「SEOとは?何を目的とすればいいの?」「SEOを実施すればどんなサイトでも効果出るんじゃないの?」と考えている企業のマーケティング担当者の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。SEOの考え方や取り組みは多岐にわたります。
そこで今回は、SEOの基礎的な概念である「検索エンジンの仕組み」から、SEOのメリット・デメリット、具体的な対策方法、そして最新のSEOトレンドに至るまで、網羅的に解説。SEOへの理解を深め、効果的なWebサイト運営の一助となれば幸いです。
本記事は以下の動画でもさらに嚙み砕いて解説しています。ぜひご覧ください!
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SEOとはSearch Engine Optimizationの略称で、「検索エンジン最適化」と訳されます。具体的には、GoogleやYahoo! JAPANといった検索エンジンにおいて、自社のWebサイトやコンテンツを検索結果の上位に表示させるための一連の施策のことです。SEO対策を行う目的は、この上位表示にあります。
検索結果で上位表示されることでより多くのユーザーの目に触れる機会が増え、Webサイトへのアクセス数増加や商品・サービスの認知度向上、最終的には売上向上などが期待できます。
広告とは異なり、SEOは検索エンジンに評価されることで上位表示を目指すため、質の高いコンテンツ設計と適切なWebサイト構造が重要となります。
多くのユーザーは、情報を探す際に検索エンジンを利用します。そのため、検索エンジンの検索結果に上位表示されることは、潜在的な顧客との接点を増やす上で非常に重要です。SEOによる具体的な効果は、以下のようなものが挙げられます。
● 継続的な集客効果 上位表示され続ければ、広告費をかけることなく継続的な集客を見込めます。 ●ブランディング効果 特定のキーワードで上位表示されることは、その分野における専門性や信頼性の証明にもつながり、ブランドイメージの向上に貢献します。 ● 効率的な情報発信 ユーザーが能動的に情報を探しているタイミングで自社サイトに誘導できるため、関心の高いユーザーへ効率的に情報を届けられます。 |
SEOを理解する上で、検索エンジンがどのようにWebサイトを評価し、検索結果を表示しているのか、その仕組みを知ることが不可欠です。ここでは、検索エンジンの仕組みについて解説します。
検索エンジンは、「クローラー」というシステムを持っています。クローラーとは、24時間365日、世界中に存在しているあらゆるページのリンクを集めるシステムのことです。
Webページ上のリンクを辿ってさまざまなページを巡回し、テキスト情報や画像、動画、さらにはHTMLの構造などの情報を集めます。このクロール作業がSEOの第一歩。
1ページだけのサイトから数千万ページのサイトまで、検索エンジンがクローラーによって一つひとつのページを残らずに確認し、確認済みのページは「キャッシュ」として保存されます。キャッシュは、検索結果を表示するために検索エンジンが保存するデータです。
クローラーが集めたキャッシュは、検索エンジンのページごとに以下のような評価がなされます。
これらの評価にもとづいて、クローラーがキャッシュをデータベース化。この処理のことを「インデックス」といいます。
インデックスされなければ、ユーザーが検索してもそのページが表示されることはありません。
ユーザーが検索窓にキーワードを入力すると、検索エンジンはインデックスされた膨大な情報の中から、そのキーワードに最も関連性が高く、かつ有益であると判断したページを瞬時に探し出し、ランキング付けして検索結果として表示します。
このランキングの基準となるのが、検索エンジン独自のアルゴリズム。アルゴリズムは数百もの要素から構成されています。
その詳細は公開されていませんが、以下のようなものが評価指標に含まれていると考えられています。
検索エンジンのうち、Googleのアルゴリズムには、AI技術も活用されています。
日本における主要な検索エンジンは、GoogleのほかにYahoo! JapanとBingがあります。これらはそれぞれ異なる企業が運営していますが、Yahoo! JAPANではGoogleのデータベースを活用しているのが特徴です。そのため、Yahoo! JAPANの検索結果はGoogleとほとんど同じものとなります。
