動画制作の相場ってどれくらい?
見積もり前に覚えておきたい費用の概算と内訳

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投稿者:USAMI HIROYUKI

動画制作にかかる費用は、撮影代や編集費用だけではありません。作業工程や相場、料金に影響を与えるポイントなどを理解しておくと、見積もり時に感じる予算とのギャップを減らすことにつながります。あらかじめ費用の概算や内訳について把握しておくと、「希望通りの品質」が実現しやすくなるでしょう。

本記事では、制作会社などに料金の見積もりを依頼する前に押さえておきたい動画制作費用の概算と内訳、そして見積もりの際に知っておきたい注意点などについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。

動画制作の工程を押さえよう

動画制作の工程を押さえよう
動画制作の工程は多岐に渡ります。ここでは、打ち合わせから企画構成・ナレーション収録まで、8つのステップに分けて各工程を見ていきましょう。

ステップ1:キックオフミーティング

新しいプロジェクトを始めるために、プロジェクトの概要や目的、スケジュールなどの洗い出しを行う会議を「キックオフミーティング」と言います。自社と動画制作会社で情報を共有し、アイデア・作業要件などをすり合わせたり、意見を出したりする目的で最初に行う会議です。

次のステップで要件整理や目的の明確化を行いますが、初めて動画制作を行う際は具体的に何を行えばよいのか、見当がつかないことも多いでしょう。最初に制作会社と「これからの流れ」「自社で決めるべきこと」「制作会社に任せること」「動画制作の目的」「予算」などについてすり合わせます。

ステップ2:要件整理・目的の明確化

動画制作を行う際は、目的をはっきりしておかなければなりません。例えば、次のような目的が挙げられます。

  • ブランディング強化
  • 売上拡大
  • 知名度の向上
  • 採用

いずれの場合も、「誰に」「何を」「どのように」伝えるのかを明確にしておきましょう。このとき、あわせて予算、自社・制作会社で取り組むタスク、納期(制作スケジュール)も確定させます。

ステップ3:企画構成

企画構成を考える前に、動画制作の目的とターゲット、そして「視聴したユーザーにとってほしい行動」を明確にしておかなければなりません。加えて、その動画でどのようなメッセージを伝えたいのか、コンセプトにあたる部分も固めておきます。

それを踏まえて、企画構成段階では動画の種類や尺の長さ、表現方法などを決めていきます。テイストや見せ方の参考にしたい動画があれば、準備しておきましょう。そうすることで、イメージの違いを事前に防止できます。

ステップ4:字コンテ

コンテは、カットごとにセリフや動作などの指示を詳しく書き記した撮影台本のこと。絵コンテを描く前に、文字でコンテを表現するステップを字コンテと言います。ナレーション、カメラワーク、カット割りなどについて文字で書き起こします。絵コンテほど手間はかかりません。

制作会社はまず、企画構成を踏まえて字コンテを作成します。依頼主はその字コンテをチェックして、撮影動画のイメージに相違がないことを確認しましょう。

ステップ5:絵コンテ

作成した字コンテをもとに、絵コンテを作成していきます。絵コンテは、カメラワークやカット割りなどを絵や文字で表現した撮影台本です。絵コンテを用意することでキャストやスタッフと動画全体の流れやイメージを共有しやすくなります。

ステップ6:撮影

絵コンテをもとに撮影を行います。インタビュー形式やドラマ仕立てなど、内容に応じて撮影方法はさまざまです。撮影の規模(スタッフの数、機材の数、機材のクオリティ、撮影時間など)により、費用は大きく異なります。

ステップ7:編集

撮影した動画の編集を行います。動画編集の工程は、必ずしも一気に行うわけではありません。仮編集をした後に、一度依頼主に内容のチェックを求めるケースもあります。編集にかける期間によっても、費用は大きく変わってきます。

ステップ8:ナレーション収録

編集した動画に乗せるナレーションを収録します。この際、プロのナレーターに依頼すると費用はかかりますが、声の選択肢の幅が広がるためよりイメージに近い仕上がりになるでしょう。

