【インタラクティブ動画】ベンダー5社のツールをUIからサービスまで徹底比較!
映像コンテンツの中にクリック・タップできる仕掛けを用意することで、ユーザーがシナリオを選択できるインタラクティブ動画。「動画コンテンツへの能動的な参加」を促せるこの“さわれる動画”は、ユーザーのエンゲージメントを高め、コンバージョンを獲得しやすいリッチコンテンツとして注目されています。
現在、インタラクティブ動画の制作プラットフォームを提供している代表的なベンダーは5社ありますが、 各社の特徴や違いを理解している方は少ないかもしれません。この記事では、企業のコンテンツマーケティング支援やブランディング支援を行っているファングリーの動画制作ディレクター・内藤が、5つのベンダーにヒアリングを行い、実際にツールを使ってみた感想や各社の違いを比較してまとめました。
「“さわれる動画”を作りたいけど、制作はどこに依頼すればいい?」「そもそも各制作会社のサービスにはどんな違いがあるの?」と悩んでいる企業の広報・採用担当者の方、あるいは制作パートナーを探している方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
動画ディレクター:内藤 一樹(ないとう・かずき)
動画ディレクターとして企業VP(ビデオパッケージ)からブランディング動画まで、課題解決のための映像制作に従事する。これまでの動画制作の知見を生かし、インタラクティブ動画制作においては企画立案、ディレクション、編集まで一貫して担当。“さわれる動画”の活用方法を、日々研究中。
ベンダー各社はさまざまなプランを用意しており、制作内容によってプラン・料金が変わってきます。今回の記事では、「ファングリー社の動画事例集をインタラクティブ動画にした場合」のサービス比較を行いました。
タッチスポット社:TOUCHSPOT MAKER(タッチスポットメーカー)
概要
タッチスポット社が提供しているのは、「TOUCHSPOT MAKER(タッチスポットメーカー)」というツールです。インタラクティブ動画を企画から制作、レポート解析までフルオーダーメイドで行い、専属の企画チームが一気通貫で併走してくれます。エントリープランとして、ツールのみを提供してもらうことも可能です。プレゼンテーションソフトのPowerPointやKeynoteのようなUIで、非クリエイターでも気軽に制作することができます。
TOUCHSPOT MAKERを使ってみた!
作り方が分かる!実際に制作したインタラクティブ動画はこちら
ツールを使ってみた感想
- 必要最低限の機能を搭載したツールといった感じで無駄な機能がなく、シンプルで使いやすい
- 映像のつながり全体が常に概念図として表示されるので、全体像を把握しやすい
- 画像を配置する際にサイズや位置を数値で制御できるので感覚的な作業にならず、作業の精度が高くなる
- 一つの動画素材は5分尺・50MB以内に抑えるとスムーズにアップロードできる(インターネット環境にもよる)
- インタラクティブ(分岐・選択)を促す矢印やタップマークなどの素材を自社で用意する必要があるのがやや手間
- Googleアナリティクスと連携させてデータ分析が可能
- 通信容量が月間50GBと、他社に比べて少ない(50GB超えた分は従量課金)
内藤が選ぶ、最適なプラン
■ライトプラン
- 初期費用:¥0
- 月額費用:¥50,000
- 同時公開本数:1本
- 通信容量・視聴回数:50GBまで
TOUCHSPOT MAKERはこんな人におすすめ
- できるだけ費用を抑えてインタラクティブ動画施策を行いたい
- ページ遷移、外部リンク、ポップアップなど、基本的なインタラクティブ機能があれば十分
- インタラクティブ動画の構成・シナリオは自社でつくることができる
- Googleアナリティクスを使って視聴データを取りたい
スプレッドオーバー社:SOVE(ソーブ)
概要