また、スマートフォン(以下、スマホ)を使ってGoogle検索する場合、iPhoneとAndroidではいずれも同様の検索結果が表示されるのが特徴です。なお、パソコン(以下、PC)とスマホでは、Googleの検索結果が若干異なる場合があります。これは「モバイルファーストインデックス(MFI)の登場」で詳しく後述しますが、スマホで検索した場合はスマホ版ページが優先して検索結果に表示されるためです。
SEOには、大きく分けて以下の3つの作業項目があります。
これらをバランス良く実践することが重要です。
内部対策とは、Webサイトの内部構造や要素を最適化し、検索エンジンがサイトの情報を理解しやすく、またユーザーが快適に利用できるようにするための施策です。
テクニカルSEOとは、検索エンジンに向けて施す対策です。具体的には以下のようなものがあります。
施策項目 | 内容 |
---|---|
サイト構造の最適化 | クローラーが巡回しやすいように、論理的でシンプルなサイト構造を構築(パンくずリストの設置など)。 |
URLの正規化 | wwwの有無やindex.htmlの有無など、評価が分散しないようにURLを統一する。 |
XMLサイトマップの作成と送信 | 検索エンジンにサイトの全ページを効率的に伝える。 |
robots.txtの設定 | クローラーのアクセスを制御する。 |
表示速度の改善 | 画像の圧縮、不要なコードの削除などでページの読み込み速度を上げる。 |
モバイルフレンドリー対応 | スマホでの閲覧に最適化されたデザインにする。 |
HTTPS化(SSL対応) | サイト全体の通信を暗号化し、セキュリティを高める(Googleも推奨)。 |
コンテンツに関する内部施策としては、以下のようなものが挙げられます。
施策項目 | 内容 |
---|---|
適切なキーワードの選定と配置 | 各ページで狙うキーワードを明確にし、タイトルタグやメタディスクリプション、見出しタグ、本文中に自然な形で含める。 |
alt属性の設定 | 画像の内容を説明するテキストを設定する。 |
内部リンクの最適化 | 関連性の高いページ同士をリンクでつなぎ、サイト内回遊性を高め、重要なページに評価を集める。 |
外部対策とは、外部サイトを通じて自社サイトのSEO評価を高めるための施策です。
施策項目 | 内容 |
---|---|
被リンク獲得 | 関連性の高い、信頼できるサイトからの自然なリンクを獲得すること。 |
サイテーション | 企業名や自社サービス、自社サイトなどがSNSによって拡散されること。 |
とくに、ほかのWebサイトから自社サイトへ質の高いリンク(被リンク)を獲得することは重要です。被リンクは、検索エンジンがサイトの権威性や信頼性を評価する上で重要な指標のひとつとされています。
ただし、低品質なサイトからの大量のリンクや、金銭で購入したリンクなど、不自然なリンクはペナルティの対象となる可能性があるため避けるべきです。これは検索エンジンのガイドラインに反する取り組みとなります。
コンテンツSEOとは、ユーザーの検索意図に応える質の高いコンテンツを作成・発信し、検索エンジンからの評価を高め、自然な流入を増やすための施策です。SEO対策において最も重要視される要素のひとつです。
施策項目 | 内容 |
---|---|
キーワード設計 | ターゲットがどのようなキーワードで検索するかを調査し、対策キーワードを適切に設定する。 |
ユーザーの検索意図の理解 | 選定したキーワードで検索するユーザーが、何を求めているのか(情報収集、比較検討、購入など)を深く理解する。 |
質の高いコンテンツ作成 | ユーザーの疑問や悩みを解決できる、網羅的で専門性の高い情報を発信する。 |
とくに「質の高いコンテンツ作成」においては、E-E-A-Tの重視が大切です。EEATとは、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)に経験(Experience)を加えた概念のことで、YMYL(Your Money or Your Life:お金や健康など人々の生活に大きな影響を与える可能性のある情報)領域では非常に重要視されます。
