記事制作には、社内で作成する「内製(インハウス)」と、外部の代行業者・ライターなどに作成してもらう「外注」という2つのアプローチがあります。
「自社サイトで検索上位を狙いたい」
「資料請求や問い合わせ数を増やしたい」
「価値のある情報を発信して企業の信頼を高めたい」
このような事情から、記事制作を外注する企業が増えています。しかし、記事を外注したからといって、必ずしも「自社が求めるレベルの記事が納品される」「SEOで効果が出る」というわけではありません。
「自社の商品やサービスを拡販させたい」「効率良く記事制作を進めてマーケティングに力を入れたい」という場合には、記事制作の外注は有効な手段となります。今回は記事制作を外注したときによくある悩みをはじめ、外注のメリット・デメリット、外注先を選ぶポイントなどを詳しく解説します。
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「現在、別企業に外注して記事を制作しているものの、あまり効果を感じられない……」
お客様のコンテンツマーケティングを支援する中で、お客様からこのような声をよく耳にします。特に、初めて記事を外注したため記事制作全般の要領が分からず、いざ運用してみたらトラブルが続出している……というケースも少なくないようです。
まずは、記事制作を外注することで実際にどのような悩みが発生するか、具体的な事例を5つ紹介します。
オウンドメディアの記事制作を外注しているが、コストを抑えるために低価格の業者やクラウドソーシングを利用している。内容はもちろん、そもそも文章品質にも難があり、社内のチェックや修正に必要以上の時間を要している。 |
社内リソースをかけられない場合は、コストを上げて外注先を再選定しましょう。
近年、コンテンツマーケティング支援サービスの需要が高まったり、フリーランスのクリエイターに直接依頼できるクラウドソーシングが定着したりしたことで、外注先の選択肢が増えています。一方で、外注コストを下げれば下げるほど、成果物の品質も低下するリスクが高くなります。結局は「安かろう、悪かろう」の罠に陥りがちです。
まずは社内のリソース状況を考慮し、その上で外注先を再選定するか決めます。具体的には、以下のような項目を確認しましょう。
外注先を再選定する場合には、あらかじめテストライティングを実施するなどして、文章品質のレベルを確認しておくことも大切です。
オウンドメディア記事などのコンテンツ制作を外注化したいと考えているものの、自社商材はニッチで専門性が高く、この分野に明るいライターを見つけるのが難しい。 |
外注先が商材理解をしっかりできれば、専門知識を持つライターでなくとも対応可能な場合もあります。もちろん、自社商材の専門分野に精通したライターが見つかればもっともスムーズであることは間違いありません。ですが、分野によってはライターを見つける難易度が高く、外注費用も高くなってしまう傾向にあります。
その場合は、以下のような施策によって品質や専門性を担保するという選択肢もあります。
特に記事制作のすべてを外注に丸投げするのではなく、コアになる部分だけ自社でコントロールできる体制を整えておけば、ニッチな分野であっても質の高いコンテンツを制作しやすくなるでしょう。
SEO対策を目的としてオウンドメディア記事の制作を外注先に依頼しているが、直接CVにつながるコンテンツは発信できていない。引き続きSEOを意識したコンテンツ制作も進めたいものの、外注コストがかかっている分、社内で売上貢献の面をシビアに見られている。 |
導入事例など、CVにつながりやすいコンテンツ制作を検討しましょう。
オウンドメディアの運用においてSEO対策は必須ですが、検索からの流入数を確保できても「資料請求や問い合わせなどのCVにはつながらない」というケースは少なくありません。SEOを目的とした記事の場合、どうしても競合他社との差別化が難しく、似たような記事の量産になってしまいがちです。
そのため、SEOとは別の施策として、自社製品・サービスの導入事例などより検討度合いの高い顕在層にアプローチできるコンテンツを制作することをおすすめします。
なお、導入事例などのコンテンツ制作はSEO対策の専門業者では対応が難しいケースも多いため、対応可否を確認したうえで外注先をあらためて検討する必要があります。
さまざまな施策を実施するにあたって複数の外注先を利用しているため、コミュニケーションや管理の面で負担が大きい。また、基本的に外注先は自分たちの指示ありきで稼働しているので、指示が滞るとプロジェクトを進行できない。 |
社内で管理しきれない場合は、プロジェクト管理ごと外注化することも視野に入れましょう。
