映像コンテンツの中にクリック・タップできる仕掛けを用意することで、ユーザーがシナリオを選択できるインタラクティブ動画。「動画コンテンツへの能動的な参加」を促せるこの“さわれる動画”は、ユーザーのエンゲージメントを高め、コンバージョンを獲得しやすいリッチコンテンツとして注目されています。
現在、インタラクティブ動画の制作プラットフォームを提供している代表的なベンダーは5社ありますが、 各社の特徴や違いを理解している方は少ないかもしれません。この記事では、企業のコンテンツマーケティング支援やブランディング支援を行っているファングリーの動画制作ディレクター・内藤が、5つのベンダーにヒアリングを行い、実際にツールを使ってみた感想や各社の違いを比較してまとめました。
「“さわれる動画”を作りたいけど、制作はどこに依頼すればいい?」「そもそも各制作会社のサービスにはどんな違いがあるの?」と悩んでいる企業の広報・採用担当者の方、あるいは制作パートナーを探している方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
動画ディレクター:内藤 一樹(ないとう・かずき)
動画ディレクターとして企業VP(ビデオパッケージ)からブランディング動画まで、課題解決のための映像制作に従事する。これまでの動画制作の知見を生かし、インタラクティブ動画制作においては企画立案、ディレクション、編集まで一貫して担当。“さわれる動画”の活用方法を、日々研究中。
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タッチスポット社が提供しているのは、「TOUCHSPOT MAKER(タッチスポットメーカー)」というツールです。インタラクティブ動画を企画から制作、レポート解析までフルオーダーメイドで行い、専属の企画チームが一気通貫で併走してくれます。エントリープランとして、ツールのみを提供してもらうことも可能です。プレゼンテーションソフトのPowerPointやKeynoteのようなUIで、非クリエイターでも気軽に制作することができます。
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■ライトプラン
スプレッドオーバー社の「SOVE(ソーブ)」は、DSP広告を利用してさまざまな配信先にインタラクティブ動画の出稿が可能なインタラクティブ動画制作サービスです。企画、構成、撮影、編集、インタラクティブ化、レポーティングまでワンストップで提供していますが、ツールのみの提供は行っていないため自社で制作することはできません。
「SOVE Boost」というインタラクティブ動画広告配信サービス(別途費用)も提供しています。数千のウェブメディアに対し、年代、性別、市区町村、配信先カテゴリ、興味関心など、さまざまなターゲティング属性を設定して広告配信が可能です。
■スタートプラン
15名のシステムエンジニアが在籍するパロニム社のプラットフォームは、「Tig(ティグ)」です。ツールのカスタム(タップボタンのデザイン変更などの簡単なものから、視聴者がタップした回数を一定数満たすと外部サイトへリンクするシステムの開発まで) にも臨機応変に対応。「タップ(クリック)」はもちろん、購入を検討している商品の「ストック」、商品の詳細ページやECサイトなどへの「ジャンプ」といったアクションにより、視聴完了率とエンゲージメントを高められます。
別サービスのデジタルカタログ「Tig magazine」(別途費用)を利用すれば、カタログ内にインタラクティブ動画を設置することも可能。印刷代などのコストを抑えつつ、静止画で伝わりにくい情報を動画で補完できるため、オムニチャネル化に有効です。
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■スタンダードプラン
インタラクティブ動画制作と記事制作、さらにSNS発信まで、メディア運用を一元管理できるのがサムシングファン社の「DOOONUT(ドーナツ)」です。データ分析機能が充実しており、視聴率グラフやヒートマップなどを使って、映像の配信先ごとに視聴者の動向を細かく把握できます。レビュー機能もついており、発注者側と制作側でオンラインによるフィードバックが可能。動画素材のアップロード本数やインタラクティブ動画の公開本数に制限がないのも魅力です。
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■インタラクティブ機能限定プラン
インタラクティブ動画マーケティングのリーディングカンパニーとして計200社以上の支援実績があるMIL社では、戦略立案から運用改善までをワンストップで支援しています。UI・UX専門のデザインチームが在籍しており、使いやすさが常にブラッシュアップされているのが特長。
通常のインタラクティブ機能の他に、二面性のある2つの映像をタップでシームレスに切り替えられる「スイッチング機能」、360度カメラで撮影した映像を使える「360度動画」、InstagramやTikTokの動画体験を組み込んだ「MILリール」、「Salesforce連携機能」などさまざまな機能が追加。データ分析においては特許取得技術を用いた独自の視聴データ分析(歩留りパート、離脱原因、視聴動体、流入別経路、Salesforce連携など)でPDCAを回しながら動画の改善を行うことが可能です。
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■通常プラン
インタラクティブ動画のベンダー5社比較は、参考になったでしょうか?すべての制作会社に対してヒアリングを行い、ツールのみの提供を行っていないスプレッドオーバー社の「SOVE」以外はすべて実際に手を動かしてツールの特徴や違いを確認しているので、リアルな情報になっているのではないかと思います。
今回、ファングリーの既存動画事例集を“さわれる動画”化するにあたって、各社のエントリープランを使ってスペックや使用感を確認・比較しました。一口にインタラクティブ動画制作プラットフォームと言っても、通信容量、アップロード本数、データ分析機能などにさまざまな違いがあります。そうした違いを把握しておくと、制作を依頼する際に安心です。
また、この記事と連動して、インタラクティブ動画の各ツールの特徴を横並びで確認できるホワイトペーパー(機能早見表つき)をご用意しました。自社やクライアントのマーケティング施策に最適な制作会社・ツールを選ぶための資料として、お役立てください。
株式会社ファングリーでは、ウェブサイト(オウンドメディア)や記事・動画などを使った総合的なコンテンツマーケティング支援を行っています。今回ご紹介したインタラクティブ動画はもちろん、ブランディング動画、インタビュー動画、YouTubeや各種SNS向けの動画、展示会向け動画、ビデオインフォグラフィック、採用動画、eラーニング動画、オンラインマニュアル動画など、さまざまなジャンルの制作実績があります。動画制作に関するお悩みや課題をお持ちの担当者様は、お気軽にご相談ください。
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