※株式会社ENVYより寄稿いただいた内容を掲載しています。
「ウェビナーを開催しているのに、商談につながらない」
「アンケートの評価も悪くなく、満足度は高いのに、個別相談の申し込みはほとんど入らない」
その原因は集客数やオファーの内容、CTAの内容(テキストやバナーデザイン)ではないかもしれません。
実は、多くのウェビナーは情報提供で終わっています。しかしその一方で、有効商談につながるウェビナーでは参加者に「ある体験」を提供しています。それが「疑似体験」です。
本記事では、ウェビナーで有効商談を増やすコツとなる「擬似体験」について詳しく解説します。
目次
ウェビナーを開催しているのに、なかなか商談につながらない。そんな悩みを持つ企業は少なくありません。
一方、このような状況でも、ウェビナー自体の満足度は高いといったケースが多くあります。アンケートでも好意的な回答が集まり、参加者からも「参考になった」「勉強になった」という声が届くにもかかわらず、個別相談の申し込みはほとんど入らない――。
ウェビナーを実施している企業様からは、次のような声を聞く場面があります。

たしかに、ウェビナー開催側からするとこのような状況は不思議に感じるかもしれません。
しかし、多くのウェビナーでは最後に以下のような案内をするだけで終わっています。
これは、参加者に判断を丸投げしている状態です。参加者からすると以下のような点が不明瞭で、それゆえ個別相談の申し込みに二の足を踏んでしまうと考えられます。
つまり、多くの企業は相談の機会こそ提供しているものの、相談する価値を伝えられていません。「なぜ時間を使ってでも来る価値があるのか」といった説明を放棄し、参加者任せにしてしまっているのです。
個別相談への参加自体は無料でも、参加者は時間というコストを支払っています。30分や1時間の予定を空け、他の業務を後ろ倒しにして参加する。その時間を投資するだけの価値が見えなければ、顧客は動きません。
ウェビナーで商談を増やしたいのであれば、単に情報を伝えるだけでは不十分です。参加者に、「この会社に相談したら何が得られるのか」「この会社に支援されたらどう変わるのか」を具体的にイメージしてもらう必要があります。
その鍵になるのが、次に解説する「擬似体験」という考え方です。
有効商談につなげるために必要なのが、「擬似体験」です。擬似体験とは、この会社に相談した後の未来を、参加者が頭の中で具体的にシミュレーションできる状態を指します。
例えば、以下のようなプロセスが具体的に見えている状態です。
顧客は価値を説明されたときではなく、価値を体験したときに初めて納得します。「こうなりそう」「自社も同じように変われそう」と未来を具体的に想像できた瞬間、価値は伝わります。
そのため、有効商談につながるウェビナーでは情報を伝えることよりも、支援を受けた後の状態をイメージしてもらう点が重視されているのです。
では、顧客はどのようなときに擬似体験できるのでしょうか。ここでは、その要素を整理していきます。
ウェビナーで有効商談につながる会社は、参加者が自社に重ね合わせて、支援後の未来や支援の進め方を具体的にイメージできる状態を作っているといった共通点があります。
その擬似体験を生み出す代表的な要素が、次の4つです。


人は一般的に、自分に関係がないと感じると情報を真剣に処理しません。そのため、どれだけ有益な内容でも「これは自分に関係がある」「今の課題に役立ちそう」と思えなければ、擬似体験は起きないのです。
例えば「コンテンツマーケティングについて解説します」と言われても、多くの人は反応しません。一方で、「SEO記事は増やしているのに商談で比較される会社向けの話です」と具体的に言われれば、自社の課題として捉えやすくなります。
これは、内容が変わったわけではありません。その知識が自分の仕事や課題とどうつながるのか見えやすくなり、「これは自分に必要かもしれない」と感じる状態になっただけです。
擬似体験の第一歩は、参加者に「これは自社の話だ」と感じてもらうことです。

