サプリメントや美容製品、健康器具……これらの広告記事を制作する際に必ず関わってくるのが「薬機法」です。これらは薬機法の規制対象となる医薬品等に定められていない商品ですが、医薬品等のように誤解を招く訴求をすると薬機法に抵触したことになり、ペナルティの対象となります。
薬機法は年々取り締まりが厳しくなっていて、特に近年の法改正により広告規制はさらに強化されています。違反した場合は課徴金の支払いや刑事罰の対象となり、逮捕されるケースも。また、規制の対象は広告主だけにとどまりません。広告制作に関わった広告代理店やライター、インフルエンサー等も対象になる点には注意が必要です。
こちらの記事では、薬機法の目的や「医薬品等」の概要、そして2021年8月1日に施行された改正薬機法とペナルティの内容ついて解説します。さらには、薬機法違反とならないように気をつけたい点もまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。
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薬機法の読み方は「やっきほう」で、正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。もともとは薬事法(やくじほう)と呼ばれていましたが、2014年の法改正に伴い名称が変更されました。
薬機法は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品(以下、医薬品等)の品質や有効性、安全性の確保等によって、保健衛生の向上を図ることを目的とした法律です。
薬機法では、医薬品等の製造、表示、販売、流通、広告等について細かく定められ、厳しい規制が設けられています。これは、医薬品等は人体に効能や効果をもたらす一方、副作用を招く恐れもあるからです。そのため、品質や安全性のチェックは厳格に行われています。
つまり薬機法は、医薬品等による健康被害等を防ぎ、安全に使用するための環境を整え、人々の命や健康を守るための法律と言えます。
薬機法を理解するには、規制対象となる「医薬品等」について知ることが大切です。医薬品等については、薬機法の第2条に定義されています。各概要と該当箇所を以下に抜粋しますので、確認しておきましょう。
医薬品は、病気の診断や治療または予防に使用されることを目的としているものです。「医療用医薬品」は原則医師の診断に基づく処方箋が必要で、「一般用医薬品」(大衆薬)は原則薬局やドラッグストアにおいて医師の処方箋がなくても購入することが可能です。
【医薬品】 |
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医薬品の定義(第二条1項) この法律で「医薬品」とは、次に掲げる物をいう。 一 日本薬局方に収められている物 二 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具等(機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下同じ。)及びこれを記録した記録媒体をいう。以下同じ。)でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。) 三 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。) |
引用:薬機法 第二条1項
医薬部外品は人体への作用が緩和なもので、吐き気等の不快感や口臭防止、あせも等を防止するもの、育毛等の美容目的のものを指します。具体的には制汗剤や薬用化粧品等があり、薬局やドラッグストア以外でも購入することができます。
【医薬部外品】 |
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医薬品の定義(第二条2項) 2 この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げる物であつて人体に対する作用が緩和なものをいう。 一 次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物(これらの使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止 ロ あせも、ただれ等の防止 ハ 脱毛の防止、育毛又は除毛 二 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(この使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの 三 前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物(前二号に掲げる物を除く。)のうち、厚生労働大臣が指定するもの |
引用:薬機法 第二条2項
化粧品は体を清潔にしたり、外見を美しく見せたりすることや、肌や髪の毛を健やかに保つことを目的としています。ただし、医薬品としての使用目的を併せ持つものや医薬部外品を除いたものです。薬局やドラッグストア以外でも購入でき、具体的にはシャンプーやコンディショナー、ファンデーションやマスカラ等が該当します。
【化粧品】 |
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この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第一項第二号又は第三号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。 |
引用:薬機法 第二条3項
医療機器は、病気の診断や治療、予防のために使用する機械器具等や、身体の構造や機能に影響を及ぼすための機械器具等を指します。具体的には前者がMRIや電子体温計等、後者はペースメーカー等のことです。
【医療機器】 |
