本記事では、WordPressサイトの運用効率を高め、更新の自由度を大きく高めるプラグイン「Advanced Custom Fields Pro(ACF Pro)」の機能やメリット、導入方法を分かりやすく解説します。
「もっと自分たちで自由にページを更新したいけれど、HTMLの知識がない」
「デザインにこだわりたいけれど、外注費は抑えたい」
こうした課題を抱えるWeb担当者様に向けて、ノーコード感覚で高度な更新環境を構築できるACF Proの魅力を紹介します。
この記事を読めば、ACF Proを導入することで、専門知識がなくてもデザイン性の高いページを自社内でスピーディーに作成・更新できる環境がどのように実現できるかが明確になります。
\BtoBサイトリニューアルで陥りがちな失敗って?/
Table of Contents
Advanced Custom Fields Pro(ACF Pro)は、WordPressの投稿固定ページに、標準では用意されていない入力項目(カスタムフィールド)を柔軟に追加できる「Advanced Custom Fields」の上位版プラグインです。
通常のWordPressでは本文エディタだけでは複雑なレイアウトや、決まったデザインパーツを正確に入稿するのが難しく、運用効率にも限界があります。
ACF Proを導入すれば、テキストフィールドや画像アップロード、Googleマップ、繰り返しフィールド、選択式のレイアウト管理など、多様なフィールドを自由に追加できます。サイトの管理性と表現力を大きく向上させるプラグインです。
さらに、ACF Pro にのみ搭載されている人気機能「柔軟コンテンツ(Flexible Content)」を使えば、用意されたデザインブロックを組み合わせるように、直感的にページ構築が可能。HTML/CSS/PHPなどの専門知識がなくてもデザインが崩れず、誰でもプロクオリティのページ更新が実現します。
WordPressは非常に便利なCMSですが、標準機能のみで運用しようとすると、企業サイトやオウンドメディアの担当者は次のような問題に直面しがち。
こうした課題を大幅に解決してくれるのが、ACF Proです。
通常のWordPress構築では、ページごとにあらかじめ「テンプレート(型)」を作成します。
しかし、後から「画像を追加したい」「見出しを別の位置に変更したい」と思っても、標準の入力欄では対応できないことが多く、結局画一的なページしか作成できません。
WordPressのテンプレートを変更したり、入力項目を追加したりするには、PHPファイルなどを直接編集する必要があります。社内にエンジニアがいない場合は制作会社へ依頼するしかなく、簡単な修正でも見積もり・発注の手間がかかり、結果的に運用コストが膨らみがちです。
ACE Proを導入すれば、管理画面から必要なフィールドを簡単に追加できるため、外部依頼が大幅に削減されます。
標準のビジュアルエディタやクラシックエディタでは、文字装飾や画像挿入はできても、以下のような複雑なレイアウトの再現が困難です。
無理にエディタで再現しようとすると、スマホ表示で崩れたり、担当者によってデザインが異なったりと、品質にばらつきが生じます。
製品紹介ページやスタッフ紹介、事例一覧など、更新したいページ種別が増えるほど、それぞれに対応したテンプレートやカスタム投稿タイプが必要です。その結果、制作会社への依頼工数が増え、初期制作費・改修費がかさむケースが多くみられます。
「もっと自由に更新したいけれど、予算の都合で断念した」という企業も少なくありません。
ACF Pro、とくに「柔軟コンテンツ(Flexible Content)」を活用してWordPressサイトを構築すると、運用面・費用面の両方で大きなメリットを得られます。
ここでは、ACE Proを導入することで実現できる主なメリットを詳しく紹介します。
HTMLやCSSを一切扱うことなく、管理画面から用意されたパーツを選び、テキストや画像を入力するだけでページが完成します。
これにより、運用が一気にシンプルになります。
事前にデザインされたコンポーネントを選んで、配置していきます。そのため、誰が更新しても、トーン&マナーが揃った統一感のあるページを作成できます。
WordPress標準のエディタだけでは難しい「デザインの再現性」を担保できる点も、ACF Proの大きな魅力です。
