カスタマーマーケティングに
取り組むべき理由と施策を解説

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投稿者:TSUBAKI TAKERU

近年「カスタマーマーケティング」と言われる、既存顧客を対象としたマーケティング活動に注力する企業が増えています。従来通り潜在層を掘り起こすことによる新規顧客の獲得が重要であるのは間違いありませんが、同時に既存顧客が企業にもたらす利益は事業を継続するうえで非常に大きいと考えられているためです。

本記事では、なぜカスタマーマーケティングに取り組むことが大切なのか、さらにカスタマーマーケティングに取り組むうえでの具体的な施策をお伝えします。

カスタマーマーケティングはなぜ重要視されているか

継続的かつ安定的な売上が見込める“サブスク”型のビジネスモデルが普及

前述の通り、カスタマーマーケティングの対象となるのは既存の顧客です。既存顧客へのマーケティングが重要視されるようになった理由の一つとして、近年よく耳にするようになった「サブスクリプション」というビジネスモデルの普及が挙げられるでしょう。

「Spotify」や「Netflix」などに代表されるBtoC向けはもちろん、BtoBにおいてもサブスクリプション型のビジネスモデルは多くのサービスで取り入れられています。サブスクリプション型のビジネスモデルは契約成立後、顧客が解約しない限りは継続的かつ安定的な売上を見込むことができ、将来的な売上を試算しやすい点がメリットとされていますが、それらを達成するには既存顧客の維持、つまり解約阻止を図ることが不可欠です。

サービスの解約を阻止して継続利用を促すには、当然、顧客の満足度を向上させる必要があるため、カスタマーマーケティングが重要性を増していると言えるでしょう。

カスタマーマーケティングがもたらすメリット

コストを抑えながら売上の維持・増加が期待できる

新規顧客を獲得するためには、広告費や営業活動にかかる人的リソースの確保などを含めると非常に大きなコストがかかります。一般的には新規顧客の獲得にかかるコストは、既存顧客の継続利用にかかるコストに比べて5倍であるとされています。もちろん新規顧客の獲得が重要であることは間違いありませんが、効率よく安定的な収益を得るには、すでに取引がなされている既存顧客が継続利用してくれるように働きかけることも欠かせません。

また、既存顧客の場合、新規顧客に比べると過去の取引実績からサービスへの信頼や理解がある分、アップセルやクロスセルといった取引の追加にもつながりやすく、コストを抑えながら売上の増加が期待できます。カスタマーマーケティングにより注力して取り組むことによって既存顧客との関係性がよりよくなれば、その効果をさらに高められます。

顧客ロイヤルティを高め、LTV向上につながる

顧客ロイヤルティとは、自社顧客が抱くサービスへの愛着や忠誠心のことです。当然ながらサービスを気に入ってくれている顧客が多ければ多いほど、競合サービスへ乗り換えられたり、中途解約をされたりといったリスクが起こりづらく、営業損失を最小限に抑えることができます。

また、ロイヤルティの高い顧客を増やすことは、近年マーケティングの重要指標の一つと考えられているLTV(顧客生涯価値)の向上にもつながるため、カスタマーマーケティングは企業の安定的な成長において欠かせない重要な取り組みであると言えます。

既存顧客の評判やクチコミから新規顧客を呼び込める

カスタマーマーケティングによって既存顧客の満足度やロイヤリティを高めることで、顧客を起点とした新規顧客の呼び込みにつながる可能性があります。具体的には、BtoBであれば既存顧客が直接的に別会社や別部署へサービスを紹介してくれたり、BtoCであれば既存顧客がSNSなどでサービスを評価するクチコミを発信してくれたりといった効果が期待できます。

既存顧客の“お墨付き”は、新規顧客がサービス利用を検討する段階においても非常に大きな後押しとなるため、企業側がコストをかけることなく、新規顧客を獲得することも可能になります。

カスタマーマーケティングに欠かせない3つの施策

オンボーディング施策

人事領域でもよく聞かれる「オンボーディング」。カスタマーマーケティングにおいても取り組みの目的は同様で、自社サービスを利用し始めたばかりの顧客がサービスへの理解を深めてメリットを享受できるように、適切な情報提供を行うことを指します。

具体的には、サービスを効果的に使いこなすためのマニュアル資料やチュートリアル動画を制作して配信したり、サイトにわかりやすいFAQページを掲載したりといった施策が挙げられます。オンボーディングをきちんと行わないと、「使ってはみたけど、いまいちメリットが感じられない」「機能をまったく使いこなせない」などの理由からサービスの解約につながってしまうため、カスタマーマーケティングによってフォローする必要があります。

リテンションマーケティング施策

リテンションマーケティング施策は、顧客との関係を維持することを目的としています。オンボーディングを経てサービスのメリットを一通り理解した顧客が、その先も継続的に利用してくれるように、定期的に有益な情報提供を行うことを指します。

具体的には、顧客の関心が高いと思われるウェビナーの開催やキャンペーン施策をお知らせするなどの施策が挙げられます。リテンションマーケティングのポイントは、顧客の属性やニーズを把握し、最適なタイミングで有効なアプローチを行うことです。

コミュニティマーケティング施策

コミュニティマーケティング施策は、自社サービスの顧客同士が交流する場を提供することを指します。特にBtoC向けのサービスで多く実践されている施策で、具体的にはコミュニティサイトの運営やSNSのハッシュタグやライブ配信を活用したコミュニティ形成の促進などが挙げられます。

コロナ禍においてはオンラインでの交流をメインとした施策が主流となっていますが、オフラインでのイベント開催などもコミュニティマーケティング施策として有効です。コミュニティマーケティング施策は特に顧客ロイヤルティの醸成に効果的であり、既存顧客のアップセルやクロスセルに期待ができます。

カスタマーマーケティングに取り組みたいとお考えなら

優れたサービスを生み出しても必ずしも売れるとは限らない時代において、顧客獲得の課題はどの企業も頭を悩ませているところでしょう。事業をスケールさせていくためには新規顧客の獲得も当然重要ではありますが、本記事でご紹介した通り、すでにサービスを使ってくれている既存顧客へのカスタマーマーケティングにも注力していくことが、企業に大きな利益をもたらすことは間違いありません。

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この記事の投稿者

TAKERU TSUBAKI

セールス

大学卒業後、株式会社フリーセル(現ブランディングテクノロジー株式会社)入社。クライアントのWeb戦略コンサルティングに従事し、多種多様なプロジェクトを推進。その後、グループ会社の株式会社ファングリーに移籍。セールス部門のマネージャーとしてWebマーケティングのプランニング・戦略立案を支援している。

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