昨今マーケティング施策がマルチチャネル化していることによって、「この施策はA社に、この施策はB社に……」と、複数の外注先を活用した体制をとっている企業も少なくありません。
このような体制でも、うまく社内でプロジェクトを管理できているのであれば問題ありません。ただし、外注先が複数あることで一貫性のあるマーケティング戦略を実行できず、場当たり的な対応になってしまっている場合には体制の再検討が必要です。
予算を確保できるのなら、作業ベースで外注先を活用するのではなく、プロジェクト管理から施策の実行まで任せられる外部パートナーとの協力体制を構築することが望ましいでしょう。
自社のノウハウやリソースが不足しているため、外注先に要件定義や戦略策定から実行まで一貫して依頼しているが、プロジェクトを主導してくれる気配がなく、こちらが指示をしなければスムーズに進まない。結局は自社でやらなければならないことが多くなっている。 |
具体的にどのような支援をしてくれるのかを、契約前に必ず確認しましょう。
業者ごとに大きく異なるのが、要件定義や戦略策定といった上流のフェーズにおけるアウトプットです。依頼する側の視点になると、単純にコンテンツの制作だけを依頼するよりも「よりプロのノウハウを活かした提案がもらえるはず」と期待するところでしょう。ところが、「ふたを開けてみたら企画レベルのアウトプットしかもらえなかった……」というケースはよくあります。
このような事態を回避するには、見積もりの段階で支援の内容を明らかにし、どんなアウトプットを提出してもらえるのかを確認したうえで、金額に見合っているかを判断することが重要です。
記事制作を外注することには、メリットとデメリットの両面があります。それぞれを理解したうえで自社ではどうすべきか判断しましょう。
前項で紹介した「よくある悩み」を踏まえて、記事制作を外注する3つのメリットを紹介します。
記事制作を外注することで、効率的にコンテンツの数を増やすことができます。例えば、内製でひとつの記事作成に3時間かかっていた場合、外注化によって30分で作成できる可能性もあります。
「1ヶ月後に10本公開したい」「集客のために毎月20本継続して作成したい」といった場合には、記事制作の代行サービスを活用しましょう。
アウトソーシングによってライティングにかける時間をカットできれば、空いた時間を使って自社メディアの戦略策定やプロモーションなど、「重要な未来の一手」のための業務に集中できます。
特に、担当者ひとりで複数のタスクを抱えている場合は、今後の事業や直接の集客に影響するタスクに時間を使うほうが得策といえるでしょう。
世の中には、特定のジャンル・業種・サービスの知見を持ったライターも多くいます。ニッチな業種や高度な知識を問われる領域の記事でも、理解のあるライターなら、ユーザーが求める情報を網羅した記事を書いてくれる可能性が高いでしょう。経験豊富なプロのライターが持つ、文章構成や表現に関するノウハウも記事に活かせるはずです。会社によっては、キーワード選定から行ってくれる場合もあり、自社サイトのSEO改善も行えます。
続いては、記事制作を外注することによって生じ得る3つのデメリットを見ていきましょう。
また、ライティングを外注すると、その分のコストがかかってしまいます。また、こちらが求めるコンテンツの要件を外注先のライターや担当者に正しく伝える手間は省けません。
なお、外注の際のコストとしては、単に外注費だけでなく、依頼時にかかった自身やスタッフの時間(=人件費)がかかっていることも意識しましょう。
記事を外注する際には、外注先への指導や指示(ディレクション)が必要です。ライティングを自社で担当する場合は問題ありませんが、外注する場合には「意図がずれた納品物があがってくるリスク」があることを覚えておきましょう。
納品された原稿の方向性や表現に納得できないなら修正が必要となり、完成するまでさらに時間がかかってしまう恐れがあります。
世の中に多く存在する記事制作の外注先の中から、自社のニーズに合った「ぴったりのライター」を見つけるのは簡単ではありません。
相性の良いライターに出会えれば記事制作を外注するメリットは大きい反面、そこにたどり着くまでに時間がかかってしまう可能性があります。
前項で解説したように、記事制作の外注にはメリット・デメリットの両方があります。特にデメリットを踏まえながら、記事制作の外注先を選ぶ際には以下のポイントを押さえましょう。
基本的に、記事制作は「手段」であり「目的」ではありません。ただ記事を作るだけでは、意味がないのです。
「PVやセッションの増加」「SEO強化」「CVの獲得」「店舗への集客」といった目標の達成を目指すなら、候補となる外注先に対して単なる記事制作の実績だけでなく、過去のマーケティングにおける実績・成果を確認することが重要です。
