企業の活動や取り組み、新商品・新サービスなどに関するニュースを、生活者や取引先、関係者に向けて広く知らせる「プレスリリース」。上場・非上場を問わず、企業の広報PRやマーケティング活動においては重要な施策の一つです。
本記事ではプレスリリースの効果を発揮する書き方のコツや配信方法について、網羅的に解説します。
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前提として、プレスリリースを配信することには、次のような意味・意義があります。
新しいニュースをより拡散させたいときにプレスリリースが役立ちます。プレスリリースが外部のメディアなどに取り上げられれば、これまで企業やサービスを知らなかった層への認知につなげることができます。
プレスリリースを配信することで、潜在的な顧客などの新規層だけでなく、既存の取引先や株主などに対しても情報を届けることができます。企業イメージの向上から、あらゆるステークホルダーとの長期的な関係維持につながる可能性があります。
いきなりプレスリリースを書き始めてしまうと、掲載すべき情報の過不足が発生してしまいがちです。必要な情報を漏れなくダブりなく盛り込むために、まずは次の方法で整理することから始めましょう。
「5W1H」とは、「Who(誰が)」「What(何を)」「When(いつ)」「Where(どこで)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の総称です。これらをかみ砕き、次のように考えましょう。
以上の「5W1H」を基本として、さらに次の3つのポイントについても整理しておくと、よりスムーズにプレスリリースを書き進めることができます。
プレスリリースに書きたい情報が整理できたら、文章の構成を作成します。一般的な構成パターンとしては次の要素に分解できます。
何について知ってもらいたいプレスリリースなのかをタイトルにまとめます。広告的なキャッチコピーや煽り文句とは異なり、客観的事実を述べることを意識しましょう。
プレスリリースの場合、リード文に本文の要約を書く形が一般的です。情報整理の段階でまとめた「5W1H」の内容を文章として組み立てるようにして、リード文を完成させましょう。
本文では、情報整理の段階でまとめた内容を詳しく書き起こして文章化します。読みやすさを工夫するには、見出しをつけたり、箇条書きを織り交ぜたりすることをおすすめします。
商品・サービスの案内資料など、プレスリリースを読んで関心を持った方がより詳しい情報を入手できる資料があれば、アップロード先を記載しましょう。
必要に応じて、プレスリリースを読んで興味を持った方やメディア関係者などからの連絡窓口を記載しておきましょう。問い合わせ先を記載する場合、「社名」「部署名」「担当者名」「電話番号」「メールアドレス」を入れることが一般的です。
より効果的にプレスリリースを書くコツは、次の通りです。
1つのプレスリリースにいくつもトピックを盛り込むと、主旨がつかみにくく情報が伝わりづらくなります。原則的には1つのプレスリリースあたり、1つのテーマに絞ることをおすすめします。
毎日数多くのプレスリリースが配信されるなかで注目を集めるには、先見性や新規性、話題性の強いトピックの方が望ましいと言えます。新商品やサービスについて紹介するときも、その特徴だけを伝えるのではなく、社会的背景や潮流を踏まえたうえで「なぜこの商品やサービスに価値があるのか」というポイントまで押さえて書くことで説得力が高まります。
プレスリリースはあくまで「お知らせ」であり、「セールスレター」ではありません。アピールポイントを訴求することは当然重要ですが、客観的に書くことを意識しましょう。客観性を担保するためには、具体的なデータを引用して説明することも有効です。
プレスリリースには世界観の伝わる画像や目を引く画像など、ビジュアル要素をうまく活用することもおすすめです。また、グラフやチャートなどの図表で示した方が伝わりやすい情報については、文章だけで書き記さずに図解をうまく使いましょう。
プレスリリースを書き終わったら、次の10項目に沿ってチェックをしましょう。関係者はもちろん、あまり内容を理解していない人にも誤解なく伝わるかを確認するために第三者チェックを依頼することもおすすめです。
プレスリリースの内容がどんなによくても、他の情報に埋もれてしまっては意味がありません。より多くの人に読まれて効果を最大化できるように、適切な配信方法を検討しましょう。
プレスリリース配信サービスを展開する共同通信ワイヤーの調査によると、もっともプレスリリースが読まれやすいタイミングとして「配信は平日のビジネスアワーが望ましい」「時間帯のピークは10時台〜11時台、14時台〜15時台」といった結果が公表されています。
さらに慌ただしくなりがちな月曜日・金曜日よりも、週の中日である火~木曜日の方が多くの人に見てもらいやすい傾向にあります。
一方で多くの企業のプレスリリースが集中しやすいという意味では、あえて別の曜日や時間帯を選ぶことも考えられるでしょう。まずはピークタイムに配信をして、その反響を見てみることもおすすめします。
プレスリリースは自社のコーポレートサイトで公開する以外に、より拡散力を求めるのであれば外部の配信サービスを活用する方法があります。
代表的なサービスとしては、プレスリリース本数No.1を誇る最大手の「PR TIMES」をはじめ、記事掲載数の高さを強みとする「@Press」や、海外メディアへの配信にも対応している「共同通信PRワイヤー」などが挙げられます。
これらのサービス利用は有料ですが、無料で利用できるサービスもあるため、予算の確保が難しいようであればあわせて検討してみましょう。
プレスリリースはある程度パターンが決まっているため、書き方のコツを習得することが大切です。他社のプレスリリースを参考にしながら、自社で運用しやすいフォーマットに落とし込めるとスムーズに対応できるようになるでしょう。
株式会社ファングリーでは、企業の広報PRやマーケティング活動の一環として、プレスリリースの作成支援も行っています。「文章力に自信がない」「他の施策とあわせてプレスリリース作成も依頼したい」といった企業ご担当者様は、お気軽にご相談ください。
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