ホームページ(HP)作成にかかる費用は、依頼先やサイトの種類、ページ数、業種によって大きく変わります。本記事では、ホームページ作成費用の内訳や、ホームページ制作相場を依頼先別・サイト種類別・ページ数別・業種別に分かりやすく解説します。
「ホームページを作りたいけど、費用相場が分からない」「見積もりが適正か判断できない」という企業の担当者に向けて、費用を抑えるための具体的な方法や、補助金・助成金の活用法も紹介します。
▼ この記事で分かること ● ホームページ作成費用の詳細な内訳 ● 依頼先別・サイト種類別・ページ数別・業種別のホームページ制作相場 ● 静的サイトと動的サイト、CMS導入による費用の違い ● 作成費用を賢く抑える7つの具体的な方法 ● ホームページ作成に活用できる補助金・助成金の種類 |
この記事を読めば、自社が作成したいホームページの費用感を正確に把握し、予算内で最大限の効果を発揮する業者選びとプラン設計ができるようになります。
\BtoBサイトリニューアルのよくある5つの失敗例/
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ホームページを作成する上でまず知っておきたいのが、作業内容や費用の内訳です。ホームページを作る際には、主に以下のような作業に対して費用が発生します。
ホームページ作成を制作会社に依頼する場合は、業者ごとに対応範囲が異なる場合があります。依頼できる作業内容については、各代行業者にご確認ください。
ホームページでコンバージョンを獲得したり、自社のファンを増やしたりといった成果を出すには、戦略設計が非常に重要です。戦略設計にかかる費用は、「数万円から」が相場となります。
具体的には、ホームページ制作の目的設定、ターゲットの明確化、顧客理解、自社や商品・サービスの強みを整理し、それらに基づいたサイト設計が含まれます。また、ホームページ公開後も、ユーザーの流入や顧客獲得につながる運用を継続して行う必要があります。
これらのノウハウがない場合は、ホームページ作成に加えマーケティング戦略や施策まで相談できる制作会社に依頼するのがおすすめです。
「全体の方向性を示す戦略立案が得意」「実務に近い戦術設計が得意」というように、制作会社によって得意分野が異なります。そのため、自社の状況や希望に合った提案ができるパートナーを選ぶようにしましょう。
デザイン制作費とは、ホームページに掲載する写真や画像の作成・選定、レイアウトの決定など、サイト全体のデザインにかかる費用のことです。この費用は、ページ数や使用する写真・画像の枚数、デザインの作り込み具合によって変動します。
デザイン制作にかかる各作業の費用相場は、以下の通りです。
作業内容 | 費用相場 |
---|---|
トップページデザイン | 8万~16万円程度/ページ |
下層ページデザイン | 2万~7万円程度/ページ |
レスポンシブ対応を意識したデザイン | コーディング費の1.5~2倍程度 |
バナーデザイン | 5,000円~3万円程度/件 |
ロゴデザイン | 10万~50万円程度 |
また、テンプレートデザインを使うかオリジナルデザインにするかによっても料金は異なります。費用を抑えたい場合は、テンプレートを利用したデザインを選ぶのがおすすめです。
さらに、パソコンやスマートフォンなど閲覧デバイスに応じて最適な表示を実現する「レスポンシブ対応」を加えると、デザイン制作費が高くなる場合があります。
コーディング費とは、作成したデザインをホームページ上に正しく表示させるために、HTMLやCSSなどのコードを入力し、動作確認を行う作業にかかる費用です。費用はホームページの種類やページ数、写真の量、デザインの複雑さ、導入する機能によって変動します。
コーディングにかかる費用相場は、以下の通り。
ページの種類 | 費用相場 |
---|---|
トップページデザイン | 3万~6万円程度/ページ |
下層ページデザイン | 5,000円~5万円程度/ページ |
レスポンシブ対応を意識したデザイン | 通常の1.5~2倍 |
