Webが普及し、新たな技術が進歩している今日この頃。そんな中、「Webマーケティング」や「デジタルマーケティング」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
しかし、これらの言葉が、具体的にどのような定義をされているか、はっきりわかる人は少ないでしょう。そこで今回は、Webマーケティングとデジタルマーケティングの違いについてお話ししたいと思います。
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Webマーケティングやデジタルマーケティングのお話しをする前に、「マーケティング」について説明したいと思います。皆さんは、「マーケティング」という言葉を聞いてどのようなイメージを持ちますか?
市場調査や広告・宣伝活動といったイメージをお持ちの方も多いでしょう。
実は、マーケティングに明確な定義はありません。そのため、人や企業によってさまざまな解釈があります。たとえば、日本マーケティング協会は、マーケティングについて以下のように定義しています。
「マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。」
(参照:https://www.jma2-jp.org/jma/aboutjma/jmaorganization)
また、現代マーケティングの第一人者として知られているアメリカの経済学者フィリップ・コトラーは以下のように定義しています。
Marketing is the science and art of exploring, creating, and delivering value to satisfy the needs of a target market at a profit. Marketing identifies unfulfilled needs and desires. It defines, measures and quantifies the size of the identified market and the profit potential. It pinpoints which segments the company is capable of serving best and it designs and promotes the appropriate products and services.
「マーケティングとは、ターゲット市場のニーズを満たせるかを調査し、その価値を生み出し、それを顧客に届け、利益をあげることを意味する。満たされていないニーズや欲求を明らかにすることもある。特定された市場や利益になる可能性の規模を定義し、評価し、定量化する役割も持つ。また、企業が一番役に立てる領域を正確に示し、適切な商品やサービスを設計、販売促進につなげる」※マーケターAsami訳
(参照:http://www.kotlermarketing.com/phil_questions.shtml#answer3)
ちなみに私なりに考えたマーケティングの定義は、「企業の商品・サービス等の認知、購入、さらにはファンになってもらうまで至る道のりを作っていく(導いていく)ための活動全般」というものです。
それでは、Webマーケティングについてご説明しましょう。Webマーケティングとは、簡単に言えば「Web上で行うマーケティング手法のこと」を指します。
具体的なWebマーケティングには、以下のような施策が挙げられます。
・自社サイトを含むオウンドメディアを運用したり、それらのメディアにおけるコンテンツを充実させ、SEO対策を行ったりすること。また、ユーザーに流入してもらうためリスティング広告などのネット広告を運用することも含む。
・ユーザーに流入してもらったあと、どのような経路でCV(コンバージョン)につなげか、サイトの回遊や動線を考えること。
・流入してもらったユーザーに対して、CVまで導くためにリードナーチャリングを行うこと。そして、そのためにコンテンツを追加すること。
・ユーザーが流入してCVまで至った経緯を、分析・効果測定するためアクセスを解析すること。
次にデジタルマーケティングについてご説明します。まずは、「デジタルマーケティングとWebマーケティングは何が違うのか」という点を理解しましょう。
デジタルマーケティングは、Webだけでなく、SNS、Eメール、アプリケーションなどを活用して進めるマーケティング手法です。一般的にWebマーケティングより広義な意味としてとらえられています。
具体的なデジタルマーケティングには、以下のような施策が挙げられます。
・FacebookやTwitterなどのSNSを活用して、認知拡大・売上獲得・ファンを獲得すること。
・Eメールマーケティングを行うこと。
・スマートフォンやタブレット端末などを使い、アプリケーションを活用すること。
・これらの施策で集まった情報のデータ分析。
・IoTの活用。
簡単に図で表現すると下記のようになります。
この図からも、Webマーケティングがデジタルマーケティングの一部であることがおわかりいただけるでしょう。Webマーケティングは、Web上でのみ行うマーケティング手法なのに対して、デジタルマーケティングはさまざまなデジタルチャネルを駆使して進めるマーケティング手法です。
またデジタルマーケティングでは、アプリケーションを使い実店舗でポイントカードを取得することなどが可能。このように、オフライン・オンライン関係なく活用できるマーケティング手法であることも、特徴のひとつです。
本日は、Webマーケティングとデジタルマーケティングの定義に関してご紹介しました。さらにこれから、さまざまなサービス・チャネル・デバイスなどが開発され世に出てくるかと思います。これにより、さらにデジタルマーケティングの幅が広がり進化し続けていくと予想されるでしょう。
そうした中、Webマーケティングとデジタルマーケティングの違いがわかれば、自社が今後行っていくべき施策を導き出すのに役立つかもしれません。
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