SEOによるメリット・デメリットは、以下のとおりです。
▼SEOのメリット
● 低コストで集客できる 広告とは異なり、上位表示されればクリック課金が発生しないため、比較的低コストで集客が可能です。 ● 資産性の高い集客チャネルとなる 作成したコンテンツや最適化されたサイト構造は、長期的に集客効果をもたらす資産となります。 ● コンバージョンにつながりやすい ユーザーが自ら情報を探しているため、ニーズが顕在化しており、商品購入や問い合わせにつながりやすい傾向があります。 ● ブランディング効果の向上を期待できる 特定のキーワードで上位表示されることで、その分野の専門家としての認知度や信頼性が高くなります。 ● 潜在顧客へリーチしやすい まだ自社の商品やサービスを知らない潜在的な顧客層へもアプローチできます。 |
▼SEOのデメリット
● 効果が出るまでに時間がかかる場合がある 施策を開始してからすぐに効果が出ることもあれば、効果を実感できるまで数ヶ月から1年以上かかる場合もあります。 ● アルゴリズム変動の影響を受ける 検索エンジンのアルゴリズムは日々変化するため、突然ランキングが変動するリスクがあります。 ● 専門的な知識やスキルが必要となる 効果的なSEO対策を行うには、ある程度の専門知識や分析スキルが求められます。 ● 確実性が低い SEOを実施したからといって必ず上位表示されるという保証はなく、競合の状況によっても難易度が変わります。 ● コンテンツ作成の労力がかかる 質の高いコンテンツを継続的に作成するには、時間と労力が必要です。 |
SEO対策をすれば、どんなサイトでも集客できる――こんなことを耳にすることがあります。ですが、これは勘違いなのです。サイトには、SEOの向き不向きがあります。
SEO施策を進めるにあたって、まずはSEOでできることとできないことを確認していきましょう。
SEO対策が有効な事例としては、広く認知されていなくても、一定のニーズが見込まれる以下のような商品・サービスが挙げられます。
サービス例 | 内容 | 想定検索キーワード |
---|---|---|
高級フードデリバリー | 記念日や誕生日などで、高級レストランの料理を自宅で気軽に楽しめるデリバリーサービス | ・高級デリバリー 東京 ・記念日 デリバリー |
出張パーソナルトレーニング | 自宅やオフィスにスポーツトレーナーが訪問し、個別にトレーニング指導してもらうサービス | ・パーソナルトレーニング 出張 ・自宅トレーニング 東京 |
ペットシッター | 飼い主の留守中に自宅でペットの世話をしてもらうサービス | ・ペットシッター 東京 ・ペットシッター 料金 |
SEOに向いていない商品・サービスとしては、次のようなものが挙げられます。
概要 | 具体例 | 向いていない理由 |
---|---|---|
限定的な商品・サービス | 特定の地域の小規模なイベント専門のケータリング | ターゲットとなる検索者が非常に少ないため、SEOでの効果が得にくい。 |
専門的で知名度が低い商品・サービス | 特定の科学研究用途にしか使われない特殊な機器や試薬 | 一般消費者が検索する機会が少なく、専門知識が必要でSEO効果が限定的。 |
緊急対応サービス | 24時間緊急修理サービス | 緊急時には検索による認知拡大よりも迅速に問い合わせ先を知ることが優先される。 |
プライベート性が高いサービス | 特定の顧客にのみ提供される高級プライベートサロン | 検索で見つけるのではなく、紹介や限定的なマーケティングによって顧客を獲得することが多い。 |
オンラインだけで目的を達成できないサービス | 申込書や電話などによる申し込みしかできない保険 | 集客できても、オンラインでの手続きができないと離脱率が高まる。 |
このようなサービスや商品は、SEO対策に多大な投資をするよりも、ほかのマーケティング手法や紹介、口コミ、直接的な営業活動などが効果的です。
ただし、SEO対策向きでない商品・サービスであっても、次のような施策によってSEO効果を期待できる可能性があります。
SEOを実施することによって「検索結果で上位表示を目指すこと」はもちろん大切ですが、これだけがSEOの目的ではありません。
