「SEOを意識せずに記事を公開してしまった」「SEOが分からず何となく記事を作ってしまった」という方も多いのではないでしょうか。
記事コンテンツを使ってサイトへの流入(PV数やセッション数)増加やSEOによる検索上位表示を図りたい場合、大きく「新規記事の制作」「既存記事のリライト」というふたつの選択肢があります。本記事では、それぞれの作業内容について詳しく解説します。
また、オウンドメディア運用において新規記事の制作とリライト、どちらを優先すれば良いかを判断する基準についても紹介します。
Table of Contents
リライトとは、すでに公開されている記事に手を加えることです。リライトの目的はさまざまですが、一般的には以下のようなものが挙げられます。
目的 | 内容 |
---|---|
検索順位を上げるため | Googleのアルゴリズムや対策キーワードの競争状況の変化に応じて、記事を最適化する |
情報を最新化するため | ユーザーに新しい情報を提供するため、古い情報や過去のデータを更新する |
読みやすさを上げるため | ユーザーが読みやすく理解しやすい記事にするため、構成を見直し表現を調整する。また、必要な情報を追加したり不要な情報を削除したりする |
ターゲットを見直すため | 記事のターゲットが変わった場合や、これまでと異なるユーザーに向けて記事を調整する場合にリライトを行う |
上記の目的に共通するのは、SEOです。Googleでは、定期的にアルゴリズムのアップデートが行われます。アップデートによっては検索結果に表示されるアルゴリズムが大幅に変わり、検索順位に影響が出るケースも。とくにお金、幸福、健康、経済といったユーザーにとって重要かつ影響力が大きい「YMYL」に該当する分野のコンテンツは、アップデートの影響を受けやすい傾向にあります。
YMYLコンテンツは、経験・専門性・権威性・信頼性といった「E-E-A-T」が高いほどGoogleから高評価を得やすい傾向にあり、検索結果の上位に表示されやすくなります。
そのため、リライトでSEOの効果を出すためには「単に対策キーワードを追加する」「文字数を増やす」などといった小手先のテクニックだけでなく、「ターゲットが知りたい情報を満たしているかどうか」といった内容部分についての検討も重要となるのです。
リライトは既存記事に手を加える作業ですが、新規記事制作はその名のとおりゼロから新しい記事を作ることです。
新規記事制作の場合は、元記事がない状態から対策キーワードやターゲット、ユーザーニーズの検討や競合調査を実施し、記事構成案も最初から作る必要があります。リライトの場合はすでにある記事をベースに作業することになるため、作業の負担という観点ではリライトのほうが軽い印象があるかもしれません。
ただし、リライトする記事によっては対策キーワードやターゲット、ユーザーニーズの検討や競合調査などを新規記事制作と同様に最初から着手する必要があります。よって、一概に「リライトのほうが作業負担は少ない」とは言えません。
リライトには、大きく次の2種類があります。
以下で詳しく説明していきます。
新規記事作成とは異なり、すでに公開されている記事に手を加えるのがリライトです。リライトには、「簡易リライト」と「通常リライト」の2種類があります。
簡易リライトとは、簡易的に既存記事を調整する作業のことです。通常リライトは既存記事の書き換えを中心に、必要に応じて構成から見直します。簡易リライトに比べて、通常リライトのほうが時間がかかるのが一般的です。通常リライトでは、簡易リライト作業もあわせて実施するケースもあります。
以下では、2つのリライトの具体的な作業内容について解説します。
簡易リライトの作業内容は、以下のとおりです。
コンテンツのタイトルはユーザーが最初に認識する情報です。ユーザーが思わずクリックしたくなるタイトルを設定します。具体的には、「記事の内容が伝わるワードが入っているか」「コンテンツを読む価値や具体的な数字などが入っているか」などを意識すると良いでしょう。
タイトルに文字数制限はありませんが、長すぎるとユーザーの読みたい意欲が低下してしまい、逆に短すぎても記事内容が分かりにくくGoogleから評価されづらいと考えられます。検索結果に表示されるタイトルは最大35文字程度であることが多いため(それ以上はすべて表示されず「…」で省略される)、ここでは35文字程度を推奨しています。
見出しを考える際には、「必要なコンテンツが網羅・整理・適切な順序で提示されているか」を意識することでSEOに効果的な構成となるでしょう。
リード文については読者に記事を読み進めてもらったり、読者の興味を惹きつけて離脱を防いだりするためにも、以下のような流れで調整しましょう。
