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ブランディングを加速させる「タグライン」の作り方!6つのステップで徹底解説【事例あり】

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プラスシーブイ株式会社より寄稿いただいた内容を掲載しています。

「自社の強みをうまく言語化できない」

「競合他社との違いを、ひと言で伝えられたらいいのに」

そんな悩みを抱えるマーケターや経営者の方は多いのではないでしょうか。

日常にコンテンツがあふれる今、生活者や顧客の印象に残るのは、具体的で論理的な説明よりも「たった一言」が持つ力。そう思わされる場面も少なくありません。企業やブランドの本質をぎゅっと凝縮した言葉、それが「タグライン」です。

本記事では、タグラインの役割や重要性を整理したうえで、実際の現場で実践している制作フローとノウハウを公開します。タグラインの制作を検討している方や、自社のブランドを言語化することに課題を感じている方の参考になれば幸いです。

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ブランディングにおける「タグライン」の役割とは

タグライン(tagline)とは、企業やブランドの価値・姿勢・世界観を端的に表現したフレーズのことです。キャッチコピーと混同されることもありますが、両者には明確な違いがあります。

キャッチコピーは特定の商品・サービスや広告キャンペーンなどに紐付いた「一時的な言葉」であるのに対し、タグラインは企業やブランドの「普遍的なメッセージ」として長期にわたって使い続けることを前提としています。より詳細な違いについては、「タグラインとスローガン・キャッチコピーの違い」で後述します。

企業の名刺やWebサイトのトップページに掲げられている「○○をもっと自由に」や「人と、未来を、動かす。」といった言葉がタグラインにあたります。ロゴの上下左右に添えられることが多く、ブランドの顔とも言える存在です。なお、タグラインのことを「ブランドメッセージ」と呼ぶ企業もあります。

ブランディングの観点からタグラインが重要視される3つの理由

ブランディングにおいてタグラインが重要視される理由は、大きく3つあります。

1. ブランドの本質を瞬時に伝えられる

企業の理念や強みを詳細に説明するには、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)やブランドブックが有効です。しかし、初めて接触する顧客やユーザー、生活者に対して、複数ページにわたる説明を読んでもらえる機会はほとんどありません。

タグラインは、その一言だけで「この企業は何者か」「何を大切にしているか」を直感的に伝えることができます。

2. ブランドの一貫性を担保する

企業がメッセージを発信するデバイスは、広告・Webサイト・SNS・営業資料・採用ページなど多岐にわたります。これらのコミュニケーションに一貫したトーンや世界観を持たせるには、根幹となる「言葉の拠り所」が必要です。

タグラインはその役割を担い、社内外のすべてのコミュニケーションに統一感をもたらします。

3. 社内への浸透・共通言語としての役割

タグラインはインナーブランディングの観点でも重要です。従業員が自社のブランド価値を理解し、日々の仕事に活かすうえで、タグラインは指針となります。

「この判断はタグラインに沿っているか」と問いかけることで、組織としての行動に一貫性が生まれます。

タグラインとスローガン・キャッチコピーの違い

タグラインに似た言葉として「スローガン」「キャッチコピー」が挙げられます。それぞれの違いを整理しておきましょう。

用語対象目的・性質
タグライン企業・ブランド全体長期的・普遍的なブランドメッセージ
スローガン企業・団体・キャンペーン行動指針や意志を示す言葉※比較的変更されやすい
キャッチコピー特定の商品・広告購買促進など短期的な訴求を目的とした言葉

厳密な定義はケースによって異なりますが、一般的には上記のように使い分けられます。タグラインをベースとして、スローガンやキャッチコピーが派生する——。そのような階層構造を意識することで、ブランドコミュニケーション全体の設計がしやすくなります。

プラスシーブイが手がけたタグライン【実例公開】

ここでは、実際に当社がこれまでに手がけたタグラインを紹介します。

事例1. 株式会社 中谷本舗/ゐざさ(奈良県・食品製造業)

つつむ、つなぐ、こころ

大正10年に創業された、奈良県にある柿の葉寿司メーカーである株式会社中谷本舗のタグラインです。

柿の葉寿司の製造工程でもある包む動作を起点とし、ギフトニーズをふまえて大切な人に贈る気持ちを表現。同時に、伝統食品である柿の葉寿司を次世代につないでいきたいというブランドの想いも込めています。

「ゐざさ」というブランド名には柿の葉寿司の要素が含まれていないため、商品の特徴と企業が届けたいメッセージを融合させることに配慮して仕上げています。

事例2. 広川グループ/広川 株式会社(広島県・総合商社)

HAPPYをエール。

こちらは安政4年(1857年) 創業、複数事業を手がける総合商社のグループ会社である広川株式会社のタグラインです。

食品からエネルギーまで幅広い事業会社を抱えるグループ会社。提供するサービスの共通項として生活を支えるインフラ事業を見出し、地元広島で暮らす地域のみなさまの幸せをお手伝いするという企業姿勢を込めています。

「HAPPY」は英語表記ですが、はじめは「幸せ」を検討していました。カタカナ表記で「ハッピー」も検討しましたが、「エール」は最初からカタカナ表記にしようと決めていたことや、カジュアルダウンし過ぎること、文字バランスが悪さなどから英語の「HAPPY」となったのです。このように、漢字・カタカナ・平仮名・英語の文字デザインにおけるバランスをとることも重要だと考えます。

心に刺さるタグライン制作のフローとノウハウ

タグラインは、「感性」や「センス」だけで生み出せるものではありません。実際の現場では、リサーチ・分析・言語化・検証という一連のプロセスを経て制作しています。

ここでは、当社が実践しているタグライン制作の流れを公開します。

STEP1. ブランドの「核」を明確にする

タグライン制作においてもっとも重要なのは、言葉を考える前の段階——ブランドの本質を深く理解することです。具体的には以下のような問いを、関係者へのヒアリングやワークショップを通じて深掘りします。

