「そもそもSEOって何を目的とすればいいの?」「SEOを実施すればどんなサイトでも効果出るんじゃないの?」と考えている企業のマーケティング担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、まずは知っておきたい「検索エンジンの仕組み」から、SEOの向き不向きについて、最後に現在のSEOトレンドについて解説していきます。
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SEOとはSearch Engine Optimizationの略称で、「検索エンジン最適化」といいます。具体的には、SEOはGoogleなどの検索エンジンに理解してもらいやすいようにサイトを最適化することです。
最適化によって、検索エンジンで検索したときに上位表示させることが期待でき、サイトが伝えたい情報をユーザーに届けられます。
まずは、SEOの基本となる検索エンジンの仕組みについて解説します。
検索エンジンは、「クローラー」というシステムを持っています。クローラーとは、世界中に存在しているあらゆるページのリンクを集めるシステムのことです。
1ページだけのサイトから数千万ページのサイトまで、検索エンジンがクローラーによって一つひとつのページを残らずに確認し、確認済みのページは「キャッシュ」として保存されます。キャッシュは、検索結果を表示するために検索エンジンが保存するデータです。
クローラーが集めたキャッシュは、ページごとに以下のような評価がなされます。
これらの評価にもとづいて、クローラーがキャッシュをデータベース化。この処理のことを「インデックス」といいます。検索エンジンで特定のキーワードが検索されると、検索エンジンは瞬時にそのキーワードに適合したページを探し出し、ユーザーのニーズに近い順に並べ替えて検索結果に反映するのです。
日本における主要な検索エンジンは、GoogleのほかにYahoo! JapanとBingがあります。これらはそれぞれ異なる企業が運営していますが、Yahoo! JAPANではGoogleのデータベースを活用しているのが特徴です。そのため、Yahoo! JAPANの検索結果はGoogleとほとんど同じものとなります。
また、スマートフォン(以下、スマホ)を使ってGoogle検索する場合、iPhoneとAndroidではいずれも同様の検索結果が表示されるのが特徴です。なお、パソコン(以下、PC)とスマホでは、Googleの検索結果が若干異なる場合があります。これは「モバイルファーストインデックス(MFI)の登場」で詳しく後述しますが、スマホで検索した場合はスマホ版ページが優先して検索結果に表示されるためです。
SEO対策をすれば、どんなサイトでも集客できる――こんなことを耳にすることがあります。ですが、これは勘違いなのです。サイトには、SEOの向き不向きがあります。
SEO施策を進めるにあたって、まずはSEOでできることとできないことを確認していきましょう。
SEO対策が有効な事例としては、広く認知されていなくても、一定のニーズが見込まれる以下のような商品・サービスが挙げられます。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
サービス例 | 内容 | 想定検索キーワード |
---|---|---|
高級フードデリバリー | 記念日や誕生日などで、高級レストランの料理を自宅で気軽に楽しめるデリバリーサービス | ・高級デリバリー 東京 ・記念日 デリバリー |
出張パーソナルトレーニング | 自宅やオフィスにスポーツトレーナーが訪問し、個別にトレーニング指導してもらうサービス | ・パーソナルトレーニング 出張 ・自宅トレーニング 東京 |
ペットシッター | 飼い主の留守中に自宅でペットの世話をしてもらうサービス | ・ペットシッター 東京 ・ペットシッター 料金 |
SEOに向いていない商品・サービスとしては、次のようなものが挙げられます。
概要 | 具体例 | 向いていない理由 |
---|---|---|
限定的な商品・サービス | 特定の地域の小規模なイベント専門のケータリング | ターゲットとなる検索者が非常に少ないため、SEOでの効果が得にくい。 |
専門的で知名度が低い商品・サービス | 特定の科学研究用途にしか使われない特殊な機器や試薬 | 一般消費者が検索する機会が少なく、専門知識が必要でSEO効果が限定的。 |