汎用的なパーツを用意しておけば、新しいページを作るために都度テンプレート開発をする必要がないため、長期的な運用コストを大幅に抑えられます。
「ページを増やしたいのに予算が足りない」という状況から解放されるでしょう。
急なキャンペーンページや期間限定LP、サービス追加によるレイアウト修正なども、ACF Proなら社内だけでスピーディーに対応できます。
柔軟にページを拡張するという点で、更新頻度の高いサイトほどACE Proの効果を強く実感できるでしょう。
無料版のAdvanced Custom Fieldsでも基本的なカスタムフィールドの追加は可能ですが、Pro版にはサイト制作の幅を大幅に広げる強力な機能が搭載されています。
ここでは、とくに利用頻度の高い代表的な4つの機能を紹介します。
「繰り返しフィールド(Repeater Field)」は、ACE Proでも特に人気のある機能のひとつです。「写真 + 説明文 + リンク」などのセットを、管理画面で「追加ボタン」を押すだけで無制限に増やせます。
活用例
数が変動するコンテンツを柔軟に管理できるため、通常のAdvanced Custom Fieldsでも必ず紹介される定番機能です。
本記事の中心となるのが、「柔軟コンテンツ(Flexible Content)」です。
事前に以下のような複数レイアウトを「パーツ」として用意しておくことで、 更新担当者は、これらのパーツを好きな順番で、好きなだけ追加・並べ替えできるようになります。
固定のテンプレートに縛られず、ページごとに自由な構成での制作が可能です。
オプションページを使うと、特定の投稿に紐づかない“サイト全体で共通して使う情報”を一元管理できます。
具体的には、以下のような情報が挙げられます。
1ヶ所の変更がサイト全体に反映されるため、修正漏れを防ぎ、メンテナンス性が向上します。
ギャラリーフィールドは、複数の画像をドラッグ&ドロップで直感的に管理できる機能です。
活用例
画像の追加・削除・並べ替えが手軽にできるため、大量の画像を扱うサイトでは非常に重宝します。
WordPressには標準機能として「ブロックエディタ(Gutenberg)」が搭載されており、近年はその機能性も大きく向上しています。そのため、ACF Proとブロックエディタのどちらを使うべきか迷うケースがあるでしょう。
ここではAdvanced Custom Fields Proとブロックエディタを比較しながら、使い分けのポイントを解説します。
| ACF Pro | ブロックエディタ | |
| 自由度 | ★★★☆☆(枠組みの中で自由) デザインされたパーツを組み合わせて使うスタイル | ★★★★★(非常に高い) 標準ブロックを自由に組み合わせて表現可能 |
| デザイン統一性 | ★★★★★(非常に高い) 決められたデザイン以外に変更できないため、崩れにくい | ★★☆☆☆(バラつきやすい) 余白・色・配置の自由度が高く、品質に差が出やすい |
| 更新難易度 | ★★★★★(非常に簡単) 入力欄に文字を入れるだけで迷いにくい | ★★★☆☆(中程度) ブロック操作や細かい設定に慣れが必要 |
| 向いているケース | ・企業サイト・BtoBサイト・製品ページ※ブランドレギュレーションが明確で品質の統一が重要な場合 | ・ブログ・メディアサイト・LP制作※記事ごとに自由な表現を試したい場合 |
企業のブランドイメージを守りながら効率的に運用したい場合、ACF Proでデザイン済みパーツ(コンポーネント)を用意します。そして、入力欄だけで更新できるようにする仕組みがもっとも安全で確実です。
以下のようなメリットがあります。
製品ページや採用サイトなど、デザインの統一性が求められるページほど、ACF Proが真価を発揮します。
記事の構成をページごとに変えたり、デザイン表現を柔軟にしたい場合には、ブロックエディタ(Gutenberg)の自由度が役立ちます。
テキスト・画像・見出しをその場で編集しながら配置できるため、ライティングとデザイン調整を同時に進められます。
実は、ACF Pro には「ACF Blocks」機能が搭載されており、これを使うとACFで作成したカスタムブロックをGutenberg 上で扱えるというハイブリッドな運用が実現できます。そのため、「自由度は確保したいけれど、ブランドに合わせたカスタムブロックも使いたい」というサイトに最適です。