一般的なコーディング費の相場は、1ページあたり5,000円から6万円程度が目安です。また、スマホやPCなど複数デバイスに対応する「レスポンシブ対応」を含む場合は、通常の1.5倍から2倍程度の費用がかかります。
なお、専門的な知識がなくてもホームページを管理できるシステム「CMS」のノーコードツールを使えば、コードを使わずにホームページを作成できるため、コーディング費用を抑えることも可能です。
ホームページは「作成して終わり」ではありません。公開後も、Webサイトのバックアップやセキュリティアップデート、コンテンツの更新・追加、リンク切れの修正、SEO施策など、さまざまな保守作業が必要です。このようなサイト保守にかかる費用には、保守作業のサポート費やサイト更新費用なども含まれます。
サイト保守にかかる費用相場は、以下の通りです。
保守の対応方法 | 費用相場 |
---|---|
制作会社に依頼 | 2万~10万円程度 |
自社で対応 | 数千〜5万円程度 |
Webサイトの効果を高めるためのアクセス解析や、改善レポートの提出を依頼する場合は上記に加えてさらに費用が必要です。
また、ホームページを維持するためのレンタルサーバー費やドメイン費、SSL費などの費用がかかります。依頼する制作会社によって費用が変動するため、各社の提供するサービスや費用を比較して最適な会社を選びましょう。
費用項目 | 費用相場 | 概要 |
---|---|---|
レンタルサーバー費 | 数百~5000円程度/月 | サイトデータを保管するサーバー利用料(サイトの規模やアクセス数で変動) |
ドメイン費 | ・取得登録料 1~2000円程度 ・更新料 1000~5000円程度/年 ・移管料 1000~3000円程度 | 「https://●●●●.com」のようなインターネット上の住所の利用料 |
SSL費 | 0~10万円程度/年 | 通信暗号化のための費用(サーバー契約に含まれる場合あり) |
サイト保守費は、ホームページ運用にあたって継続的にかかる費用です。中には、更新作業のように、CMSを導入することで高度な専門知識がなくても対応できるものもあります。そのため、保守を含めて依頼するか、CMSを導入して自社で運用するかを事前に検討しておきましょう。
ホームページ制作後に成果を最大化するためには、公開後のマーケティング施策が欠かせません。「どのようにユーザーを集客するか(流入数の増加)」「集客したユーザーを顧客化するにはどうするか(コンバージョン獲得)」といった戦略設計が必要です。
具体的には、SEO対策、コンテンツマーケティング、リスティング広告やSNS広告の運用、メールマーケティングなどが挙げられます。ホームページ制作代行会社の中には、こうしたマーケティング支援まで一括して対応してくれるケースもあります。
マーケティング戦略の設計・実行にかかる費用相場は数万円〜100万円程度と幅広く、施策の範囲や規模によって大きく変動します。
作業内容 | 費用相場 |
---|---|
小規模サイトのSEOやブログ運用 | 数万円〜 |
広告運用や包括的な戦略設計 | 数十万円〜 |
大規模サイトの包括的マーケティング | 100万円前後〜 |
自社内に運用ノウハウがない場合は、制作からマーケティングまで一貫対応できる会社を選ぶと効果的です。必ず複数社から見積もりを取り、ホームページ制作費用全体の相場感と自社予算を照らし合わせて検討しましょう。
コンテンツ制作費は、ホームページ内に掲載する記事やホワイトペーパーなどの制作にかかる費用です。費用は、制作する文字数や画像・写真の枚数、インタビューや写真撮影の有無などによって異なります。
簡単なコラム記事であれば、フリーランスのライターに依頼することで費用を抑えることも可能です。
作業内容 | 費用相場 |
---|---|
一般的なコラム記事作成 | 0.5〜5円程度/文字 |
BtoB向け専門的な記事作成 | 5~20円程度/文字 |
取材(インタビュー)記事作成※ | 3万~10万円程度/件 |