顧客はサービスそのものを買っているのではなく、そのサービスによって得られる未来を買っています。
例えば「ウェビナーを支援します」とだけ言われても、そのサービスの魅力は伝わりません。これに対して、「私たちのウェビナー支援によって、初回の打ち合わせが単なるサービス説明で終わっていた会社が、顧客から具体的な相談を引き出せるようになり、成約に直結する有効商談へ発展するようになった」と言われると、支援後の状態を想像しやすくなります。
導入後に何が変わるのか。現場はどう変化するのか。その未来が具体的に見えたとき、顧客は初めて「自社もこうなりたい」と考え始めます。擬似体験とは、未来を先に体験してもらうことでもあるのです。

「支援後の未来が見えること」と同時に、再現性を見せることも重要です。
例えば、「受注率が向上しました」「問い合わせが増えました」という成果を見ても、その結果に至るまでの過程が分からなければ、自社に当てはめて考えることはできません。
一方で以下の部分まで見えると、「この会社に支援されたらこう進むのか」を具体的にイメージできるようになります。
顧客は理想の未来を見て、その未来を自分でも再現できそうだ(してもらえそうだ)と思えたときに初めて動きます。だからこそ、成果だけではなく、その成果を生み出したプロセスを見せることが重要なのです。

顧客は成功事例そのものよりも、その前にある悩みや葛藤に共感します。
例えば、「問い合わせは来るのに受注できない」「毎回価格で比較される」「商談で説明ばかりしている」といった状況は、多くの企業が経験しています。だからこそ、どのような成果が出たのかだけではなく、どのような課題を抱えていたのか、何に悩んでいたのか、どのような失敗を経験したのか、まで描かれると自社を重ね合わせやすくなるのです。
とくに重要なのは、その悩みや葛藤の解像度。「登場人物の状況が自社と似ているか」「自分と同じような感情を抱えているか」「現場で実際に起きていそうな出来事としてイメージできるか」といった要素が揃うほど、参加者は話の中に入り込んでいきます。
さらに、課題発生から解決までが一連のストーリーとして語られることで、「もし自分がこの状況だったら」と自然に考えるようになります。
その結果、単に話を聞いているのではなく、その場で実際に体験しているような感覚に近づいていくのです。そして、その状態からどう変わったのかを見ることで、支援後の未来もよりリアルに感じられるようになります。
擬似体験は、情報だけではなく感情によっても強くなります。
ここまで、擬似体験が起きる4つの要素を紹介してきました。では実際に、ウェビナーの中で擬似体験を作るにはどうすれば良いのでしょうか。
当社が支援しているウェビナーでは、主に「ノウハウの体系化」「プロセス・納品物の公開」「公開コンサルティング」の3つを活用しています。
擬似体験を作る上で重要なのが、ノウハウを体系化して見せることです。
多くの専門家は、知識や経験を持っています。しかし顧客からすると、その知識や経験がどのような価値を生み、どのような手順で成果につながるのかが見えません。そのため、いくら実力があっても価値が伝わらないのです。
そこで重要になるのが頭の中にあるノウハウを整理し、ひとつの商品として見せること。サービス名を付けたり、独自のステップやフレームワークとしてまとめたりすると、顧客は内容を理解しやすくなります。
すると、「この人は感覚で仕事をしているのではなく、再現可能な方法論を持っている」と認識されるようになります。