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この法律で「医療機器」とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。 |
引用:薬機法 第二条4項
会社の広報担当や広告代理店、媒体社、ライター、アフィリエイター等さまざまな立場の人に大きく関わってくるのが、薬機法と広告に関する内容です。違反した場合には「知らなかった」では済まされないので、しっかりと内容を理解して薬機法違反防止に努めましょう。
最初に、薬機法においてどういった内容が広告に該当するかを確認します。1998年9月29日付の厚生労働省医薬安全局監視指導課長通知により、以下、3つのいずれかの内容を満たす場合は広告に該当するとされています。また、広告媒体に関する決まりはなく、Web広告だけでなく個人ブログ等も規制の対象となるので注意しましょう。
広告に該当する3要件 |
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1.顧客を誘引する (顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること 2.特定医薬品等の商品名が明らかにされていること 3.一般人が認知できる状態であること |
引用:厚生労働省「薬事法における医薬品等の広告の該当性について」
薬機法における広告表現については、第66条、第67条、第68条に定められています。各条の「気をつけるべき点」を説明し、該当箇所を抜粋します。
第66条の内容で注意したいのは、虚偽・誇大広告等の禁止の規定の対象が「何人(なんびと)も」となっている点です。これは、対象者が広告主だけではなく、広告代理店や媒体社、ライター、アフィリエイター、インフルエンサー等、誰もが規制の対象となることを示しています。
【第66条】虚偽・誇大広告等の禁止 |
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何人も、虚偽や誇大表現の可能性がある広告、医療関係者が保証したような表現がある広告、堕胎を暗示したり、わいせつな文書や図画を用いた広告は禁止する。 |
引用:薬機法 第六十六条3項
特殊疫病に使用する医薬品を適切に使うため、医薬関係者以外の一般人に向けて広告を出すことは禁止されています。
【第67条】特定疾病用の医薬品及び再生医療等製品の広告の制限 |
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がんなどの高度な専門性が必要な医薬品に関する、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告の制限。 |
引用:薬機法 第六十七条1項
医薬品として未承認の健康食品の場合、薬の効き目があるようにうたった広告を出すと薬機法に抵触してしまうので、表現方法には注意が必要です。
【第68条】承認前の医薬品等の広告の禁止 |
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何人も、承認前の医薬品等について、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告を禁止する。 |
引用:薬機法 第六十八条
薬機法における広告表現で気をつけるべき点をまとめると、以下のようになります。
第66条 | 医薬品等に定められているものは、虚偽や誇大広告等を行わないようにする。 |
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第67条 | 特定疫病に使用する医薬品の広告は、一般人に向けて出してはいけない。 |
第68条 | 医薬品等として未承認のものは、医薬品等と誤解するような広告を出してはいけない。 |
年々、厳しくなっている薬機法の規制。その理由としては、Web広告の増加に伴い、虚偽・誇大広告や未承認の医薬品等の広告・販売等の薬機法違反事例が散見され、さらに違反事例が減少していないという状況が挙げられます。それを受けて、2021年8月1日施行改正薬機法では新たに「措置命令」と「課徴金制度」が追加されました。具体的に何が変わったのか、確認しておきましょう。
第66条1項(虚偽・誇大広告等の禁止)または第68条(承認前医薬品等の広告の禁止)に違反した人に対して、措置命令が定められました。違反広告の中止、違反行為の再発防止とそれらの実施に関連する公示、公衆衛生上の危険の発生を防止するための措置等が命令の内容です。
【違反広告に係る措置命令等】 |
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第七十二条の五 厚生労働大臣又は都道府県知事は、第六十六条第一項又は第六十八条の規定に違反した者に対して、その行為の中止、その行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他公衆衛生上の危険の発生を防止するに足りる措置をとるべきことを命ずることができる。その命令は、当該違反行為が既になくなつている場合においても、次に掲げる者に対し、することができる。一 当該違反行為をした者二 当該違反行為をした者が法人である場合において、当該法人が合併により消滅したときにおける合併後存続し、又は合併により設立された法人三 当該違反行為をした者が法人である場合において、当該法人から分割により当該違反行為に係る事業の全部又は一部を承継した法人
四 当該違反行為をした者から当該違反行為に係る事業の全部又は一部を譲り受けた者 2 厚生労働大臣又は都道府県知事は、第六十六条第一項又は第六十八条の規定に違反する広告(次条において「特定違法広告」という。)である特定電気通信(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)第二条第一号に規定する特定電気通信をいう。以下同じ。)による情報の送信があるときは、特定電気通信役務提供者(同法第二条第三号に規定する特定電気通信役務提供者をいう。以下同じ。)に対して、当該送信を防止する措置を講ずることを要請することができる。 |
