学習塾の集客が思うように伸びず、悩んでいませんか?
塾マーケティングといえばこれまでは紙媒体などを使用した「オフライン手法」が主流でしたが、スマートフォンの普及率が高まっていることから近年ではインターネットを活用した「オンライン手法」も効果的です。
ただし、生徒を獲得したいからといって、やみくもにマーケティング施策を講じても効果は出ません。本記事では、学習塾の集客の現状から具体的な集客方法、集客を成功させるポイントを紹介します。
コンテンツマーケティングに関する基本情報は以下の記事をご覧ください。
コンテンツマーケティングとは顧客獲得に有効な手法!種類や実践プロセス、成功のためのポイントを解説
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「学習塾」というと、かつてはひとりの講師対して十数人の生徒を持つ「集団授業」のスタイルがメインでした。ですが現在では生徒一人ひとりのレベルに適合した教育へのニーズが高まり、学習塾の形態も以下のように多様化しています。
このような多岐にわたる選択肢が存在する今日においては、塾の特徴を伝える適切なアピールが必要です。
また、少子化によって塾同士の競争率が高まったり、スマートフォンの普及やSNS利用者の増加によりニーズが大きく変化したりもしています。時代の変化にともなって、学習塾の集客も従来とは異なるアプローチが誕生していることを理解しておかなければなりません。
はじめに、オフライン・オンラインのそれぞれで有効な学習塾の集客方法を紹介します。まだ実行していない施策があれば、導入を検討して集客の改善を図っていきましょう。
インターネットを活用しないオフラインによる主な集客方法は、以下のとおりです。
地域密着型の学習塾では、チラシによる集客が有効です。正しい地域特性を把握するために商圏分析を実施し、効果的にチラシを活用しましょう。また、冊子の活用も有効です。学校やスーパーマーケットなどに置いてもらえたら、狙いたい地域のターゲットからの認知度アップも期待できるでしょう。
ダイレクトメールは、オンラインの集客方法の中でも古くから存在する手法です。「メール」という言葉が入っていますが、ハガキや封書などの紙媒体で特定の個人へ送付します。サイズやデザインなどの自由度が高く、ターゲットのニーズに合わせて訴求しやすい内容を発信できるというメリットがあります。
塾の建物外などに看板を設置して認知してもらう方法は言うまでもありませんが、地域の生活動線を見極めて看板を出すと、より認知度を高めることが期待できます。
「生徒を獲得したら終わり」ではなく、学習塾の実績や生徒の満足度を高めることによって、生徒の兄弟姉妹や友人へと良い評判が広まることが期待できます。実際に、成績が上がったという成果などを、「生徒の声」としてコンテンツにまとめるのも効果的です。
夏休みや冬休みなどの長期休暇期間や、定期テストなどのタイミングと連動したイベントやキャンペーンによる集客も有効です。
インターネットを活用する集客方法には、以下のような選択肢があります。
Webサイトを通じた情報発信は最も一般的なオンライン集客の手法と言えますが、塾を探しているターゲットに見つけてもらうためには適切なSEO対策を講じる必要があります。
ただし、SEO対策だけに力を入れても「競合と似たようなコンテンツを発信するだけ」になるため、競合との差別化を図るという点では不十分です。SEOを意識したコンテンツだけでなく、入塾の決め手となり得る独自性の高いコンテンツも用意しましょう。
また、スマートフォン普及率の高さから見ても、オンライン集客窓口の重要性はますます高まる傾向にあります。デスクトップ版のWebサイトだけでなくスマートフォン版のサイトも用意することで、使いやすさ(ユーザーエクスペリエンス、UX)、ひいては信頼性に良い影響を与えられます。
X(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどのSNSを活用して認知を高める方法も有効です。具体的に発信する内容としては、授業の様子や講師の紹介などが挙げられます。なお、SNSは「情報を発信しやすい」という側面がある一方で、生徒の写真を許可なくアップロードするとトラブルに発展する恐れもあるため注意が必要です。
SNSでの発信にも通じますが、授業の様子や塾の雰囲気を伝えるのには、YouTubeを活用して動画で情報を発信することも有効です。以下のように「勉強法」や「おすすめ教材」などユーザーが求める情報を発信できれば、流入数のアップを狙えるでしょう。
オンライン広告というとリスティング広告が有名ですが、近年ではX(旧Twitter)やInstagram、YouTubeなどに出稿するSNS広告やWebサイト上に表示されるバナー広告(ディスプレイ広告)なども勢力を強めています。いずれもビッグデータを活用しているため、精度の高いターゲティングが可能です。
メールを活用して見込み顧客とコミュニケーションを取り、集客につなげるマーケティング手法です。メールマーケティングには、メール広告やメールマガジン、ステップメールといった手法があります。クリックしたくなるようなタイトル付けや、HTMLを活用して画像を多めに入れることで視覚的にも訴求できる要素が多いのも特徴です。
また、「メールを開封した割合(開封率)」「リンクがクリックされた割合(クリック率)」などの指標を計測できます。これらの指標をKPIとして設定し、効果を確認できるのもメリットです。
マーケティングオートメーションは、Webサイトやメールなどから得られるデータを活用して、オンラインでのマーケティング活動を自動化できるツールです。入塾までのプロセスに最適なコンテンツを用意し、マーケティングオートメーションを活用することで、塾の集客活動の効率化が期待できるでしょう。
