「採用サイトに掲載するために社員インタビューを実施したいけれど、質問例がわからない」という人事・採用・広報担当者の方も多いのではないでしょうか。
採用サイトでは、社員インタビューをコンテンツのひとつとして採り入れているケースが多くあります。これから社員インタビューをコンテンツ化しようとしているなら、どのような内容にすれば最後まで読んでもらえるのかを理解しておくことが大切です。
本記事では、社員インタビューで役立つ質問例を90個、ピックアップしました。効率的な質問作成のポイントも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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Table of Contents
まずは、会社に関する質問例を紹介します。会社に対して、そこで働いている社員がどのように感じているかを尋ねる質問です。
具体的には、会社の社風や文化、制度はもちろん、所属部署の様子やサポート体制など、会社の魅力について読み手に伝えられる質問が良いでしょう。
▼社風・文化に関する質問例 ●経営理念について、共感している点を教えてください。 ●社風について、どのような特徴、独自性があると感じていますか? ●企業文化として根付いていると思うものはありますか? ▼制度に関する質問例 ●福利厚生の中で、とくに良いと感じたものを教えてください。 ●魅力的に感じている社内制度はありますか? ●「こんな制度ができるといいな」と思っていることはありますか? ●どのような研修、教育があるか教えてください。 ▼所属部署の様子やサポート体制に関する質問例 ●異動や転勤の経験はありますか? ●所属している部署やチームの雰囲気はいかがですか? ●チームビルディングのために、どのような取り組みを行っていますか? ●上司や先輩からどのようなサポートを受けていますか? ●どのようなときに他部署とのコミュニケーションがありますか? ▼入社後に感じている雰囲気に関する質問例 ●この会社に入社して、とくに良かったと思うことは何ですか? ●入社前と入社後とで感じたギャップがあれば、教えてください。 ●会社の「らしさ」を一言で表現してもらえますか? |
仕事内容に関する質問は、「社員がどのような仕事に携わっているか」といった内容が中心となります。具体的には仕事内容をはじめ、仕事を通じて身についたスキル、仕事のやりがい、業務において心掛けていることなどを聞きましょう。
このような質問は、求職者がその会社で働く姿をイメージしやすくしたり、仕事そのものに関心を持つきっかけになったりします。
▼仕事内容に関する質問例 ●具体的な業務内容を教えてください。 ●その中で、自身はどのような役割を担っていますか? ●1日の流れはどのような感じでしょうか? ▼仕事を通じて身についたスキルに関する質問例 ●この仕事に携わる上で必要なスキルは何ですか? ●仕事を通じて、どのような知識や技術が身につきましたか? ●日常生活で仕事で学んだことが役立つ場面はありますか? ▼仕事のやりがいに関する質問例 ●この仕事でやりがいを感じる瞬間について教えてください。 ●どのようなときに、自身の成長を実感しますか? ▼仕事で心掛けていることに関する質問例 ●仕事に取り組む上で、とくに心掛けていることは何ですか? ●仕事をスムーズに進めるためのポイントは何ですか? ●ほかの社員にどのようなサポート、フォローをしていますか? ●主にどのような部署と連携していますか? ●社員同士の意見が異なった際、その解決方法について教えてください。 ●仕事の質を追求するために、どのような取り組みをしていますか? ●仕事の幅や視野を広げるために取り組んでいることはありますか? |
会社のことや仕事のことを聞き出せたら、次はそれらに対する具体的なエピソードを深堀りして質問していきます。
社員の考え方や取り組み方について引き出せるような質問もあると良いでしょう。
▼役立った制度・サポートに関する質問 ●とくに役立った研修、教育について教えてください。 ●異動や転勤の際に、会社や社員からどのようなサポートを受けましたか? ●制度を利用してみて、どのような点が良かったですか? ▼印象に残っているプロジェクトに関する質問 ●どのようなきっかけで、プロジェクトが始まったのですか? ●このプロジェクトでうまくいかなかった点について教えてください。 ●プロジェクトで失敗した際、どのようにリカバリーしましたか? ●プロジェクトのターニングポイントについて教えてください。 ●会社からプロジェクトが評価された際、どのような気持ちになりましたか? ▼仕事で嬉しかったこと・苦労したことに関する質問 ●仕事の中でもっとも嬉しかった出来事について教えてください。 ●課題に直面した際、どのような解決策を考え、実行したのでしょうか? ●これまで、どのような失敗をしてきましたか? ●もっとも印象に残っている上司や同僚からのアドバイスは何ですか? ●ほかの社員から褒められたエピソードを教えてください。 ▼お客様との関わりに関する質問 ●とくに印象に残っている取引について教えてください。 ●お客様から感謝されたエピソードを教えてください。 |