※取材対応を含む
ライターへ依頼する場合の費用相場について、詳しくは別記事「Webライターの費用相場」をご覧ください。リライトの相場は「リライトの費用相場まとめ」で解説しています。
ホワイトペーパーの制作費用については、別記事「ホワイトペーパー制作代行について解説」をご確認ください。
CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)とは、HTMLやCSSなどの専門知識がなくても、ブログのように手軽にホームページの更新や管理ができるシステムのことです。代表的なCMSにはWordPressがあります。
CMSを導入すると、お知らせの更新や施工事例の追加などを自社で簡単に行えるため、運用コストの削減につながります。ただし、CMSの導入には初期設定費用がかかり、CMSの種類によっては月額利用料が発生します。無料で使えるCMSもあるため、予算や運用体制に応じて適切なシステムを選びましょう。
費用項目 | 費用相場 |
---|---|
導入費 | 0~500万円程度 |
月額利用料 | 0~30万円程度/月 |
ホームページ作成の依頼先は、フリーランスから大手制作会社まで幅広くあります。依頼先によって費用が大きく異なるため、目的や予算に合わせて依頼先を検討することが重要です。また、ホームページ制作を依頼する際は、複数の業者から見積もりを取って比較しましょう。
以下は、代表的な依頼先別の費用相場の目安です。
依頼先 | 費用相場 |
---|---|
フリーランス | 10万~50万円程度 |
小・中規模の制作会社 | 50万~300万円程度 |
大手制作会社 | 200万~1000万円程度 |
簡単なホームページ作成の場合は、フリーランスへの依頼も選択肢のひとつです。フリーランスは比較的コストを抑えられるため、予算を重視する場合に適しています。
一方で、制作期間が長くなることや、スキル・技術にばらつきがあるケースもあるため、事前にポートフォリオや実績を確認することが大切です。
以下は、ホームページの規模別に見たフリーランス依頼時の費用相場の目安です。
ホームページの規模 | 費用相場 |
---|---|
小規模(~10ページ程度) | 10万~30万円程度 |
中規模(30ページ程度) | 30万~50万円程度 |
費用を抑えつつ、一定のデザイン品質や機能性を求める場合は、小・中規模の制作会社に依頼するのがおすすめです。
以下はホームページの規模別に見た、小・中規模制作会社の費用相場です。
ホームページの規模 | 費用相場 |
---|---|
小規模(~10ページ程度) | 50万~100万円程度 |
中規模(30ページ程度) | 200万~300万円程度 |
なお、制作会社によって以下のように得意分野が異なります。
依頼前には実績や得意分野をしっかり確認し、自社の希望に合う背策会社を選びましょう。
大規模なホームページの作成を検討している場合は、大手制作会社への依頼がおすすめです。費用は高額になりますが、最新技術の導入やマーケティング支援など、幅広いサービスを利用できます。
以下は、ホームページの規模別に見た大手制作会社の費用相場の目安です。
ホームページの規模 | 費用相場 |
---|---|
中規模(30ページ程度) | 200万~500万円程度 |
大規模(100ページ程度) | 1000万円以上 |
大手制作会社も、ぞれぞれに以下のような特徴があります。
自社の目的や目指すホームページに適した会社を、しっかり見極めることが重要です。
ホームページにはさまざまな種類があり、目的によって構成や必要な機能が異なります。ここでは、代表的なサイトの種類別に費用相場を解説します。
まず、サイトの仕組みとして「静的サイト」「動的サイト」「CMSサイト」の3種類があり、それぞれ費用や更新の手間が異なるため理解しておくことが重要です。
▼静的サイト
HTMLファイルで構成されたシンプルなサイトで、誰がアクセスしても同じ内容が表示されます。更新には専門知識が必要で、制作費用は比較的安いですが、更新ごとにコストがかかります。