スプレッドオーバー社の「SOVE(ソーブ)」は、DSP広告を利用してさまざまな配信先にインタラクティブ動画の出稿が可能なインタラクティブ動画制作サービスです。企画、構成、撮影、編集、インタラクティブ化、レポーティングまでワンストップで提供していますが、ツールのみの提供は行っていないため自社で制作することはできません。
「SOVE Boost」というインタラクティブ動画広告配信サービス(別途費用)も提供しています。数千のウェブメディアに対し、年代、性別、市区町村、配信先カテゴリ、興味関心など、さまざまなターゲティング属性を設定して広告配信が可能です。
制作を依頼する際の工程
STEP1:制作依頼書に要件とインタラクティブの概念図を記載
STEP2:制作依頼書と動画や静止画の素材を共有
STEP3:最短2〜3営業日で初稿、確認用サイトでプレビュー
STEP4: 最短1営業日で本公開
内藤が選ぶ、最適なプラン
■スタートプラン
- 初期費用:¥100,000
- 月額費用:¥25,000
- 同時公開本数:1本
- 信容量・視聴回数:10万回まで
SOVEはこんな人におすすめ
- 使用する素材は自社でそろえられるので、インタラクティブ化のみを依頼したい
- インタラクティブ動画の広告配信も行いたい(※広告配信は別途費用)
パロニム社:Tig(ティグ)
概要
15名のシステムエンジニアが在籍するパロニム社のプラットフォームは、「Tig(ティグ)」です。ツールのカスタム(タップボタンのデザイン変更などの簡単なものから、視聴者がタップした回数を一定数満たすと外部サイトへリンクするシステムの開発まで) にも臨機応変に対応。「タップ(クリック)」はもちろん、購入を検討している商品の「ストック」、商品の詳細ページやECサイトなどへの「ジャンプ」といったアクションにより、視聴完了率とエンゲージメントを高められます。
別サービスのデジタルカタログ「Tig magazine」(別途費用)を利用すれば、カタログ内にインタラクティブ動画を設置することも可能。印刷代などのコストを抑えつつ、静止画で伝わりにくい情報を動画で補完できるため、オムニチャネル化に有効です。
Tigを使ってみた!
作り方が分かる!実際に制作したインタラクティブ動画はこちら
ツールを使ってみた感想
- インタラクティブ動画の概念図(分岐構成図)があることで、今どういった構造になっていくのかを把握できるので使いやすい
- Tigアイコンに基本的なデザインが入っているので、パーツデザインの手間が省けて便利
- Tigアイコンのデザインはポップなものが多く、ファッションや美容系の動画と相性がよさそう
- ツール内の機能「ダッシュボード」で視聴データが取得できる
- プレビューへアクセスしやすい
- アイコンの画像登録手順が慣れるまで分かりにくい
- 画像の配置を数値で制御できないので、作業の正確性の面で少し不便さを感じる
内藤が選ぶ、最適なプラン
■スタンダードプラン
- 初期費用:¥0
- 月額費用:¥150,000
- 同時公開本数:制限なし
- 通信容量・視聴回数:制限なし
Tigはこんな人におすすめ
- 公開本数や通信容量を気にせずに動画を配信したい
- インタラクティブ動画の制作ツール内で視聴データを取りたい
- 動く被写体に対してタッチポイントを追尾させたい
- アパレルなどの商品をインタラクティブ動画で紹介し、デジタルのカタログとしても利用したい
サムシングファン社:DOOONUT(ドーナツ)
概要
インタラクティブ動画制作と記事制作、さらにSNS発信まで、メディア運用を一元管理できるのがサムシングファン社の「DOOONUT(ドーナツ)」です。データ分析機能が充実しており、視聴率グラフやヒートマップなどを使って、映像の配信先ごとに視聴者の動向を細かく把握できます。レビュー機能もついており、発注者側と制作側でオンラインによるフィードバックが可能。動画素材のアップロード本数やインタラクティブ動画の公開本数に制限がないのも魅力です。
DOOONUTを使ってみた!