社員がなぜこの会社に入社したのか、仕事以外の時間をどのように過ごしているかなど、インタビュイーである社員個人にフォーカスした質問をします。
この際、人柄や価値観なども引き出せるような質問内容を用意しておきましょう。
▼入社のきっかけに関する質問 ●この会社を知ったきっかけについて教えてください。 ●入社した決め手は何ですか? ●入社前と入社後とで、会社に対する印象は変わりましたか? ▼これまでの経験に関する質問 ●(新卒社員の場合)学生時代の学びが今どのように活きていますか? ●(中途社員の場合)前職の経験がどのように活きていますか? ●入社後、どのような部署や仕事を経験してきましたか? ▼ほかの社員に関する質問 ●尊敬している先輩や上司はいますか?その理由を教えてください。 ●部下や後輩を教育する際、どのようなことを意識していますか? ●ほかの社員とのコミュニケーションで意識していることはありますか? ▼社員(インタビュイー)自身に関する質問 ●自身の強みは何ですか? ●どのような特技、趣味がありますか? ●休日はどのように過ごしていますか? ●仕事とプライベートを両立するためのポイントは何ですか? ●あなたのリフレッシュ方法を教えてください。 ●大事にしているモットーや座右の銘について教えてください。 |
社員が今後、どのような目標を掲げているかを聞きます。
プロジェクトや部署に関する記事を取り上げる場合は、社員が一丸となって目標達成を目指している姿を印象づけるような質問もあると良いでしょう。
なお、以下に紹介する「会社全体の将来に関する質問」と「部署の将来に関する質問」については、上層部のメンバーにインタビューする際に想定される質問となります。
▼会社全体の将来に関する質問 ●会社の短期的、中・長期的なビジョンについて教えてください。 ●今後、どのような成長戦略を計画していますか? ●会社や事業の規模を拡大するために、どのような施策を考えていますか? ▼部署の将来に関する質問 ●今後の部署やチームの目標について教えてください。 ●目標を達成するために、部署やチームの社員には何を求めますか? ●部署やチームのレベルアップを目指して、どのようなことに取り組んでいますか? ▼個人の将来に関する質問 ●個人の目標について教えてください。 ●自身の経験や知識を活かして、どのような仕事に挑戦したいですか? ●10年後、どのようなポジションに就きたいですか? ●自身の課題と、それを解決するための方法について教えてください。 ●どのようなキャリアビジョンを描いていますか? ●キャリアビジョンを実現するための計画について教えてください。 ●これから身につけたい知識や技術は何ですか? ●今後、どのような資格取得を目指していますか? ●この会社で実現したいことについて教えてください。 |
コンテンツの「締め」として、最後は求職者に向けたメッセージを語ってもらいましょう。
そのインタビューコンテンツのターゲットが新卒採用者、またはキャリア採用者になるかを明確にし、「どのような働きやすい環境を整えているか」「どんな方がこの会社で活躍できるか」といった入社意欲を高められるような質問をおすすめします。
▼新卒採用者向けメッセージ ●学生時代に、どのような知識や技術を身につけておくと良いですか? ●新卒採用者を対象とした教育・研修プログラムについて教えてください。 ▼キャリア採用者向けメッセージ ●未経験から入社された方はどのように活躍していますか? ●経験者はどのような分野で力を発揮できますか? ●この会社や部署ではどのようなスキルを活かせますか? ●キャリア採用者に対して、どのようなサポートがありますか? ▼新卒・キャリア採用者共通メッセージ ●仕事を通じて、どのようなことが求められますか? ●どのような強みを持っている方が活躍できますか? ●どんな方と一緒に働きたいですか? ●入社後、どのようなことにチャレンジしてほしいですか? ●入社後、どのような知識や技術が身につきますか? ●この会社はどのような可能性を秘めていますか? ●この会社で、どのような人に成長していってほしいですか? ●この会社で働く上で、大切にすべき意識は何ですか? ●ワークライフバランスを保つための制度、環境について教えてください。 |
社員インタビューを実施する際、スムーズな進行のためにも、社員(インタビュイー)から明確な回答を得られるような質問をあらかじめ準備しておきたいですよね。
インタビュー中のテンポの良さやインタビュイーに配慮した質問の構成を作るために、とくに意識すべき点を紹介します。
質問形式には、オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンの2種類があります。
オープン・クエスチョンは、インタビュイーの回答範囲を限定せず自由に回答してもらう質問形式です。プロジェクトや仕事などについて詳しく聞きたい、社員の想いや価値観について知りたいときなどに用います。オープン・クエスチョンは、インタビュイーの緊張が解け始めて話しやすくなる、インタビューの中盤に組み込むと良いでしょう。
