必要があるということでもあります。
インタラクティブ動画を、「従来の動画制作と同じ」と思っていると失敗する可能性があります。「すでに制作した動画をインタラクティブ動画化して再利用する」というのも可能ではありますが、インタラクティブ(=双方向性)という視点が欠落した状態でインタラクティブ動画を制作したとき、特につまずきやすいポイントは「クリック(タップ)できる」というところです。
インタラクティブ動画の従来の動画との決定的な違いは、ユーザーがクリック(タップ)できるというところです。
動画ストーリー上のクリック(タップ)できるタイミングも大事ではあるのですが、「物理的にクリック(タップ)できるという認識が持てているか」、「しやすいか」、「促しているか」というポイントに配慮する必要があります。
インタラクティブ動画はこれまでの動画制作とは違い、ストーリーが複雑になりがちです。そのため、最終的な課題解決や目的を達成するには、「マーケティング視点のシナリオ作成」が必須となってきます。
そして、動画の制作自体は動画制作サービスを提供している会社ならどこでもできますが、インタラクティブ動画にはインタラクティブ(=双方向性)を実現するためのプラットフォームも必要です。
株式会社ファングリーでは、映像制作だけではなく、インタラクティブ動画配信のプラットフォームとWebを活用した幅広いサービスと組み合わせて複合的な提案をしています。複雑化するWebマーケティング・コンテンツマーケティングにおいて、「とりあえず動画を作って終わり」では成果の創出や目的の達成につながりません。そうならないためにも、まずはしっかり本質的なマーケティング課題に向き合っていきましょう。
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