▼動的サイト
プログラムによりアクセスごとに表示内容を生成するサイトで、検索機能やデータベース連携が可能です。制作費用は高めですが、CMSを導入すれば更新作業が容易になります。
▼CMSサイト
WordPressなどのCMSを使った動的サイトの一種で、管理画面から簡単にコンテンツを更新できます。初期構築費用はかかりますが、ランニングコストを抑えやすいのが特徴です。
これらの特徴を踏まえたうえで、以下に各サイト種類の費用相場をまとめました。
種類 | 費用相場 |
---|---|
コーポレートサイト | 100万~300万円程度 |
オウンドメディア | 10万~200万円程度 |
サービスサイト | 100万~200万円程度 |
LP(ランディングページ) | 10万~80万円程度 |
コーポレートサイトは、企業の基本情報を発信し、ブランドイメージの確立や採用活動を目的としたホームページです。会社概要、事業内容、ニュース、採用情報、IR情報など、企業に関する多様な情報を掲載します。
企業らしさを表現するためにデザインの工夫は欠かせません。また、多言語対応や高度なセキュリティ対策なども重要です。ただし、機能やデザインにこだわるほど制作費用は高くなる傾向にあります。
以下は、依頼できる作業内容ごとの費用相場の目安です。
依頼内容 | 費用相場 |
---|---|
・テンプレートに沿ったデザイン作成 ・最低限必要な情報を掲載したサイト作成 | 100万円~ |
・オリジナルデザイン作成 | 200万円~ |
・オリジナルデザイン作成 ・運営に便利な機能が搭載されたCMS導入 | 300万円~ |
オウンドメディアは、企業が自社で運営する情報発信のためのホームページです。認知度の向上やブランドイメージの強化、リードの育成・獲得を目的として活用されます。
サービスサイトやコーポレートサイトの一部として用いられることも多く、その場合はブログ機能を備えたCMSを導入するのが一般的です。公開後は記事制作やSEO施策が必要となるため、運用にかかるランニングコストも意識しておかなければなりません。
以下は、依頼できる作業内容別の費用相場の目安です。
依頼内容 | 費用相場 |
---|---|
・簡易的なブログ機能のあるCMS導入 ※デザインやコンテンツは自社での作成を想定 | 10万円~ |
・オリジナルデザインの作成 ・運営に便利な機能が搭載されたCMS導入 | 100万円~ |
・オリジナルデザインの作成 ・運営に便利な機能が搭載されたCMS導入 ・完成後の戦略設計やコンテンツ作成 | 200万円~ |
サービスサイトは、企業が提供する製品やサービスの情報を発信し、販売促進やリード獲得を目的としたホームページです。製品情報、料金、活用方法、導入事例など複数のページで構成されることが一般的です。
費用はページ数のほかに、オリジナルデザインの有無やライティングの内容によって変動します。マーケティングの重要な役割を担うため、「公開後に運用しやすいサイト制作」が得意な制作会社を選ぶことがポイントです。
以下は、依頼内容別の費用相場の目安です。
依頼内容 | 費用相場 |
---|---|
・テンプレートに沿ったデザイン作成 ・必要最低限のサイトマップのサイト作成 | 100万円~ |
・オリジナルデザイン作成 ・必要最低限のサイトマップのサイト作成 | 150万円~ |
・オリジナルデザインの作成 ・最適なサイトマップのサイト作成 ・そのほか自社の希望に合わせたサイト作成 | 200万円~ |
LP(ランディングページ)は、訪問したユーザーに対して商品やサービスの購入、資料ダウンロード、セミナーへの申し込みなど、特定のアクションを促すためのページです。基本的には1ページで構成され、広告やメールなどを経由してユーザーを購入やダウンロード、申し込みなどに遷移させます。効果的なLPにするには、短時間でコンバージョンを促すための工夫が求められます。