ターゲットや動画のテイストに合わせてナレーションを選ぶと、より高い効果を発揮します。

映像制作費用の内訳と各項目の相場感

映像制作費用の内訳と各項目の相場感

撮影・編集にかかる費用の内訳と、各項目の相場について見ていきましょう。

例えば、映像ディレクターとカメラマンが2人で組んで担当する場合、1日約6時間の撮影で15~16万円からが大まかな相場です。遠方などの場合は、ここに交通費などの経費が加わります。

最近のカメラマンの中には、照明や音声収録もワンオペで行う方もいます。しかし、撮影時間がタイトな場合や映像のクオリティをより高めたい場合は、カメラマンとは別に照明スタッフや音声スタッフを加えたほうがよいでしょう。照明スタッフ・音声スタッフのアサイン相場は、1人あたり7~10万円程度です。

スタジオ撮影の場合は、スタジオ費用も発生します。場所や設備などによっても変わりますが、撮影に適した「白ホリスタジオ」や「グリーンバックスタジオ」の場合、1時間あたり7,000円前後でレンタルが可能です。ハウススタジオの場合は、1時間あたり15,000円前後を見ておきましょう。なお、スタジオ撮影専門の会社ではなく、レンタルスペースなどで探せば格安で見つけられることもあります。

編集にかかる費用の見積もりは、動画の内容によって大きく変わります。例えば、インタビュー映像など、実写メインのカットをつなぎ合わせる編集の場合は、24~25万円からが相場です。

動画1本の料金相場はどれくらい?

動画1本の料金相場はどれくらい?
「このくらいの動画1本を制作する場合、いくらくらいの金額になるの?」と具体的に気になっている方も多いかもしれません。ここでは、「アニメーション動画」「インタビュー動画」「ドラマ」という、タイプの異なる3つの動画の料金相場について解説します。

既存のイラストを使用したアニメーション動画

既存のイラストを使用したアニメーション動画(3分程度)の料金は、60万円からが相場です。商品・サービス紹介などの資料データをクライアントに提供してもらい、それをもとに編集で動きを付けたり、ナレーションを入れたりします。

イラストを一から作るとなると時間と費用がかかりますが、手元にイラストデータがあればアニメーション動画は比較的リーズナブルに制作できます。

インタビュー動画

インタビューをメインにした会社紹介動画(5分程度)の費用相場は、80万円程度からです。

ある企業様の会社紹介動画では、社内各部署の代表者数名に30分程度のインタビューを行い、インサートカットを同時に撮影しました。1日でインタビューと撮影を完了させる必要があったため、しれを踏まえて香盤表(撮影スケジュール)を作成。機材の移動時間やインタビュイーの予定まで確認して日程を組むことが、見積もり金額を抑えるポイントです。

多数のインタビューを実施する場合は、1日で撮り切れる人数(5名程度)に絞ってもらうのも手でしょう。人数が増えると撮影日数が増え、費用が高くなるからです。撮影場所の数も重要。移動で時間が取られるため、撮影場所は少ないほうが料金も抑えられます。

ブランディング動画

ブランディング強化を目的に撮影したドラマ動画(5~10分程度)の料金相場は、おおよそ250万円からです。

もちろん参画するスタッフの数や使用する機材の種類、動画の長さなどによっても異なりますが、予算の中には制作会社による企画構成、脚本、キャスティングなども含まれています。また、ドラマ動画にリアリティを持たせるには、小道具などを手配・製作する美術スタッフも欠かせません。

納得できるブランディングドラマ動画を実現するには、ある程度の費用がかかることを理解しておきましょう。

動画制作の見積もりを取る際の注意点

動画制作の見積もりを取る際の注意点
映像制作の見積もりを取る際のポイントについて確認しておきましょう。

動画撮影の見積もりを取る前に、「撮影ありの実写映像」なのか、それとも「イラストや写真を使った動画」なのか、事前に決めておくとより具体的で実態に近い見積もりを取ることが可能です。事前にそこまで決められない場合は、動画作成の目的だけでも明確にしておきましょう。

なお、事前に予算が決まっていれば、その予算に合わせて内容を提案してくれる動画制作会社もあります。見積もりを取る際に確認してみましょう。

会社選びのポイント

動画撮影会社を選ぶ際は、次のことを確認しましょう。

動画の制作実績が豊富にあるか

動画実績が豊富な会社を選びましょう。Web上で実績を公開しているケースも多数あります。制作した動画が見られる場合は、クオリティや動画の雰囲気などを事前に確認しておきましょう。