緊急対応サービス | 24時間緊急修理サービス | 緊急時には検索による認知拡大よりも迅速に問い合わせ先を知ることが優先される。 |
プライベート性が高いサービス | 特定の顧客にのみ提供される高級プライベートサロン | 検索で見つけるのではなく、紹介や限定的なマーケティングによって顧客を獲得することが多い。 |
オンラインだけで目的を達成できないサービス | 申込書や電話などによる申し込みしかできない保険 | 集客できても、オンラインでの手続きができないと離脱率が高まる。 |
このようなサービスや商品は、SEO対策に多大な投資をするよりも、他のマーケティング手法や紹介、口コミ、直接的な営業活動などが効果的です。
ただし、SEO対策向きでない商品・サービスであっても、次のような施策によってSEO効果を期待できる可能性があります。
SEOを実施することによって「検索結果で上位表示を目指すこと」はもちろん大切ですが、これだけがSEOの目的ではありません。
SEOは、広告とは異なる性質をもつマーケティング手法です。広告はお金を出せば優先的に表示されるようになりますが、SEOはそのような性質を持っていません。検索エンジンの向こう側にいる訪問者のニーズに応える商品・サービスを準備し、見やすいサイトに最適化するのがSEOの本来の目的といえます。
以上のSEOの目的を前提として、ここでは現在のSEOトレンドについて解説します。
Googleをはじめとした検索エンジンは、日々進化し続けています。
例えば検索語句について、「ウエディング」を打ち間違えて「ウエデング」と検索してしまった場合、「ウエディング」に関する情報は出ませんでした。ですが、現在は検索語句にゆれがあっても、以下のように検索エンジンが最適な検索結果を表示できるようになっています。
また、検索エンジンでは検索結果を意図的に操作されないような工夫が施されています。具体的には、質の高い検索結果を維持するため、検索エンジンでは独自のアルゴリズムを設けているのです。アルゴリズムの詳細は公開されていませんが、「情報が新しいか」「どのくらい被リンクを獲得しているか」などが含まれていると考えられています。
このような検索エンジンの仕組みからも、例えば50位から1位にいきなり順位を上げることは決して簡単ではありません。そのため、順位を上げることだけを意識するのではなく、訪問者のニーズに応えるサイトづくりを重視することが必要です。
現代において、なくてはならない必需品ともいえるスマホ。総務省が発表した令和3年版 情報通信白書によると、日本国内における個人のスマホ保有率は69.3%となっています。
スマホの普及とともに、ユーザーの行動やニーズも大きく変化しています。具体的には、オフィスや自宅、通勤中、出先などでいつでもどこでも手軽に検索できるようになりました。これによって、検索エンジンの評価がPCからスマホに移り変わっている傾向にあるのです。
スマホ版ページが評価対象となることを「モバイルファーストインデックス(以下、MFI)」といいます。
なお、MFIになってもSEOの本質は変わりません。というのも、スマホ版ページがないサイトは検索結果に出なくなるというわけではなく、これまでと同様にデスクトップ版ページが評価対象となります。つまり、MFIはインデックスの変更であって、順位には大きな影響がないといわれています。
ただ、スマホで検索した場合とPCで検索した場合では、順位の変動がまったくないとは言い切れません。現時点でスマホ版ページがなければ可能な限り作成するようにして、ユーザーフレンドリーを心がけるとよいでしょう。
SEO施策を進める場合は、ただ検索結果で上位表示させることを目的とするのではなく、ユーザーが本当に求めている情報を提供できるように見やすいサイトづくりを目的とすることが重要です。
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執筆者
コンテンツディレクター/ライター
MIHO SHIMMORI
2023年ファングリーに入社。以前はWebマーケティング会社で約2年半コンテンツマーケティングに携わり、不動産投資メディアの編集長を務める。SEOライティングが得意。ほかにも士業関連や政治など複数メディア運営の経験あり。Z世代の端くれ。趣味はサウナと競馬と街歩き。
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