学習塾の集客方法を成功させるために重要な4つの視点を解説します。
商圏分析とは、国勢調査などの統計情報と自社が保有する情報を活用し、地理的に集計・分析する作業のことです。これらの集計・分析は、学習塾の集客に不可欠なエリア戦略に活かせます。
学習塾で重要な指標は、以下の3つです。
これらの指標はこれから学習塾を開業する場合だけでなく、競合との比較にも利用できます。商圏分析でどのエリアを重視したら良いかを明確化して策を講じることが、無駄なコストをかけずに効率的に集客する秘訣です。また、集客を実施するエリアの選択と集中ができれば、コストの削減につながります。
少子化の一途をたどる日本において、子どもを対象とした学習塾ビジネスは限られたパイを奪い合う状況にあります。
一方で、森上教育研究所が公表しているデータによると、首都圏の中学受験者数は2015年以降右肩上がりで増加しており、過去20年の推移のなかで最高値を記録した2007年の受験者数に迫る勢いを見せています。コロナ禍の入試となった2021年度の受験者数も前年比ほぼ横ばいと、その勢いが衰えることはありませんでした。
少子化が進むなかでも特に首都圏では教育熱の高まりが顕著で、さらにコロナ禍で公教育の課題が浮き彫りになったことを踏まえると、学習塾は企業規模に関係なく「いかに教育熱心な家庭を囲い込めるか」が生き残りを左右するといえます。
学習塾に限らず、あらゆるサービスは顧客の「不」を解消することで存在価値を発揮します。不満・不安・不便といったさまざまな「不」を解消できれば、満足度が向上してリピートにつながるからです。
特に教育は、不安や悩みが生じやすい分野です。「成績が上がらない」「授業についていけない」「志望校に受かるか心配」など悩みのレベルは人それぞれですが、どんなに優秀な生徒であっても、勉強に対する悩みがないというケースは珍しいのではないでしょうか。とくに教育熱心な家庭であれば、それらの悩みを“お金を出してでも”解決したいと考えるでしょう。
だからこそ、塾の集客ではターゲットの悩みに徹底的に寄り添い、解決策を具体的に示すことが重要です。「ターゲットの抱える悩み」と「その解決策」を明確にすることが、マーケティング施策を検討するうえでの大前提となります。
学習塾に実際に通うのは子どもでも、決裁者となるのは保護者です。最終的に保護者を納得させなければ、入塾にはつながりません。つまり、塾の集客においてもっとも重要視しなければならないターゲットは保護者であり、向き合うべきは保護者の「本音」です。
保護者がわが子本位で塾を検討するのは当然のこと。せっかく入塾させるなら「うちの子に最適な授業をしてほしい」「うちの子をちゃんと見てほしい」と考えるでしょう。
例えば大手集団塾の場合、授業の質や受験指導のノウハウなどは申し分なくても、生徒一人ひとりへのフォローは行き渡りづらく、完全に自走できる生徒でない限り多少の不平・不満は生じてしまうものです。集団指導というスタイルで、生徒一人ひとりに歩調をあわせるには限界があります。
一方、生徒一人ひとりをフォローしやすいのが中小規模の学習塾の特長。生徒へのフォローが行き渡りづらい大手集団塾に比べると、集団指導であっても保護者の「うちの子に最適な授業をしてほしい」「うちの子をちゃんと見てほしい」といった気持ちに応えられる可能性が高く、そこに魅力を感じる層も多いでしょう。
塾の集客ではこのような保護者の本音を起点とし、それに応える解決策を明確なメッセージを発信していくことが、選ばれるための絶対条件になります。
塾の集客において、保護者や生徒へのインタビューコンテンツも有効な施策といえます。次のような質問を投げかけて、具体性のあるエピソードを引き出しましょう。
インタビューは保護者の本音を把握してマーケティング施策の根拠とするのはもちろん、インタビュー自体をコンテンツ化してWebサイト上に記事として公開したり、入塾相談の場面で保護者にお渡しする冊子にまとめたりなど、二次的な活用もできます。
学習塾は基本的にローカルビジネスなので、もともと友人・知人からの紹介やクチコミによって入塾に至る傾向が強くあり、やはり「身近な第三者のお墨つき」は非常に有効です。実際に通って成果を実感している生徒やその保護者に間接的に塾の魅力を語ってもらうことが、より説得力や信用度の向上につながります。
学習塾では授業や広報活動など幅広く業務をこなす必要があり、ひとつの集客施策に落ち着いて向き合える時間をなかなか確保できないかもしれません。ですが、塾の認知度を高め、入塾してもらうためには適切な情報発信が欠かせません。そのためには、コンテンツマーケティングの正しい知識が必要です。
コンテンツマーケティングについては、以下の記事もご覧ください。
【徹底解説】コンテンツマーケティングとは?~成果を出すための正しい理解と実践方法~
ファングリーでは、学習塾を対象としたマーケティング戦略立案やコンテンツ制作のご支援を行っています。以下のようなお悩みがありましたら、株式会社ファングリーにお気軽にご相談ください。
執筆者
コンテンツディレクター/ライター
MIHO SHIMMORI
2023年ファングリーに入社。以前はWebマーケティング会社で約2年半コンテンツマーケティングに携わり、不動産投資メディアの編集長を務める。SEOライティングが得意。ほかにも士業関連や政治など複数メディア運営の経験あり。Z世代の端くれ。趣味はサウナと競馬と街歩き。
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