ACF Proは、有料のWordPressプラグインとして提供されており、年額制のサブスクリプション方式を採用しています。
なお、価格は執筆時点(2025年12月)の情報であり、変動する可能性があります。必ず最新情報を公式サイトなどで確認してください。
| プラン | Personal(パーソナル) | Freelancer(フリーランサー) | Agency(エージェンシー) |
| 料金目安 | 年額7,600円※(49ドル) | 年額23,100円※(149ドル) | 年額38,600円※(249ドル) |
| 利用可能サイト | 1サイト | 10サイト | 無制限 |
| 特長 | 個人ブログや小規模サイトなど、1サイトのみでACFを活用したい場合に最適 | 複数の案件を扱う個人開発者・フリーランサー向け。複数のクライアントサイトで ACF Pro を利用する場合にもっともコスパが高いプラン | 制作会社・開発会社向け。サイト数の上限がなく、ACF Proを多数のクライアント案件に利用可能 |
※ 2025年12月上旬時点の為替レートとなる1ドル=155円で算出
制作会社にWordPressサイト構築を依頼する際は、以下の事項を事前に確認しましょう。
長期運用を見据える場合、自社でライセンスアカウントを保有しておく方が安心なケースもあります。
ACF ProはWordPress公式ディレクトリには掲載されていないため、公式サイトでの購入・ダウンロードが必要です。
ここでは、導入までの手順を解説します。

Advanced Custom Fieldsの公式サイトにアクセスし、ライセンスを購入します。購入時にアカウントも同時に作成します。
購入後、アカウントページからACF Proのzipファイルをダウンロードします。
WordPress管理画面から「プラグイン」>「新規追加」>「プラグインのアップロード」へ進み、ダウンロードしたzipファイルを選択し、インストール後に有効化します。
管理画面の「カスタムフィールド」>「アップデート」メニューに進み、発行されたライセンスキーを入力して認証します。認証が完了すると、Pro版の機能が利用できるようになります。
Advanced Custom Fields Pro(ACF Pro)に関するよくある質問をまとめました。
ブロックエディタは自由度が高い反面、更新担当者によってデザインがばらつきやすいという課題があります。一方、ACF Proはあらかじめデザインされたパーツを組み合わせる形式のため、ブランドイメージを守りながら統一感のある更新したい場合に適しています。
詳しくは、記事内の「Advanced Custom Fields Pro(ACF Pro)とブロックエディタ(Gutenberg)の使い分け」をご覧ください。
ACF Proでは、とくに以下の4つの機能が利用可能です。
各機能については、記事内の「Advanced Custom Fields Pro(ACF Pro)の主な4つの機能」で解説しています。
ACF Proは、年額制のサブスクリプション形式で提供されており、サイト数に応じて「Personal」「Freelancer」「Agency」の3つのプランから選べます。
各プランについては、記事内の「Advanced Custom Fields Pro(ACF Pro)の料金プラン」をご覧ください。
Webサイトは作って終わりではなく、更新して育てることが重要です。もし更新のしづらさが原因で情報発信が止まってしまっているなら、それは企業にとって大きな損失になりかねません。
ACF Proを活用すれば、自社内でスピーディーかつ自由度の高い運用が可能になります。ぜひACE Proを導入し、より更新しやすいWebサイト環境を整えてみてください。
執筆者
コンテンツディレクター/ライター
Miho Shimmori
2023年ファングリーに入社。以前はWebマーケティング会社で約2年半コンテンツマーケティングに携わり、不動産投資メディアの編集長を務める。SEOライティングが得意。ほかにも士業関連や政治など複数メディア運営の経験あり。Z世代の端くれ。趣味はサウナと競馬と街歩き。
最新記事
タグ