ページが1枚のみのため、制作コストは比較的抑えられますが、ページ構成やデザイン、コピーライティングにこだわるほど費用は高くなるのが一般的です。
依頼内容 | 費用相場 |
---|---|
・テンプレートに沿ったデザイン作成 | 10万円以下 |
・オリジナルデザインの作成 | 10万~30万円程度 |
・オリジナルデザインの作成 ・構成案作成/ライティング | 30万~60万円程度 |
・オリジナルデザインの作成 ・構成案作成/ライティング ・作成後の戦略設計/改善サポート | 60万円以上 |
ホームページの規模によっても作成費用は変動します。ページ数が増えればその分作業が発生するため、作成費用は高くなるのが一般的です。
ページ数別の費用相場は以下の通りです。
ページ数 | 費用相場 |
---|---|
1ページ | 10万~60万円程度 |
~10ページ程度 | 10万~100万円程度 |
30ページ程度 | 30万~500万円程度 |
100ページ以上 | 300万円~ |
製品やサービスの魅力を伝え、購入や登録を促すLPなど、1ページで完結するサイトの場合は10万~60万円程度が相場です。
ただし、「ページの情報量を多くしたい」「オリジナルのデザインにしたい」「レスポンシブ対応にしたい」などの希望がある場合は、価格が高額になる傾向にあります。費用を抑えたい場合は、テンプレートを活用したり、自社でデザイン素材を用意したりする方法がおすすめです。
会社概要やサービス紹介、お問い合わせページなど、最小限の情報を掲載したい場合は、10ページまでの小規模なホームページ制作が一般的です。
費用相場はおよそ10万〜100万円程度となります。ホームページを頻繁に更新したい場合、CMSを導入すると自社で簡単に更新できるようになり便利です。ただし、導入費用や月額使用料がかかる点には注意しましょう。更新頻度が低い場合は、更新のたびに制作会社に依頼するほうが結果的に費用を抑えられることもあります。
最小限の情報に加えて、商品やサービスの詳細、採用情報など、より多くの情報を掲載したい場合は、30ページ程度の中規模サイトが適しています。
中規模サイトであれば、費用相場は30万~500万円程度です。特にコンテンツ制作やSEO対策を充実させる場合は、費用が高くなる傾向があります。制作の目的や優先順位をあらかじめ明確にしておくことが重要です。
また、店舗向けサイトやECサイトの場合は、予約システムやカート機能、クーポン発行などの専門システム・機能の導入が必要になるため、一般的なホームページよりも費用が高くなることを見込んでおきましょう。
ブランドページの設置やSEOを意識した豊富なコンテンツを備えたホームページを制作する場合、100ページ以上の大規模サイトを依頼する必要があります。費用相場は300万円以上と考えておきましょう。ページ数が増えればそれだけ費用も増え、1,000万円を超えるケースも少なくありません。
また、制作後のランニングコストについても考慮しておくことが大切です。運用を続ける上で、常に最新の情報を発信できるようにCMSの導入も検討しましょう。
ページ数の多い大規模サイトは完成までに時間がかかることが多いため、余裕のあるスケジューリングを確保する必要があります。
業種によって、ホームページに求められる機能やデザインのテイスト、重視すべきポイントは異なります。そのため、費用相場にも業種ごとに差が生じることがあります。
また、ホームページの規模やページ数、静的サイトか動的サイトかといった種類によっても、費用は大きく変動します。
相場:30万~150万円程度 |
飲食店のホームページでは、メニュー紹介や店舗情報(アクセス)、予約機能が主なコンテンツとなります。美味しそうな料理写真や店の雰囲気を伝えるデザインが重要です。
近年では、Web予約システムの導入やテイクアウト・デリバリーの注文機能、多言語対応のニーズが高まっており、これらを追加すると費用は高くなる傾向があります。
相場:80万~500万円程度 |
製造業のサイトは、製品情報や技術力の紹介、導入事例が中心です。とくにBtoB向けの場合は、信頼感や専門性を強調したデザインが求められます。