作り方が分かる!作り方が分かる!実際に制作したインタラクティブ動画はこちら
ツールを使った感想
- ヒートマップデータの取得など、データ分析機能が充実している
- メディアと動画のデータ分析が、同じツールでできるのが便利
- 動画レビュー機能があるのでフィードバックのやりとりがスムーズに行える
- 映像をプレビューするまでの行程が多く、やや手間に感じる
- インタラクティブ動画制作に特化したツールではないので、慣れるまでに時間がかかりそう
内藤が選ぶ、最適なプラン
■インタラクティブ機能限定プラン
- 初期費用:¥50,000
- 月額:¥50,000
- 同時公開本数:制限なし
- 通信容量・視聴回数:500GBまで
DOOONUTはこんな人におすすめ
- インタラクティブ動画と記事の2軸でメディアを運用していきたい
- インタラクティブ動画制作ツール内でSNS運用まで行いたい
- ヒートマップなど、充実したデータ解析機能を利用したい
MIL社:MIL(ミル)
概要
インタラクティブ動画マーケティングのリーディングカンパニーとして計200社以上の支援実績があるMIL社では、戦略立案から運用改善までをワンストップで支援しています。UI・UX専門のデザインチームが在籍しており、使いやすさが常にブラッシュアップされているのが特長。
通常のインタラクティブ機能の他に、二面性のある2つの映像をタップでシームレスに切り替えられる「スイッチング機能」、360度カメラで撮影した映像を使える「360度動画」、InstagramやTikTokの動画体験を組み込んだ「MILリール」、「Salesforce連携機能」などさまざまな機能が追加。データ分析においては特許取得技術を用いた独自の視聴データ分析(歩留りパート、離脱原因、視聴動体、流入別経路、Salesforce連携など)でPDCAを回しながら動画の改善を行うことが可能です。
MILを使ってみた!
作り方が分かる!作り方が分かる!実際に制作したインタラクティブ動画はこちら
ツールを使った感想
- UI・UXが優れているので、初めてでもストレスなく制作できる
- タッチポイントの画像素材が用意されており、アニメーションパターンも数種類から選べるのが便利
- 動画をタップするだけで特定の電話番号に発信できる機能がユニークで、重宝しそう
- ヘルプ機能やガイドラインが充実し、チャット機能もついているので疑問点を解消しやすい
- 機能が充実しているので、企画やクリエイティブの幅が広がる
- アップロードできる1本あたりの動画素材の尺が3分までなので、長尺ものをアップロードできないのが残念
- プランはコンサルから制作、運用まで対応。自社で制作する必要・手間がありません。その分他社に比べるとコストは高めに設定されている。
- さまざまな視聴データ分析を取れるので、PDCAを回しやすい
内藤が選ぶ、最適なプラン
■通常プラン
- 初期費用:要問合わせ
- 月額費用:要問合わせ
- 同時公開本数:1本
- 通信容量・視聴回数:3万回まで
MILはこんな人におすすめ
- 自社で作るのでなく、専門家に制作を任せたい
- チャット機能で疑問点をすぐに解消したい
- さまざまなインタラクティブ機能を使って動画をリッチにしたい
- 充実した視聴データ分析で、効率よく動画のPDCAを回していきたい
横並びで確認できる機能早見表つきホワイトペーパーを進呈中!
インタラクティブ動画のベンダー5社比較は、参考になったでしょうか?すべての制作会社に対してヒアリングを行い、ツールのみの提供を行っていないスプレッドオーバー社の「SOVE」以外はすべて実際に手を動かしてツールの特徴や違いを確認しているので、リアルな情報になっているのではないかと思います。
今回、ファングリーの既存動画事例集を“さわれる動画”化するにあたって、各社のエントリープランを使ってスペックや使用感を確認・比較しました。一口にインタラクティブ動画制作プラットフォームと言っても、通信容量、アップロード本数、データ分析機能などにさまざまな違いがあります。そうした違いを把握しておくと、制作を依頼する際に安心です。
また、この記事と連動して、インタラクティブ動画の各ツールの特徴を横並びで確認できるホワイトペーパー(機能早見表つき)をご用意しました。自社やクライアントのマーケティング施策に最適な制作会社・ツールを選ぶための資料として、お役立てください。
- 選定の基準となる7つのポイント
- 要望別 最適なインタラクティブ動画制作会社
- 各社機能比較 早見表(機能一覧)
株式会社ファングリーでは、ウェブサイト(オウンドメディア)や記事・動画などを使った総合的なコンテンツマーケティング支援を行っています。今回ご紹介したインタラクティブ動画はもちろん、ブランディング動画、インタビュー動画、YouTubeや各種SNS向けの動画、展示会向け動画、ビデオインフォグラフィック、採用動画、eラーニング動画、オンラインマニュアル動画など、さまざまなジャンルの制作実績があります。動画制作に関するお悩みや課題をお持ちの担当者様は、お気軽にご相談ください。
【無料】5社のツールの特徴を横並びで確認できる機能早見表つきホワイトペーパーをダウンロード
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