引用:薬機法 第七十二条の五
課徴金は、第66条1項(虚偽・誇大広告等の禁止)に違反した人が対象です。第66条は先述の通り誰もが規制の対象となるため、広告代理店や媒体社、ライター、アフィリエイター、インフルエンサー等も課徴金の対象になります。
課徴金の金額は、「違反を行っていた期間中の対象商品の売上額×4.5%」です。たとえば、当該機関の売上が2億円だった場合、課徴金は900万円となります。
そもそも課徴金とは、国家が国権に基づいて徴収する租税以外の金銭のこと。今回の課徴金制度が導入されるまで、薬機法違反をした場合は逮捕されない限り罰金を支払うことはありませんでしたが、課徴金制度が始まってからは「逮捕されなくても課徴金を科せられる」ようになりました。
【課徴金納付命令】 |
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第七十五条の五の二 第六十六条第一項の規定に違反する行為(以下「課徴金対象行為」という。)をした者(以下「課徴金対象行為者」という。)があるときは、厚生労働大臣は、当該課徴金対象行為者に対し、課徴金対象期間に取引をした課徴金対象行為に係る医薬品等の対価の額の合計額(次条及び第七十五条の五の五第八項において「対価合計額」という。)に百分の四・五を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。2 前項に規定する「課徴金対象期間」とは、課徴金対象行為をした期間(課徴金対象行為をやめた後そのやめた日から六月を経過する日(同日前に、課徴金対象行為者が、当該課徴金対象行為により当該医薬品等の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して誤解を生ずるおそれを解消するための措置として厚生労働省令で定める措置をとつたときは、その日)までの間に課徴金対象行為者が当該課徴金対象行為に係る医薬品等の取引をしたときは、当該課徴金対象行為をやめてから最後に当該取引をした日までの期間を加えた期間とし、当該期間が三年を超えるときは、当該期間の末日から遡つて三年間とする。)をいう。3 第一項の規定にかかわらず、厚生労働大臣は、次に掲げる場合には、課徴金対象行為者に対して同項の課徴金を納付することを命じないことができる。一 第七十二条の四第一項又は第七十二条の五第一項の命令をする場合(保健衛生上の危害の発生又は拡大に与える影響が軽微であると認められる場合に限る。)
二 第七十五条第一項又は第七十五条の二第一項の処分をする場合 4 第一項の規定により計算した課徴金の額が二百二十五万円未満であるときは、課徴金の納付を命ずることができない。 |
薬機法に違反した場合、前述したように措置命令等の行政処分や課徴金納付命令、さらには刑事罰を受ける恐れがあります。
違反が発覚した場合、突然、課徴金納付命令がくるわけではありません。一般的にはまず行政指導が行われます。行政指導は行政が行う是正措置のことで、具体的には違法状態になっている内容を改めて正しくするように命じ、報告書の提出を求めます。
その後、数回にわたって弁明の機会が与えられたのち、必要に応じて行政処分や課徴金納付命令が出されるという流れになります。
出典:厚生労働省 医薬・生活衛生局 監視指導・麻薬対策課「課徴金制度の導入について」
前述した措置命令以外の行政処分について紹介します。
薬機法違反の医薬品等を販売した場合には、商品の廃棄や回収等の命令(第70条)を受ける可能性があります。実際に商品を回収することになると、コストの面でかなり大きな影響を受けるでしょう。
商品ではなく販促物の表現が薬機法に抵触している場合は、製品自体は薬機法に違反していないため製品回収の必要はありません。しかし、たとえば有名人を起用した販促物の内容が薬機法違反となった場合には世間の注目度も高まるため、その後の事業運営に悪影響が及ぶリスクもあります。
他にも、医薬品等の品質管理や製造販売後安全管理の方法が不適切な場合には、業務停止命令(第72条)を受ける可能性があります。また、違反の度合いが悪質なときには医薬品等の製造・販売に関する許可・登録が取り消される可能性(第75条)もあるので注意しましょう。
薬機法違反を行うと、行政処分のほかに刑事罰を受ける可能性もあります。
無許可無認可医薬品を販売すると、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、または併科が科されます(84条)。過去、実際にあったケースでは2020年7月、医薬品として承認されていないサプリメントを疾患の予防効果があるという旨で販売したところ刑事摘発され、販売元の従業員のみならず広告代理店関係者まで逮捕されました。
このように、医薬品として認められていないサプリメントの効果・効能を掲げて販売してしまうと、薬機法では「無承認無認可医薬品」として扱われます。
他には、虚偽または誇大な広告や未承認医薬品等に関する広告、薬機法違反の医薬品の販売をした場合には、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、または併科が科されます(85条)。
広告規制に関して、薬機法に似ている法律に景表法(けいひょうほう)があります。正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」で、景品の取り扱いと不当表示について定めている法律です。
薬機法と景表法は、まずは法律の目的が異なります。薬機法は医薬品等の品質や安全性の確保、保健衛生を向上させることが目的ですが、景表法は商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示することを規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限し、一般消費者の利益を保護することが目的です。