また、顧客が本当に求めているのは細かなノウハウではありません。まず知りたいのは、自分が今どこにいて、どこを目指し、どう進めばよいのかという全体像です。現在地から理想状態までの道筋が見えると、初めて個別のノウハウにも価値を感じられるようになります。
つまり重要なのはノウハウを公開することではなく、ノウハウを体系化し、誰でも理解できる地図として見せることです。
参加者はその地図を見ると、「この会社に相談したら、こういう流れで課題が解決されていくのか」と支援後のイメージを持てるようになります。これが擬似体験につながるのです。
無形商材は、サービス内容や実績を見せるだけでは十分に価値が伝わりません。
顧客が本当に知りたいのは、契約後に何をしてくれるのか、どのような流れで支援が進むのか、そして最終的に何が納品されるのかです。こうした部分は営業資料やサービスページだけでは伝わりにくく、多くの顧客が見えない不安を抱えています。
また、無形商材では「何をやってくれているのか分からない」という不安も生まれやすくなります。打ち合わせやアドバイスだけでは、価値が見えづらいためです。
支援の過程でどのような成果物が作られ、最終的に何が手元に残るのかを見せることが重要です。顧客は目に見える形で価値が積み上がっていくと、サービスへの理解や納得感を持ちやすくなります。

そこで有効なのが、サービスのプロセスや納品物を公開することです。支援の流れを図解する、実際の成果物サンプルを見せる、どのようなステップで成果につながるのかを説明すると、顧客は契約後の状態を具体的にイメージできるようになります。
つまりサービスを説明するのではなく、サービスを受ける体験を先に見せるということです。顧客はプロセスや納品物を見ると、「この会社に依頼するとこう進むのか」「自分もこういう支援を受けるのか」を頭の中でシミュレーションできるようになります。
さらに、「最終的に何が残るのか」まで見せると、支援の価値はより伝わりやすくなります。提案書、設計書、レポート、マニュアル、サイト、システムなど、形として残る成果物が明確になるほど、顧客は支払う対価に納得しやすくなるのです。
擬似体験を作る方法としてもっとも強力なのが、公開コンサルティングや質疑応答です。
ウェビナーでは質疑応答の時間になっても、なかなか質問が出ない場面も少なくありません。しかしこの時間、参加者は質問したくないわけではありません。多くの場合、「何を聞けば良いのか分からない状態」になっています。だからこそ、ウェビナーの冒頭で質疑応答の価値を伝えておくことが重要です。
例えば、「最後にお試しコンサルの時間として、先着5名までご質問を受け付けます。1人あたり3分程度でお答えしますので、ご自身の状況に当てはめながらご参加ください」と案内しておきます。
すると、参加者は「質問できるかもしれない」という前提でウェビナーを聞くようになります。その結果、「うちの場合はどうだろう」「この(特定の)課題について聞いてみたい」と考えながら参加するため、内容への理解や集中度も高まりやすいのです。
また、公開コンサルティングや質疑応答では、課題の整理の仕方、質問の切り口、仮説の立て方、改善案の考え方などがリアルタイムで見えます。
例えばウェビナー中に、以下のような質疑応答があったとします。

この一連の流れにおいて、質問者本人はもちろん、同じような悩みを持つ参加者も、「任せられないのは部下の能力の問題だと思っていた」 「権限設計という視点で考えれば良いのか」 「こういう切り口で課題を整理してくれるのか」と、支援の進め方を具体的にイメージできるようになります。
つまり、質疑応答は単なる質問タイムではありません。支援そのものを体験してもらう場です。
有効商談につなげたいのであれば、質疑応答をウェビナーの最後のおまけではなく、擬似体験を生む重要なコンテンツとして設計することが重要です。
ウェビナーで有効商談を生み出すために重要なのは、単に情報を伝えることではありません。支援を擬似体験してもらうことです。
自分ごと化できること、支援後の未来が見えること、再現性が見えること、感情移入できること。これらが揃うことで、参加者は「この会社に相談したらどうなるのか」を具体的にイメージしやすくなります。
ノウハウの体系化、プロセスや納品物の公開、公開コンサルティングや質疑応答などを通じて、支援そのものを体験できる設計が重要です。
ウェビナーから商談につながらない場合は「何を話すか」ではなく、「どのように擬似体験をしてもらうか」という視点で見直してみてはいかがでしょうか。そうすれば、有効商談につながる確率は大きく変わるはずです。
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