一方で、インタビュイーの回答範囲を限定し、「はい」または「いいえ」で回答してもらう質問形式です。どちらか一方の回答を得たい、事実確認をしたいときなどに用います。クローズド・クエスチョンは、インタビュイーの緊張を解くためにインタビューの冒頭や、話題を切り替える際のアイスブレイクとして用意しておくと良いでしょう。
これらを使い分けることで進行がスムーズになり、意図する回答も得やすくなります。それぞれの質問形式のメリットとデメリット、質問例は以下のとおりです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
オープン・クエスチョン | ・具体的な内容を聞ける ・さまざまな情報を引き出せる ・会話を広げられる | ・インタビュイーが回答しにくいケースがある ・意図する回答が得られないケースがある ・どこまで聞くかはインタビュアーに委ねられる |
クローズド・クエスチョン | ・インタビュイーが回答しやすい ・素早く回答を得られる ・次のインタビューを進めやすくなる | ・会話が広がらない ・得られる情報が限られる ・一方的なインタビューになる可能性がある |
各質問形式の例は、以下のようなものが挙げられます。
オープン・クエスチョンの例 | ・会社を知ったきっかけについて教えてください。 ・業務遂行に際して、どのような点が大切ですか? ・仕事を通じて身についたことは何ですか? |
クローズド・クエスチョンの例 | ・この会社を知っていましたか? ・業務遂行に際して、○○と○○はどちらが大切ですか? ・○○は仕事を通じて身についた知識ですか? |
質問内容を作成する際は、「6W3H」を意識することが大切です。これにより、ひとつのテーマに対して複数の質問内容をつくれるようになります。また、インタビュー時間によって、必ず聞かなければならない内容、時間がある場合に聞く内容なども見極めやすくなります。
6W3H | 質問例 |
---|---|
When(いつ) | この会社をいつ知りましたか? |
Where(どこで) | この会社の採用募集をどこで知りましたか? |
Who(誰が) | この会社を勧めてくれたのは誰ですか? |
Whom(誰に) | どんな方に応募してほしいですか? |
What(何を) | この会社の魅力は何ですか |
Why(なぜ) | なぜこの会社に入社しようと思いましたか? |
How(どのように) | プロジェクトで課題に直面した際、どのように解決しましたか? |
How match(いくらで) | このプロジェクトによって会社が得られる利益はいくらですか? |
How many(どのくらい) | これまでに担当したプロジェクトの数はどのくらいですか? |
質問内容は、時系列順にすると過去・現在・未来の大きく3つに分けられます。インタビューにおいてインタビュイーが回答しやすい質問は、「現在」のこと。最初は現在に関する質問から聞くようにしましょう。
インタビュイーとしても、現在のことを語ることで過去について思い出したり、未来についてのイメージが高まったりします。現在に関する質問のあとに過去や未来に関する質問をすることで、明確な回答を得やすくなるのです。
質問内容は当然、インタビュイーに対して失礼にならないよう配慮しなければなりません。
万が一、インタビュイーが顧客や顧問、上層部・経営陣の場合で、インタビュイーの気分を害する質問をしてしまうと、インタビューが中止になったり採用サイトに掲載できなかったりする恐れも。ここでは、悪い質問例を紹介します。
回答を誘導する質問 例)この取り組みは良いと思いますか? | あからさまに回答を誘導する質問は禁物です。インタビューでは、インタビュイーから正しい情報を引き出すことを重視しましょう。 |
マイナスイメージの質問 例)社内制度であまり役立たなかったものはありますか? | インタビュイーを不愉快にさせる質問内容は避けなければなりません。インタビューでは、会社の魅力を聞くための質問内容を用意しましょう。 |
複数の回答を求める質問 例)プロジェクトの成果と課題は何ですか? | ひとつの質問から複数の回答を得る内容は、回答の質が下がるためできるだけ避けましょう。インタビューでは「一文一意」を意識することが大切です。 |
社員インタビューを採用サイトやオウンドメディアに採り入れる際は、インタビュイーの選定から質問内容の作成まで目的を持って進めることが大切です。それによって、求職者に会社の魅力を伝えたり、社員のモチベーションを高めたりする記事を作れます。さらに、応募の増加やエンゲージメントの向上などの効果も期待できます。
本記事で紹介した社員インタビューの質問例や質問項目の作成ポイントなどを参考に、大勢の求職者や社員から読まれるコンテンツを目指していきましょう。
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執筆者
コンテンツディレクター/ライター
MIHO SHIMMORI
2023年ファングリーに入社。以前はWebマーケティング会社で約2年半コンテンツマーケティングに携わり、不動産投資メディアの編集長を務める。SEOライティングが得意。ほかにも士業関連や政治など複数メディア運営の経験あり。Z世代の端くれ。趣味はサウナと競馬と街歩き。