コンテンツマーケティングに力を入れる上で、キラーコンテンツになり得るインタビュー記事や動画の存在は欠かせません。
昨今では、ZoomやGoogle Meetなどのビデオ通話ツールが普及したことや、新型コロナウイルス感染症の流行が後押しとなり、これまで当たり前だった対面取材に代わって「オンラインインタビュー」が急速に広まりました。インターネットを通じて非対面で実施できるオンラインインタビューは、時間や場所に制約がないというメリットがある一方、通信障害や機材トラブルが起こりやすいなどオンラインならではのデメリットも存在します。
本記事では、オンラインインタビューのメリット・デメリットや事前準備のポインポイント、当日の注意点、おすすめのツールなどについて紹介します。オンラインインタビューを実施する際は、ぜひ参考にしてみてください。
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オンラインインタビューの特性として、時間や場所を問わずに実施できることが挙げられます。まずは、オンラインならではの3つのメリットを見ていきましょう。
オンラインインタビューは対象者の居住地に関係なく実施できるため、対面ではアプローチできなかった対象者にもインタビューが可能です。
例えば、地方や海外を拠点としていたり、子育てなどの関係で移動が困難だったりする対象者でも都合に応じて場所や時間帯を選べるため、インタビュー実現までのハードルは下がるでしょう。
対面で取材を行う場合は対象者への謝礼金だけでなく、会場費用や移動費用などが別途必要になります。
一方、オンラインインタビューでは会場費用や移動費用などが一切発生しないため、対面取材と比べてコストを抑えることが可能です。
対象者は自宅など慣れた環境から参加できることから、比較的リラックスした状態でインタビューを受けてもらいやすいというメリットも。よりプライベートな話が聞けたり、率直な意見を引き出せたりするため、本音で話してもらいやすくなります。
先述のとおり、オンラインインタビューは実施のハードルを低くする上で効果的な方法ですが、デメリットも存在します。
オンラインインタビューでは、インターネット環境が不安定で接続できない、マイクやカメラなどのツールが正常に機能せず音声や映像が取材中に途切れてしまう、といったトラブルが起こり得ます。
対象者側の不具合であれば直接フォローをして解決することもできないため、実施が難しくなるでしょう。
パソコンやスマホの画面を通したオンライン上でのコミュニケーションでは、対象者の表情やトーンの変化などの非言語情報を読み取りにくいというデメリットがあります。
また、タイムラグによって会話のテンポが乱れたり、その場の雰囲気が伝わりにくかったりするため、ファシリテーションにおいて対面時よりも細やかな配慮が必要になります。
グループダイナミクスとは、集団における個人の相互作用や影響力関係のことを指し、これが生まれることで活発な意見交換が期待できます。
しかし、3人以上でオンラインインタビューを行う場合は、相手の表情や会話のテンポ感を互いにつかみにくくなるため、グループダイナミクスの効果が出にくいと考えられます。
オンラインインタビューの手順は、対面取材と同じ流れが基本です。ただし、オンラインで実施する際には、対面取材のときの事前準備に加えて以下のような準備を実施しましょう。
インタビューの手順は以下で解説しています。 インタビューのコツを目的別に紹介!事前準備から記事公開までの手順とポイントも知ろう インタビューで意識したいポイントについては、以下の記事で段階別に詳しく解説しています。 インタビュー記事で競合と差別化を図ろう!制作で意識したいポイントを分かりやすく解説 インタビュー動画の制作を検討している場合は、以下の記事もご覧ください。 インタビュー動画の作り方が知りたい!販促やブランディングにつなげるコツとは |
対象者へのアポ取りができたら、インタビューの日時を確定させます。複数候補日を挙げた上で、対象者の希望を聞いて調整しましょう。たとえオンラインであっても、インタビュー対象者に貴重な時間と労力を提供してもらっていることを忘れず、相手に負担をかけないよう心がけてください。
日程の確定後は日時や所要時間に加えて、以下の情報を対象者にあらかじめ通知しておく必要があります。
オンラインインタビューでは、使用予定のツールとインタビュー用のURLの共有が欠かせません。これらを事前に共有しておくことで、対象者側でも動作の確認などができ、当日のアクシデント予防につながります。
対象者がインタビューに不慣れな場合は、とっさに返答できないことも。
対面取材にも共通しますが、あらかじめ質問項目を共有しておけば対象者はインタビュー当日までにある程度回答を準備できるため、安心してインタビューに挑めます。当日に話を深掘りできれば、質の高いインタビューの実現にもつながります。
合わせて、香盤表も共有しておきましょう。インタビュー対象者や、取材に同席するライター(インタビュアー)が当日の流れをイメージしやすくなります。
対象者に事前にインタビュー環境の確認をしてもらうことは大切ですが、インタビュアー側も不測の事態を招かないよう接続テストやリハーサルを行っておくと安心です。
インタビューに適した環境を整備するために、以下の3つのポイントを確認しておきましょう。