丁寧な見積もりを行っているか

概算の見積もりだけでは、途中で費用が追加されてもわからなくなってしまいます。必ず内訳が詳細に記載された見積もりをもらうようにしてください。例えば、動画の修正回数について明らかにしていないところもあるかもしれません。修正のたびに追加費用がかさむこともあるため注意が必要です。追加費用の可能性はあるか、それはどのような場合か、といったことを含め、事前に細かく確認しておきましょう。

マーケティング視点を持って提案してくれるか

映像は「制作して終わり」ではありません。ブランディング強化、売上拡大、知名度の向上、採用活動の成功といった目的を達成するために制作しています。ただきれいで見やすい映像を作成しただけでは目的にたどり着けないこともあるでしょう。マーケティングのノウハウとこちらの動画制作目的を理解した上で的確な提案をしてくれる会社を選ぶことが大切です。

連絡のやり取りはスムーズか

動画制作には、いくつもの工程があります。制作の流れを明確に説明し、進行状況を細やかに管理してくれる担当者がいるか、見積もり段階で確認しておきましょう。

相見積もりを取る際の注意点

相見積もりを取って各社を比較する際は、ある程度の方向性を決めておきましょう。例えば、アニメーションと実写動画では費用感が大きく異なります。ある程度詳細を決めて、同じ条件で見積もりを取りましょう。

見積書はできるだけ細かく内容を確認します。特に、会社によって追加金額の有無は扱いが異なるポイント。追加金額が発生するケースはあるか、その項目は何か、追加になる場合はどのくらいか、といった細かいことを含めて確認しておかなければ正確な比較は困難です。

また、あまりに多くの会社から見積もりを取ると、打ち合わせなどのコミュニケーションや比較に時間がかかってしまいます。相見積もりを取る際は3社くらいに留めておくとよいでしょう。

費用の内訳を見る際のポイント

費用がかかる項目には、大きく分けて3つあります。

  • 企画
  • 撮影
  • 編集

撮影・編集については先述していますので、ここでは企画について解説します。

企画段階では、予算・進行管理を行うプロデューサー、動画の構成や演出を考えるプランナー、台本を作成する脚本家などに関する費用が発生します。基本的にどの段階でも、人数や日数が増えるほど費用はかさむ傾向にあります。また、3DCGなどの特別な技術が必要な編集を行う場合も、費用は高くなると覚えておきましょう。

会社によっては細かい見積もりを出さず、概算だけを出してくる場合があるので注意が必要です。なるべくわかりやすく、詳細な内訳を出してくれる会社を選ぶとよいでしょう。項目に不明点がある場合は、「この企画のフェーズにはどんな費用が含まれているのですか?」と担当者に聞いてみるのも手です。

まとめ

動画撮影の費用に大きく関わってくるのは「撮影」と「編集」です。また、「技術料」はもとより、「人件費」と「時間の長さ」も金額を大きく左右します。できるだけ予算を安くしたい場合は、既存のイラストを利用するアニメーション動画や、編集の少ないインタビュー動画などを検討してみましょう。

ただし、予算にこだわるあまり、当初の目的やターゲットから大きくずれた動画を作成してしまうのは本末転倒。初めに掲げた動画制作の目的を見失わないことが重要です。マーケティングの視点やノウハウを持った制作会社なら、企画の段階から相談できます。

株式会社ファングリーでは、プロモーション動画やブランディング動画をはじめ、マーケティング視点を踏まえた数多くの動画を制作してきました。予算に応じた撮影プランのご提案も行っています。企画検討段階からのご相談にも対応していますので、動画制作を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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HIROYUKI USAMI

コンテンツディレクター/ライター

前職はスポーツ系週刊誌の編集者。現在は週2日休めること、DAZNが台頭したことなどから、当時よりもスポーツ中継を満喫する日々。やるほうはからっきしなので、体力の低下が著しい。自分の仕事をママ友・パパ友にうまく説明できず、コンテンツディレクターとは何者かを自問自答する日々。

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