メタディスクリプションは記事を要約した文章のことで、設定すれば検索結果にその文章が表示されます。メインキーワードを含めるだけでなく、Googleに記事の内容を効率良く伝えることが重要です。 ディスクリプションの目安となる文字数は、80~110文字程度と考えておくと良いでしょう。
アイキャッチ画像は、読者の目を引きつける役目を持ち、クリックを促します。アイキャッチ画像は、記事の内容に合ったものを設定するとSEOの観点でも効果的です。
altタグとは、画像の代替テキストのことです。何らかの原因で記事内の画像が表示されない場合、altタグは画像の代替手段として用いられます。altタグには、画像の具体的な内容を伝える情報を記載しましょう。
リライト対象記事に関連するほかの記事がある場合は、その記事への内部リンクを設置します。
内部リンクの設置によってメディア内の回遊率が高まったり、記事同士の情報の網羅性を評価されやすくなったりするため、SEOにも有効です。
簡易リライトの一連の作業が終わったら記事を更新し、更新日も最新に設定しましょう。投稿日が古すぎる記事があったら、投稿日自体を最新日に設定し直すだけでもSEOの効果があります。
更新が完了したら、Google Search Consoleを使ってインデックス登録をしましょう。
通常リライトでは、以下のような作業を実施します。
まずは既存記事の構成を見直します。とくに既存記事の執筆時に対策キーワード・ターゲット設定や競合調査などの「SEOの要件設計」をしていなかった場合には、合わせて実施しましょう。
あらためてSEOの要件設計をすることによって現在のニーズを把握でき、元の構成からどこを修正すれば良いかが分かりやすくなります。
構成の見直しが終わったら、本文を書き換えます。本文の書き換えは、具体的に誤字・脱字や不自然な表現などを調整する「校正」と、新しいデータや情報などを追加する「情報更新・追加」といった2つの観点で行います。
本文を書き換えたら、書いた内容が正しいかを確かめる校閲(ファクトチェック)と、他記事と表現が一致(もしくは類似)していないかを確かめるコピペチェックを実施します。
簡易リライトのときと同様、通常リライトの一連の作業が完了したら記事を更新し、更新日(または投稿日)を最新に変更した上、インデックス登録を実施しましょう。
新規記事制作と既存記事のリライト、実際にはどちらを優先すれば良いのでしょうか。
すでに説明したように、とくにYMYLコンテンツでは「E-E-A-T」が高いほどGoogleが高く評価しやすい傾向にあります。そのため、すでにYMYLに該当する記事をある程度(例えば50本以上)公開しているなら、新規記事制作よりも優先的にこれらの記事のリライトに着手することをおすすめします。また、既存記事の作成時にSEOを意識していなかったという場合も、リライトを優先すると良いでしょう。
既存記事に手を入れないまま新規記事制作を進めてしまうと、既存記事と似ている記事を作ってしまうリスクが高くなり、カニバリゼーション(※)によってGoogleからの評価が下がる恐れがあります。
※同一メディア内で同じキーワードの記事を複数作成した際に、それらの記事同士が競合となってしまうこと。簡潔にいうと「共食い状態」。Googleとしてもどの記事を評価すれば良いか判断できなくなり、SEOに悪影響となる
どの記事からリライトに着手すれば良いかといった優先度の付け方については、対策キーワードで検索したときの順位や、元記事の内容と競合ページの内容を比べたときの違いなどに着目して、適宜精査しましょう。
ゼロからコンテンツを作り出す新規記事制作とすでにある記事に手を加えるリライトは、同じ「記事コンテンツ作り」であっても性質が異なります。
すでに記事をある程度公開している場合、とくにYMYLコンテンツを多く発信している場合は、リライトを優先的に進めるのが良いでしょう。
以下のホワイトペーパーでは、リライトに関する次の情報を詳しくまとめています。
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執筆者
コンテンツディレクター/ライター
MIHO SHIMMORI
2023年ファングリーに入社。以前はWebマーケティング会社で約2年半コンテンツマーケティングに携わり、不動産投資メディアの編集長を務める。SEOライティングが得意。ほかにも士業関連や政治など複数メディア運営の経験あり。Z世代の端くれ。趣味はサウナと競馬と街歩き。
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