自宅でオンラインインタビューを実施する場合は、双方が集中してインタビューできる環境を整える必要があります。極力余計なものが写り込まない場所を選びましょう。「背景に何もない場所」がベストですが、難しい場合はツール内のバーチャル背景(壁紙)を活用しましょう。
また、対象者のプライバシーを守るため、同居人がいる場合は別の個室で実施することをおすすめします。リビングなどで行う場合は、「〇時~〇時までオンラインインタビューを行うので、この部屋に入らないでほしい」とあらかじめ伝えておきましょう。
オフィスでオンラインインタビューを実施する場合も、会議室を予約しておくなど、静かで落ち着いた環境を確保するようにしてください。カフェなどの公共スペースでの実施は、個人情報や機密情報の漏洩を招く恐れがあるため控えたほうが無難です。
オンラインインタビューにはカメラのほか、スピーカーとマイクが必須です。多くのPCには基本機能としてマイクとスピーカーが内蔵されており、別途用意する必要がない場合もありますが、念のため確認しておくことをおすすめします。また、スピーカーで相手の声が聞き取りにくい時は、ヘッドセットを使うと音声をよりクリアに拾うことができます。
なお、新しい機器を取り入れる際は、問題なく使用できるか前日までにきちんと確かめておきましょう。とくにBluetoothで接続するタイプはPCとの接続に時間を要することもあるため、早めに試しておくと安心です。
Skypeには、マイクとスピーカーが正常に作動しているかを自分の声でチェックできる「Sound Test Service」という機能があります。Skype以外のツールを使ってインタビューする場合にも有用なので、接続テストの際に活用してみてください。
ネットワーク環境が悪い場所でのオンラインインタビューは、音声や映像が途切れがちになり、円滑なコミュニケーションの妨げになります。事前に通信状況を確認し、必要に応じて有線LANでインターネットにつなげるようにしましょう。
オンラインインタビューに使用できるツールにはZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsなどさまざまなものがあります。あらかじめ対象者にどのツールを使い慣れているかを確認し、相手に合わせる配慮をしましょう。もし自分が使用したことのないツールであれば、事前に使い方を調べ、テストして操作に慣れておくことをおすすめします。
インタビューに使用できるおすすめのツールは「オンラインインタビューで使えるツール」の章でご紹介します。
対象者がオンラインインタビューやオンライン会議を経験したことがない場合は、ツールの操作方法を解説しているWebページのURLを送り、事前に確認してもらうと効率的です。
インタビューの参加者が、複数人で同じ個室や近くに集まって実施する場合は音声に注意が必要です。
オンラインインタビューで起こりやすい音声トラブルとして、「ハウリング」と呼ばれる現象があります。「ハウリング」とは、マイクに入力した声がスピーカーから出力される際に、再びマイクがその音を拾ってしまうループ現象のこと。その結果、マイクに雑音が起こり、「キーン」といった不快な金属音が発生します。
また、各自ヘッドセットを付けている場合でも、ヘッドセットのマイクに向けて出した声が近くにいる人のマイクに拾われてハウリングが起こるケースもあります。
そのため、インタビュアーまたは対象者が複数の場合は、一か所に集まらず各自別の部屋で参加するようにしましょう。また、複数人の音声を拾える外付けの「集音マイク」を使用するのも手です。
オンラインインタビュー当日のマナーについて解説します。
インタビュー当日が対象者と初対面となる場合も多いため、まずは挨拶を兼ねてインタビュアーから自己紹介をしましょう。名前や所属をはっきりと名乗ることで対象者は安心でき、場の雰囲気を和ませることにもつながります。
また、この時インタビューの目的・所要時間についてもあらためて共有しておくとスムーズです。
オンライン会議ツールでは、通常カメラ機能のオン・オフを切り替えることができますが、オンラインインタビューの際は「カメラオン」の状態で、互いの顔を映して実施するようにしましょう。
先述したとおり、オンラインインタビューは対面と比べて表情の変化を読み取ることが難しく、会話のテンポや表現のニュアンスが伝わりにくくなります。互いの表情が確認できることで会話が円滑になるほか、信頼関係の構築にも大きく影響します。
インタビュー対象者には、ある程度自由な服装で参加してもらっても問題ないでしょう。ただし、インタビュアー側は自宅からの参加であっても、著しく礼節に欠ける服装でインタビューに臨むのはNGです。
スーツほどかっちりする必要はありませんが、襟付きシャツやジャケットなど、ビジネスシーン向けの服装を意識しましょう。また、寝ぐせやヒゲなど清潔感に注意し、身だしなみを整えてください。
オンライン、オフラインに関係なく、レコーダーによる内容の記録や撮影を行う際は事前に対象者に承諾を得るのがマナーです。配慮として、インタビュー開始前に録音・録画する旨を伝えておきましょう。
インタビュー記事では、インタビュー中の対象者を撮影して記事内に使用するのが一般的です。写真は、文章だけでは伝えきれないインタビュー対象者の魅力を伝えられるほか、記事の信ぴょう性を高め、読みやすくすることで情報伝達をスムーズにします。
しかし、オンラインインタビューの場合は対面での撮影ができず、写真の入手が容易ではありません。そんなときは、以下の2つの方法を検討してみてください。