出典:消費者庁「景品表示法」
景表法が規制する対象としては、主に「優良誤認表示(景表法第5条1号)」と「有利誤認表示(景表法第5条2号)」があります。
優良誤認表示は商品やサービスの品質、規格その他の内容に関する表現で、実情以上に「良い」と一般消費者に思わせてしまうものが規制対象です。一方の有利誤認表示は商品やサービスの価格その他取引条件についての表現で、実情以上に「おトク」と消費者に思わせてしまうものが規制対象となります。
また、これら以外の表示で、商品やサービスの取引に関する事項について一般消費者に誤認される恐れがあると認められ、内閣総理大臣が指定する表示も対象になります。該当するのはこちらです。
出典:消費者庁「表示規制の概要」
景表法に違反すると、景表法に基づいた措置命令や課徴金の対象となります。
課徴金は、広告によって得た利益の3%です。措置命令の内容は行為の差し止め等ですが、これに違反するとさらに2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはどちらも科される可能性があります。
景表法についてはこちらの記事で詳しく説明しているので合わせてご確認ください。
関連記事:景表法に違反しないコンテンツ制作のポイントを解説【わかりやすい事例付】
薬機法違反を行わないために、気をつけたいポイントを説明します。
薬機法は医薬品等だけではなく、美容製品、サプリメント、健康器具等の商品にも大きく影響します。なぜなら、これらの商品を医薬品等と誤解させるような内容や表示をした場合、薬機法に抵触したことになるからです。
たとえば、サプリメントが薬機法違反となるケースの例は以下です。
医薬品ではないサプリメントが上記の内容に触れると、「医薬品と誤解されるような違法な表現」と判断され、規制の対象となります。このような商品が「無承認無許可医薬品」と呼ばれます。
ただし、時代とともにサプリメントで使用して良い成分の範囲が変わることもありますので、担当者は随時情報を確認するようにしましょう。医薬品等に該当しない商品でも、これらの業界の商材を扱う人や企業は、自分たちが知らない間に薬機法違反をしないよう、薬機法の内容を理解しておく必要があります。
薬機法の内容を確認した際に、「薬機法は分かりにくい」という印象を持つ方は少なくないようです。その一因として、「薬機法のルール自体がすべて提示されていない」という現状があります。
薬機法で定められている内容は、基本的なルールが記載してあるだけ。許される表現方法やNGなケース等の細かいルールは、厚生労働省が発令した「通知」に記載されています。
しかしこの「通知」は体系的に公表されるのではなく、都度、発令される仕組みになっています。また、「通知」はすべて公開されているわけではありません。こうした点が重なり、薬機法のルールを体系的に理解するのが非常に難しい状況になっていると言えます。
この章では、薬機法違反を防ぐためにできることを紹介します。
薬機法違反をしないために、最初に厚生労働省が出しているガイドラインを確認しましょう。自社で取り扱う商品の訴求がどの範囲まで許されるのか、把握することが大切です。
出典:厚生労働省「医薬品等適正広告基準」
法令やガイドライン、行政からの指導内容を確認したら、把握した情報は社内の広告制作マニュアル等に反映し、全社的に確認できるようにしておくことも大切です。特にこのとき、「取り扱う商品のNG事項」はしっかりと共有しましょう。
広告代理店が違反広告を出した場合も、広告主の責任は問われます。
前述した通り、広告に記載する表現についてはどの範囲まで許され、何がNG事項にあたるのかが非常に分かりにくい状況です。そのため、意図せず違反広告を出してしまう危険性があることを強く留意しておく必要があります。
対策としては、社内以外の広告代理店等、関係各所に対してもこのような危険性をあらかじめ周知し、さらに作成した広告制作マニュアルやNG事項についても丁寧に共有するようにしましょう。
「薬機法管理者」という薬機法に関する民間資格があるので、知識を習得するために社内で資格取得を検討するのも良いでしょう。
「薬機法管理者」とは、ヘルスケアビジネスにおける薬事の専門家のことです。そのため、広告代理店のクリエイティブディレクターやライターが資格を取得している場合には、依頼主からの信頼を得やすくなるため仕事の受注にもつながるでしょう。薬機法を体系的に学ぶことができるため、独学より理解しやすいというメリットもあります。
ただし、資格取得にはコストがかかります。さらに、資格の有効期限は1年間のため、取得後は毎年更新する必要があります。
「自分たちの知識では不安」という場合には、薬機法に詳しい専門家にチェックしてもらうという方法もあります。費用はかかりますが、薬機法違反を防ぐための有効な選択肢と言えるでしょう。
薬機法(旧薬事法)は、Web広告の増加や違反広告がなかなか減少しない状況を受けて、年々規制が強化されています。「知らないうちに、自分や関係者が薬機法違反をしていた」ということにならないよう、法令や厚生労働省のガイドラインをはじめ、新しく出た通知等を都度確認しておくことが大切です。また、薬機法違反をしてしまった場合のペナルティについても理解し、気をつけて取り組みましょう。
株式会社ファングリーでは、薬機法や医療広告ガイドライン、景品表示法等に準拠したライティング支援およびコンテンツマーケティング支援を行っています。薬機法管理者の資格を持ったディレクターや編集者、医療やコスメ領域の執筆経験が豊富なライターをアサインすることが可能。薬機法管理者による監修にも対応しています。法律違反のリスクに悩むことなくコンテンツマーケティングを実施したい企業様は、お気軽にお問い合わせください。
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