製品カタログのダウンロード機能や詳細なスペック検索、多言語対応など、多様な機能を搭載することが多く、それに伴い費用も高くなります。
相場:50万~200万円程度 |
士業のホームページでは、信頼感と専門性のアピールが最も重要です。事務所概要や取扱業務、弁護士・税理士の紹介、お客様の声、料金体系を分かりやすく掲載する必要があります。
専門分野に関するコラムの掲載も効果的で、その場合はCMS導入を検討すると運用がスムーズになります。
「できるだけ費用を抑えたい」と考えてしまいがちですが、本当に重要なのは「投じた費用に対してどれだけのリターン(成果)を得られるか」という費用対効果の視点です。
ここでは、費用対効果を最大化するための3つのポイントを紹介します。
ホームページはあくまで手段です。
「売上向上」「リード獲得」「採用成功」といった最終的な目的を達成するために、本当に必要な機能やコンテンツは何かをじっくり検討することが、費用を抑える第一歩となります。
どんなに優れたサイトを作っても、ユーザーが訪れなければ意味がありません。
サイト公開はあくまでスタート地点。SEO対策やコンテンツの定期更新、アクセス解析による改善など、「運用」こそが成果を左右する重要な要素が詰まっています。制作費用だけでなく、年間の運用予算もあらかじめ確保しておきましょう。
単なる「作業者」としてではなく、自社のビジネスの成功を一緒に目指してくれる「パートナー」として制作会社を選びましょう。
「自社の業種や事業内容を理解し、成果にコミットしてくれるか」「長期的な関係構築ができるか」を、見積もり金額以上に重視することがポイントです。良いパートナーは、予算内で最大効果を出すための代替案や、より費用対効果の高い施策を提案してくれます。
ここでは、ホームページ制作の費用を検討する際に押さえておきたい2つの注意点を紹介します。
外注せず自社でホームページを作れば、制作費用を大幅に抑えることができます。ただし、レンタルサーバーやドメイン、SSLの利用料といった基本的なコストは必ず発生します。
また、CMSを活用すれば効率的にホームページを作ることができますが、初期導入費用や月額利用料がかかる点は見落とせません。求めるクオリティや運用のしやすさを踏まえて、費用対効果を総合的に判断しましょう。
依頼範囲が「ホームページ作成のみ」である場合と、「マーケティング戦略設計や運用サポートまで含める」場合では、費用は大きく異なります。例えば、戦略設計や運用サポートを含めた本格的な依頼では、300万円以上かかるケースも少なくありません。
そのため、認知拡大や顧客獲得、ブランディング強化など、まずは目的を明確にし、それに合った依頼範囲と予算感を整理することが重要です。
ホームページの作成費用は、ページ数・作業内容・依頼先によって変動します。ですが、工夫次第でコストを抑えることも可能です。
ここでは、費用を抑えるための7つのポイントを紹介します。
まずは、ホームページ作成にかけられる予算の上限を明確にしておきましょう。制作会社に予算を伝えることで、その範囲内で最適なプランを提案してもらえます。
予算を決めずに進めると、機能追加が重なるなどして予算オーバーになりがちです。
「あれもこれも」と機能を詰め込むと、費用はどんどん膨らみます。「競合サイトにあるから」という理由だけで安易に追加するのではなく、「自社の目的達成のために必要かどうか」を基準に判断しましょう。
「必須機能(Must)」と「できれば欲しい機能(Want)」を整理して、優先順位をつけておくのがおすすめです。
オリジナルデザインよりも、既存のテンプレートを使った方が費用を抑えられます。WordPressなどのCMSには豊富なデザインテンプレートがあるため、希望に近いものを選べばコストを削減できます。
依頼時には、あらかじめ要望や希望をリスト化しておくのがおすすめです。「テンプレートを使用しても問題ない」と伝えておくことで、制作会社が希望に合ったテンプレートを探してくれます。