SEOは、広告とは異なる性質をもつマーケティング手法です。広告はお金を出せば優先的に表示されるようになりますが、SEOはそのような性質を持っていません。検索エンジンの向こう側にいる訪問者のニーズに応える商品・サービスを準備し、見やすいサイトに最適化するのがSEOの本来の目的といえます。
以上のSEOの目的を前提として、ここでは現在のSEOトレンドについて解説します。
Googleをはじめとする検索エンジンは、ユーザーが入力したキーワードの背景にある「検索意図」をより正確に理解するために、AIや機械学習の技術を積極的に活用しています。
例えば、検索語句に多少の誤字脱字(例:「ウエデング」と検索)があっても、検索エンジンが文脈を理解し、以下のように適切な検索結果(例:「ウエディング」に関する情報)を表示できるようになっています。
また、検索エンジンでは検索結果を意図的に操作されないような工夫が施されています。具体的には、質の高い検索結果を維持するため、検索エンジンでは独自のアルゴリズムを設けているのです。アルゴリズムの詳細は公開されていませんが、「情報が新しいか」「どのくらい被リンクを獲得しているか」などが含まれていると考えられています。
このような検索エンジンの仕組みからも、例えば50位から1位にいきなり順位を上げることは決して簡単ではありません。そのため、順位を上げることだけを意識するのではなく、訪問者のニーズに応えるサイトづくりを重視することが必要です。
現代において、なくてはならない必需品ともいえるスマホ。総務省が発表した令和3年版 情報通信白書によると、日本国内における個人のスマホ保有率は69.3%となっています。
スマホの普及とともに、ユーザーの行動やニーズも大きく変化しています。具体的には、オフィスや自宅、通勤中、出先などでいつでもどこでも手軽に検索できるようになりました。これによって、検索エンジンの評価がPCからスマホに移り変わっている傾向にあるのです。
スマホ版ページが評価対象となることを「モバイルファーストインデックス(以下、MFI)」といいます。
なお、MFIになってもSEOの本質は変わりません。というのも、スマホ版ページがないサイトは検索結果に出なくなるというわけではなく、これまでと同様にデスクトップ版ページが評価対象となります。つまり、MFIはインデックスの変更であって、順位には大きな影響がないといわれています。
ただ、スマホで検索した場合とPCで検索した場合では、順位の変動がまったくないとは言い切れません。現時点でスマホ版ページがなければ可能な限り作成するようにして、ユーザーフレンドリーを心がけるとよいでしょう。
ユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させるための指標として、Googleは「コアウェブバイタル」をランキング要因のひとつとしています。これは、ウェブページの読み込み速度やインタラクティブ性、視覚的な安定性に関する具体的な指標群です。
これらの指標を改善することは、ユーザーにとって快適なサイト体験を提供することにつながり、間接的にSEO評価にも良い影響を与えます。
テキストコンテンツだけでなく、動画コンテンツや音声コンテンツの需要も高まっています。検索結果にも動画が表示される機会が増えており、YouTubeなどのプラットフォームを活用したSEO戦略も有効です。また、音声検索への対応も、今後のSEOにおいて考慮すべき点のひとつと言えるでしょう。
SEO施策を進める場合は、ただ検索結果で上位表示させることを目的とするのではなく、ユーザーが本当に求めている情報を提供できるように見やすいサイトづくりを目的とすることが重要です。
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執筆者
コンテンツディレクター/ライター
Miho Shimmori
2023年ファングリーに入社。以前はWebマーケティング会社で約2年半コンテンツマーケティングに携わり、不動産投資メディアの編集長を務める。SEOライティングが得意。ほかにも士業関連や政治など複数メディア運営の経験あり。Z世代の端くれ。趣味はサウナと競馬と街歩き。
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