複数の会社に見積もりを取る作業を「相見積もり(アイミツ)」といいます。相見積もりには相場感を把握できる以外に、候補となる外注先の得意・不得意やできること・できないことを確認できるというメリットもあります。
ライティングだけでなく企画構成から任せられるのか、短納期でも対応してもらえるのか、大量の依頼も可能か、どこまで修正してもらえるのかなど、任せたい作業が多い場合には、それだけ対応範囲が広いアウトソース先を選ぶ必要があるのです。
外注先は、「自分たちが期待している成果」や「実現したいこと」を把握していない状態から記事制作をはじめることがほとんどです。仮に制作を急いでいたとしても、まずはしっかり自分たちのことを理解してもらう時間を作りましょう。そうすることで以降のコミュニケーションコストが減り、手戻りなども少なくなるはずです。
ヒアリングでは、次項で紹介する10の要件を中心に詳しく伝えるようにしましょう。
「あらためて記事制作の外注先を検討したい」「これから外注先を探したい」という企業様に向けて、整理しておきたい要件の10項目を紹介します。
あらかじめ社内調整を行って可能な限り要件を固めておくと、トラブル回避はもちろん、外注先とのスムーズなコミュニケーションに役立ちます。
# | 項目 | 内容 |
---|---|---|
1 | 記事制作の用途・目的 | 記事をどのようにマーケティングやブランディングに活かしたいのか |
2 | 成果指標(KPI・KGI) | セッション数やCV数など成果を測る定量的な指標は何か |
3 | テーマ・キーワード選定の有無 | テーマやキーワードの選定は自社で行うのか、依頼したいのか |
4 | 記事の想定文字量 | 1記事あたりの想定文字量はどれくらいか |
5 | 情報提供の有無 | 記事の情報源は自社で用意するか、リサーチから依頼したいのか |
6 | 画像提供の有無 | 画像は自社で用意するか、フリー画像の選定や図表の制作を依頼したいのか |
7 | 取材の有無 | 取材は必要か、必要な場合は取材先の選定・アポイントから依頼したいのか |
8 | 制作記事数 | 何記事を制作したいか、単発もしくは継続的か |
9 | 納期 | 納期はいつ頃を希望しているか |
10 | その他 | 追加の要望、補足事項はないか |
記事制作を外注するなら、外注先としっかりとコミュニケーションをとって認識をすり合わせる必要があります。 記事制作の外注先に今後も継続して依頼したい場合は、納品が完了した記事に対するフィードバックを実施しましょう。フィードバックをすることには、以下のようなメリットがあります。
フィードバックを実施することで、納品物に対する修正箇所の共通認識を持てます。また、依頼ごとにフィードバックを繰り返すことで、その後の依頼でディレクションや修正にかかる時間を減らすことも期待できるでしょう。 制作におけるディレクションや修正の負担が増えれば、おのずと利益は出なくなっていくもの。フィードバックを繰り返し、「イメージどおりのものがすぐ上がってくる状態」を作るのが得策です。
フィードバックは、外注先との定期的なコミュニケーションの一環です。日頃から細かくフォローすることによって、外注先においても満足度が高まり、案件の重要度や優先順位も上がっていきます。 このように「重要度の高い発注先」に成長させることで、短納期での納品や「指示書には記載がありませんでしたが調べておきました」といった“助かる対応”をしてくれる可能性が高くなるでしょう。
「この記事が検索で上位表示された」「この記事から問い合わせを獲得した」といった内容までフィードバックしておくと、代行先のライターの中でSEO向上やCV獲得に対する意識が高まり、成果につながりやすくなります。GA4(Google Analytics4)やGSC(Google Search Console)などを導入していれば、具体的な効果が分かるようにアクセス解析レポートなどを共有するのもおすすめです。
コンテンツマーケティングに取り組みたい企業にとって、記事制作を外注することは業務効率化や成果創出をサポートしてくれる有益な選択肢です。
記事制作で重要なのは、成果を出すこと。記事制作の外注を検討する際には、「コンテンツマーケティングの実績があり、クライアントと同じ視点で成果を追い求めてくれるかどうか」を確認することが重要です。
マーケティング視点を加味して記事制作を推進する「コンテンツディレクター」やアウトプットの品質をコントロールしてくれる「編集者(エディター)」がいる記事制作代行業者なら、貴社のプロモーションやマーケティング活動を効率化できるでしょう。
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