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二重表現(重複表現)の具体例と改善テクニック

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本記事では、文章作成時に注意すべき「二重表現(重複表現)」について、豊富な具体例を交えて解説しています。

「なんだか文章がくどい」「もっとすっきり伝わる文章を書きたい」と感じているWebライターやメディア担当者は多いのではないでしょうか。無意識に使ってしまいがちな重複表現を避け、文章の質を向上させるための具体的な言い換えテクニックを紹介します。

▼ この記事で分かること
● 二重表現(重複表現)の基本的な意味
● 日常でつい使ってしまう二重表現(重複表現)の具体例
● パターン別の二重表現(重複表現)と言い換えの表現方法

この記事を読めば、冗長な表現をなくし、より簡潔で分かりやすい洗練された文章を作成できるようになります。

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二重表現(重複表現)とは

二重表現(重複表現・重言)とは、同じ意味の言葉を重ねた修辞技法です。語彙や文法の誤用として扱われることが多く、読み手にとって冗長に感じられたり、文章の洗練さを損ねたりする原因になります。一般的なライティングでは簡潔な言い回しが好まれるため、こうした重複表現は避けた方が無難です。

なお、「びっくり仰天」「エンドウ豆」「過半数を超える」など、言葉の変化と共に定型句として定着しているものは二重表現として認識されなくなりつつあります。しかし、二重表現は意味が通じるため重大な誤りとはされませんが、無意識に多用すると読み手に稚拙な印象を与えかねません。日常会話では気づかず使ってしまう場合があるため、コンテンツ制作においては十分注意が必要です。

二重表現(重複表現)の種類

二重表現(重複表現)には、いくつかのパターンがあります。それぞれのパターンを理解することで、的確に二重表現を避けられるでしょう。

単語の中に修飾語の意味を含むパターン

修飾語とは、他の文節を詳しく説明する文節のことです。この二重表現のパターンは、すでに修飾語の意味を含んでいる単語に、さらに同じ意味の修飾語を加えることで重複表現となります。

具体的には、以下のような表現が挙げられます。

● 馬から落馬する
● 色が変色する
● 全てを一任する

これらは「落馬」「変色」「一任」という言葉の中に、修飾語として使用している言葉の意味が含まれています。正しくは修飾語を外し「落馬する」「変色する」「一任する」という表記になります

単語の中に動詞や形容詞の意味を含むパターン

このパターンは、単語自体に動詞や形容詞の意味が含まれているにもかかわらず、その単語にさらに動詞や形容詞を付加することで二重表現となるパターンです。

例として以下のような表現があります。

● 頭痛が痛い
● 挙式を挙げる
● 違和感を感じる

これらは「頭痛」「挙式」「違和感」の中に、その後に続く動詞や形容詞と同じような意味が含まれています。しかし前述のパターンと少し違うのは、“それらの言葉だけでは文章にならない”という点です。そのため「頭痛がする」「挙式をする」「違和感がある」と文章を構成する必要があります。

なお、「歌を歌う」や「数を数える」などは一見すると重複表現のように見えますが、「歌」と「歌う」が異なる役割を持つため、重複表現には該当しません

ひとつの表現の中で意味が重複するパターン

これは重複表現と思われにくく日常的にも多く使用されているため、意識していないと使ってしまう可能性が非常に高いパターンです。

例として、以下のようなものが挙げられます。

● まずはじめに
● だいたい○○くらい
● 約○○程度
● 一番最初/一番最後

「まず」と「始めに」、「だいたい」と「くらい」、「約」と「程度」、「一番」と「最初/最後」では意味が重複した言葉となります。同時に使用するのではなく、どちらか一方を使用するようにしましょう

よく使われる二重表現(重複表現)の一覧表

ここでは、よく使われる二重表現・重複表現の例を日常会話やビジネスシーンに分けて紹介していきます。

日常会話での二重表現(重複表現)

以下は、日常会話でよく使われやすい二重表現の例です。意味の重複に気づきにくいものも多いため、参考にしてください。

二重表現・重複表現正しい表記
一番最初/一番最後最初/最後
頭痛が痛い頭痛がする/頭が痛い
違和感を感じる違和感がある/違和感を覚える
後で後悔する後悔する
被害を被る被害を受ける/損害を被る
炎天下の下(もと)炎天下に
目視で見た目視した/見た
注目を集める注目を浴びる/注目される
伝言を伝える伝言を渡す
明かりを点灯する明かりをつける/点灯する
必要不可欠必要がある/不可欠
発売を開始発売/販売を開始
募金を募る募金する
収入が入る収入がある
車に乗車する乗車する
元旦の朝元旦/元日の朝
クリスマスイブの夜クリスマスイブ
年内中に年内に
日頃から日頃/日ごろ
お中元ギフトお中元