  • 自社(ブランド)が本当に大切にしていることは何か
  • 競合と比べたときに、自社だけが提供できる価値は何か
  • 顧客はなぜ自社を選ぶのか、どんな言葉でブランドを表現しているか
  • 10年後も変わらずに伝えたいメッセージは何か

この段階を省略してしまうと、「聞こえはいいが、自社らしくない言葉」が生まれやすくなります。タグラインはいわばブランドの「本音」を言語化したものです。まずは徹底的に内側を掘り下げることから始めましょう。

STEP2. 競合分析と差別化軸の特定

ブランドの核が見えてきたら、次は外部視点での分析を行います。競合他社がどのようなタグラインやブランドメッセージを発信しているかをリサーチし、自社の立ち位置と差別化のポイントを明確にします。

「同じ業界の企業が同じような言葉を使っていないか」「自社のメッセージが埋もれていないか」を確認することで、独自のポジションを打ち出すためのヒントが見えてきます。

注意点として、差別化を意識するあまり「奇をてらった言葉」になってしまうのは避けるべきです。あくまでも自社の本質に根ざしつつ、競合と明確に差別化できる言葉を目指します。

STEP3. ターゲットインサイトを言語化する

タグラインは企業が伝えたいメッセージであると同時に、ターゲットが「自分事」として受け取れる言葉でなければなりません。

そのために、ターゲット像(ペルソナ)の深層心理、すなわちインサイトの言語化を行います。ターゲットが抱えている課題・不安・期待・価値観を具体的な言葉に落とし込むことで、どんなメッセージが響くかという仮説を立てやすくなります。

「誰に届けたいか」が明確になれば、言葉のトーン・表現のレベル感・使うべきキーワードが自然と絞られていきます。

STEP4. 言葉の選択肢を広げる(発散フェーズ)

ブランドの本質・差別化軸・ターゲットインサイトが揃ったら、いよいよ言葉を生み出すフェーズに入ります。

このステップでは「正解を求めない」ことが重要です。制約を外して、考え得る限りの言葉・フレーズを列挙していきます。10案でも20案でも、良し悪しを問わずに書き出すことで、意外な表現の組み合わせや発見が生まれます。

言葉を生み出す際には、以下のような視点を持つと効果的です。

  • 動詞で表現する:「○○する会社」ではなく「○○を動かす」など、躍動感のある言葉になりやすい
  • ターゲットの言葉を借りる:専門用語より、顧客自身が普段使う言葉のほうが共感を生みやすい
  • あえて逆説を使う:一般的な「常識」を裏切る表現は、印象に残りやすい
  • 音・リズムを意識する:声に出して読んだときの心地よさも、記憶への定着に影響する

STEP5. 絞り込みと磨き込み(収束フェーズ)

発散フェーズで出てきた案を整理・評価し、有力なものに絞り込みます。評価の際には、以下の基準を軸に検討するとよいでしょう。

  • ブランドの本質を正しく反映しているか
  • ターゲットに共感・共鳴されるか
  • 競合と明確に差別化されているか
  • 長期的に使い続けられる普遍性があるか
  • 社内のステークホルダーが腹落ちできるか

候補を3〜5案程度に絞り込んだら、各案のニュアンスや言葉が持つ余白・解釈の広がりについて関係者で議論を重ねます。「一番分かりやすい言葉」が必ずしもタグラインとして優れているわけではありません。「考えさせる余地」「想像が広がる余白」を持った言葉が、長期的にブランドを支えるケースも多くあります。

STEP6. 検証とブラッシュアップ

候補案が固まったら、実際にターゲット層へのヒアリングや定量調査(アンケートなど)を通じて、「言葉の受け取られ方」を検証することを推奨します。

「つくった側が込めた意図」と「受け取る側の印象」にズレがないかを確認することで、より精度の高いタグラインに仕上げられます。また、検証のなかで「惜しい」と感じたフレーズは、修正・組み合わせを重ねるプロセスにより一層磨かれていきます。

まとめ

タグラインは、ブランドの価値を言語化し、すべてのコミュニケーションに一貫性をもたらす重要な要素です。本記事では、タグラインの役割と重要性、そして私たちプラスシーブイ株式会社が実践している制作フローをご紹介しました。

制作プロセスを通じて一貫して重要なのは、「言葉を考える前に、ブランドの本質と向き合う時間を十分に持つ」ことです。焦らずに内側を掘り下げ、競合との差別化を見据えながら、ターゲットに届く言葉を丁寧に育てていく——。そのプロセス自体が、ブランドの強化につながります。

自社のタグラインをゼロから考えたい方も、既存のタグラインを見直したい方も、まずは「自社が本当に大切にしていること」を言語化するところから始めてみてください。

プラスシーブイ株式会社では、タグライン制作をはじめとするブランドコミュニケーションの設計を支援しています。ブランドの言語化に課題を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。

Hirokazu Yokomizo

執筆者

プラスシーブイ株式会社 代表取締役

Hirokazu Yokomizo

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ブランディングテクノロジー株式会社にてライターとして8年間従事。企業のインナーブランディングなどにも携わる。2020年に独立し、プラスシーブイ株式会社を設立。現在は一般社団法人ブランド・プランナー協会の講師や、船橋商工会議所 情報化推進委員会の副委員長を務めるなど、多方面で中小企業の価値向上を支援している。近年は生成AIの利活用にも精通。AIに触れるなか「人間とは何か?」を探求し、仏教も勉強中。

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