テキストや写真を制作会社に依頼すると、取材や撮影のコストが発生します。自社の魅力や訴求内容を細かく記したテキスト、サイトで使用する写真・イラストを用意しておけば、その分の費用削減が可能です。
自社の強みや魅力を一番知っているのは経営者や従業員なので、テキストや情報を用意することで、より精度の高いホームページ作成が期待できます。
ページのテキスト編集や画像の差し替えなど、外部に依頼するたびに費用がかかる更新作業は、できるだけ社内で対応できるようにしましょう。
WordPressなどのCMSを導入すれば、専門知識がなくてもテキスト修正や画像差し替えが可能になります。
同じ条件であっても、業者によって費用は異なります。最低でも2~3社に見積もりを依頼し、費用を比較するようにしましょう。
また、全体的な費用だけでなく「作業内容の内訳」にも注目することで、より適正な依頼先を見極められます。
国や地方自治体は、中小企業のIT導入や販路開拓を支援するための補助金・助成金制度を用意しています。これらを活用することで、制作費用の一部を補助してもらえます。
具体的な補助金・助成金は以下の通りです(いずれも2025年9月時点の情報)。
補助金・助成金の種類 | 補助・助成額 | 補助・助成率 | 内容 |
---|---|---|---|
IT導入補助金(通常枠) | 5万~450万円 ※プロセス数の要件により補助額が異なる | 対象経費の1/2以内 ※最低賃金近傍事業者は2/3以内 | 中小企業のITツール導入を支援。ホームページも対象になる場合あり |
小規模事業者持続化補助金(一般型) | 上限50万円 ※特例要件を満たす場合、上記に50万~200万円の加算あり | 対象経費の2/3以内 ※賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4以内 | チラシ作成やWebサイト制作などの販路拡大の取り組みに利用可能 |
ものづくり補助金 | ▼製品・サービス高付加価値化枠 750万~2,500万円 ※従業員数によって変動 ▼グローバル枠 3,000万円まで | 中小企業:1/2小規模事業者:2/3 | 新サービスや生産改善の一環としてホームページ制作が対象になる場合あり |
新事業進出補助金 | 2,500万~7,000万円 ※従業員数によって変動 ※大幅賃上げ特例適用事業者の場合、上記より上乗せ | 1/2 | 事業承継やM&Aに伴う広報費として利用可能 |
申請には要件や公募期間があるため、常に最新の情報を公式サイトで確認し、活用できるものがないか検討しましょう。
ホームページ作成の費用に関して、よく寄せられる質問をまとめました。
ホームページ作成費用は依頼先や種類、ページ数、業種などによって大きく変動します。規模別の目安は以下の通りです。
より詳細な費用相場は、記事内の「ホームページ(HP)作成の費用相場【ページ数別】」をご覧ください。
制作会社に依頼する場合は月2万~10万円程度、自社で管理する場合は数千〜5万円程度が一般的です。そのほか、ホームページを維持するためのレンタルサーバー費やドメイン費、SSL費などの費用もかかります。
詳しくは、記事内の「サイト保守費」をご覧ください。
ホームページ作成の費用を抑えるには、以下のようなポイントを意識しましょう。
各ポイントの詳細は、記事内「ホームページ作成の費用を抑えるポイント」をご覧ください。
ホームページ制作の費用は、依頼先やサイトの種類、ページ数、機能の有無、依頼内容の範囲によって大きく変わります。
本記事で紹介した相場を参考にしながら、自社の目的や予算にあった外注計画を立ててみてください。
執筆者
コンテンツディレクター/ライター
Miho Shimmori
2023年ファングリーに入社。以前はWebマーケティング会社で約2年半コンテンツマーケティングに携わり、不動産投資メディアの編集長を務める。SEOライティングが得意。ほかにも士業関連や政治など複数メディア運営の経験あり。Z世代の端くれ。趣味はサウナと競馬と街歩き。