ビジネスシーンでの二重表現(重複表現)

ビジネス文書やプレゼン資料、メールなどでも二重表現や重複表現が見られるケースがあります。ここではビジネスシーンでありがちな二重表現の例を以下にまとめました。

二重表現・重複表現正しい表記
各部署ごと各部署、部署ごと
約●●程度約●●/●●程度
受注を受ける受注する/注文を受ける
返事を返す返事をする/返信する
今現在今/現在
だいたいの目安目安として/だいたい
捺印を押す捺印する
既に連絡済み連絡済み
従来から従来/以前から
まだ未定未定です/まだ決まっていません
あらかじめ予測する予測する/推測する
事前準備準備/下調べ
内定が決まる採用が内定する
すべてを一任する一任する
製造メーカーメーカー/製造元/製造会社
IT技術IT/情報技術
DX化DX
お体ご自愛くださいどうぞご自愛ください
拝見させていただく拝見します

二重表現(重複表現)の改善方法

二重表現を避けることで、文章はより洗練され、読み手にとって理解しやすくなります。ここでは、二重表現を改善するための具体的な方法を紹介します。

言い換えのテクニック

二重表現を使用してしまう際の効果的な改善策のひとつは、言葉を適切に言い換えることです。例えば「事前に予告する」であれば、「予告する」だけで意味は通じます。

このように重複している意味の片方を削除したり、より簡潔な単語やフレーズに置き換えたりすることでスムーズな表現にできるでしょう。

また、形容詞や副詞で過度に強調していないかをチェックすることで、より明快な表現になります。文章を書く際には意味の重複がないか、常に意識しながら言葉を選ぶことが大切です。

ツールを活用したチェック

文章校正の際には、二重表現のチェックに対応したツールを活用するのも効果的です。近年では文章校正ツールや文法チェッカーなど、二重表現を自動で検出してくれる便利なツールが多数存在します。これらのツールを活用することで、見落としがちな二重表現を効率的に発見・修正できるでしょう。

たとえば、以下のようなツールが挙げられます。

● Microsoft Wordの文章校正機能
● 日本語校正サポートWebツール
● 文章校正AIツール

ただし、ツールを過信せず、あくまで補助的に使いつつ、自身の目でも文章を見直す習慣をつけることが重要です。

AI校正ツールのひとつ「Typoless(タイポレス)」については、別記事「AI校正ツール『Typoless(タイポレス)』を使ってみた!」で解説しています。

二重表現(重複表現)に関するよくある質問

二重表現(重複表現)とは?

二重表現(重複表現・重言)とは、同じ意味の言葉を重ねた修辞技法です。語彙や文法の誤用として扱われることが多く、読み手にとって冗長に感じられたり、文章の洗練さを損ねたりする原因になります。

詳しくは、記事内の「二重表現(重複表現)とは」をご覧ください。

二重表現(重複表現)の種類は?

二重表現(重複表現)には、主に以下の種類があります。

  • 単語の中に修飾語の意味を含むパターン
  • 単語の中に動詞や形容詞の意味を含むパターン
  • ひとつの表現の中で意味が重複するパターン

それぞれの二重表現については、記事内の「二重表現(重複表現)の種類」で詳しく解説しています。

二重表現(重複表現)の改善方法は?

二重表現(重複表現)を改善するには、「言い換えのテクニック」を身につけたりツールを活用したチェックを実施したりすることが効果的です。

それぞれの改善方法については、記事内の「二重表現(重複表現)の改善方法」をご覧ください。

まとめ

二重表現(重複表現)は必ずしも間違った表現ではないため、日常で目にしたり耳にすることが多いものです。

しかし、意味の重なりによって文章が冗長になり、読み手に違和感を与える原因になります。特にビジネス文書やWebコンテンツでは、読みやすくスマートな表現が求められるため注意が必要です。

本記事で紹介したように二重表現(重複表現)にはさまざまなパターンがあり、無意識に使ってしまうこともあります。日常的に見直す癖をつけ、ツールなども活用しながら、より伝わりやすく信頼性の高い文章を目指していきましょう。

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Miho Shimmori

執筆者

コンテンツディレクター/ライター

Miho Shimmori

2023年ファングリーに入社。以前はWebマーケティング会社で約2年半コンテンツマーケティングに携わり、不動産投資メディアの編集長を務める。SEOライティングが得意。ほかにも士業関連や政治など複数メディア運営の経験あり。Z世代の端くれ。趣味はサウナと競馬と街歩き。

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