対象者が企業に属していたり、公の場で活動することが多かったりする場合は、宣材写真を持っている場合があります。「対面で別途撮影する時間がない」「対象者が遠方にいて写真撮影が困難」というケースでは、対象者に宣材写真の有無を確認し、持っている場合はぜひ提供してもらいましょう。
写真の雰囲気やアングルに希望があったり、手持ちの素材が乏しかったりする場合には、対象者側で後日撮影してもらうよう依頼しましょう。ただし、写真撮影は対象者やその協力者にとって負担になることもあるため、想定している写真イメージと必要な枚数を詳しく伝えるようにしてください。また、写真撮影のみ外注するという選択肢もあります。
もしインタビュー風景のような写真を撮影してもらうことが難しい場合は、コンテンツ内で紹介する商品や、対象者の仕事道具などのアイテムにフォーカスを当てた写真を撮影・提供してもらうのもおすすめです。
オンラインインタビューは、オンライン会議サービスやチャットツール、コミュニケーションツールなどさまざまなサービス・ツールを使って実施できます。ここでは、無料で使用できるおすすめのツールを5つ紹介します。
多くの企業で導入されている、テレビ会議ツールの代表格が「Zoom」です。ミーティングのホストとなる場合はアカウントを保有しておく必要がありますが、参加者側はアカウントなしでもミーティングに参加できます。画面共有や録音・録画も可能なため、オンラインインタビュー初心者でも使いやすいツールのひとつです。
Zoomを使用するには、まずホストが会議用のURLを発行する必要があります。事前にインタビュー対象者に共有しておき、開始時刻になったらURLからアクセスしてもらうことでスタートできます。ただし、無料版だと「40分」の時間制限があり、延長の場合は40分ごとにミーティングを開き直す必要がある点には注意しましょう。
「Google Meet」はブラウザ上で利用できるWeb会議ツールで、グーグルアカウントを持っている場合におすすめのツールです。時間制限はなく、100人までの会議であれば無料で利用できます。画面共有や録音・録画も可能なので、オンラインインタビューにも多く利用されています。
また、GoogleカレンダーやGmailなど、ほかのGoogleサービスと連携できるため、対象者との日程調整やインタビューURLの共有にも便利です。
マイクロソフトが提供する「Microsoft Teams」では、マイクロソフトアカウントを保有していればチャット機能やビデオ通話機能を利用できます。
画面共有や録音・録画ができることに加え、メモ機能を搭載しているので、インタビュー中に気になった内容をまとめておくことも可能。法人向けTeamsであれば最大1,000人規模のビデオ会議が可能なため、人数制限が気になるケースの利用でも便利です。
ビジネスチャットツール「ChatWork」では、ChatWork Liveを利用することで映像と音声を使って通話することができます。無料アカウントの場合は1対1のビデオ通話のみ実施でき、画面共有も可能です。ただし、録音・録画には対応していないため、インタビューの内容を記録したい方には不向きかもしれません。
ChatWork Liveの操作自体は簡単ですが、オンラインインタビュー前に双方があらかじめアカウントを取得し、チャットワーク内でつながっておく必要があります。そのため、ChatWorkの機能に慣れておかなければならず、事前の操作・接続確認が必要になる場合もあります。
「BIZMEE」はブラウザで完結する無料のWeb会議サービスです。アプリケーションのインストールや会員登録が不要で、Web上に会議室を作成し、そのURLを発行・共有するだけですぐにミーティングを開始できます。人数制限はなく、画面共有など必要最低限の機能は揃っているので気軽に使用できます。ただしChatWork Live同様、録音・録画はできないため注意しましょう。
オンラインインタビューなら、Web会議システムを使って時間と場所に縛られることなく遠方の対象者にもアプローチできます。コンテンツマーケティングにおいてかなり有用な手段ではありますが、便利な分、ネット環境や対象者のITリテラシーに左右されるところも大きく、事前準備を徹底しておかないと思うような成果を得られないことも。
株式会社ファングリーでは、これまでに培った取材事例やオンラインインタビューのノウハウを活かして、企業様に代わりオンラインインタビューの代行を承っています。業界・業種に合わせたインタビュアーのアサインから、テーマ・コンセプト策定、取材対応、記事制作まで一貫してご支援いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
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執筆者
コンテンツディレクター/ライター
MIHO SHIMMORI
2023年ファングリーに入社。以前はWebマーケティング会社で約2年半コンテンツマーケティングに携わり、不動産投資メディアの編集長を務める。SEOライティングが得意。ほかにも士業関連や政治など複数メディア運営の経験あり。Z世代の端くれ。趣味はサウナと競馬と街歩き。
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