「マーケティング施策として記事を作ってはいるけど、自社サービスの申し込みや資料請求につながらない……」といった課題を抱えていませんか?
BtoBマーケティングにおいて売上を高めるために有効なマーケティング施策は、SEOだけではありません。つまり「期待する成果(申し込みや資料請求など)」に対して、「現在実行している施策」が適切ではない可能性があります。
そこで、本記事ではBtoBマーケティングに有効とされる代表的な手法を紹介します。また、その中でも問い合わせや資料請求といったコンバージョン(CV)の獲得が期待できる「事例取材記事」の制作フローを解説していますので、「CVの獲得を優先したい」という方はぜひ参考にしてみてください。
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商取引には、大きく「企業や組織」をターゲットとするBtoB(企業間取引)と、「一般消費者」をターゲットとするBtoCの2種類があります。
BtoB商材の例としては、企業や組織を運営するにあたって必要なITツールやコンサルティングサービスなどが挙げられます。対して、BtoC商材として挙げられるものには化粧品や衣料品、電化製品などがあります。
BtoBとBtoCの主な違いは、以下のとおりです。
BtoB | BtoC | |
---|---|---|
ターゲット | 企業や組織 | 個人(消費者) |
意思決定に関与する人 | 企業の担当者や決裁者など複数人 | 本人 |
意思決定までの思考 | 合理的 | 感情的 |
取引額の傾向 | 高額なものが多い | 少額なものが多い |
検討期間の傾向 | 中期~長期なものが多い | 短期なものが多い |
BtoBは、BtoCと比べて商材価格が高額な傾向にあることから、合理的に意思決定され、検討期間も長期化しやすい傾向にあります。これは、企業や組織といった大きなグループが商品やサービスを購入する(申し込む)ため意思決定者も複数人いることが多く、最終的に決定するまでに時間を要するからです。
前項で解説したような複雑な購入プロセスをたどるBtoBにおいては、「見込み顧客の心理を把握しながら顕在顧客に育てるためのマーケティング施策」を検討・実施する必要があります。
ここでは、BtoBマーケティングに有効な手法として以下の5つを紹介します。
SEOは「検索エンジン最適化」、つまり狙ったキーワードで検索エンジンに上位表示させることを意味します。SEOの具体的な施策としては、検索キーワードを踏まえた記事を作成したり、Webサイト上にSEOを意識したテキストを散りばめたりすることが挙げられます。
なお、「SEO対策をすればどのようなWebサイトでも集客できる」というわけではありません。SEOに向いている商材と向いていない商材があることには注意が必要です。
詳しくは以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
SEOとは? 検索エンジンの仕組みから現在のトレンドを知ろう|SEOコラム#1
集客した上で問い合わせや申し込みなどのCVにつなげるためには、Webサイトやランディングページ(LP)が有効です。
具体的に以下のような点を意識することで、CVにつながりやすいWebサイトやLPとなります。
BtoBマーケティングにおいては、広告も有効な手法となります。代表的な広告には、次のような種類と役割があります。
種類 | 役割 |
---|---|
リスティング広告 | 検索キーワードに連動した広告で、「検索連動型広告」とも呼ばれる。特定のキーワードを検索することからユーザーのニーズが明確であるため、顕在層のリードを獲得しやすい。 |
ディスプレイ広告 | Webサイトやアプリ上に表示される広告。一度自社サイトなどに訪問したユーザーに対するリターゲティング広告を出すこともでき、潜在層のリード獲得に効果的。 |
SNS広告 | LINEやFacebook、Instagram、X、TikTokなどのSNS内に表示される広告。SNSのユーザーに対して配信できるため、認知度向上の効果が期待できる。 |
BtoBマーケティングのうち、とくにリードナーチャリングに有効なのがメールマーケティングです。
有名なメールマーケティング施策としては、メールマガジン(メルマガ)の配信が挙げられます。メールマガジンは、展示会や資料ダウンロードによって獲得したリードに向けて配信するのが一般的で、BtoBの場合、配信頻度は週1~2回ほどのケースが多いようです。
メールマガジンに似たものにステップメールという施策があります。これは資料請求やセミナー参加など特定のアクションを起こしたユーザーに対して段階的に自動配信するもので、メールマガジンとは配信する対象が異なります。
メールマガジンは幅広い情報提供や顧客との定期的なコミュニケーションをとるのに有効である一方で、ステップメールは顧客の教育や信頼構築、購入に向けたフォローアップなど、特定のゴールに向けたステップを踏むために有効です。
実際に自社サービスを購入・利用している企業に取材を実施し、“お客様の声”としてサービスのメリットを分かりやすく伝えるのが事例取材記事です。
事例取材記事は自社サービスの認知度アップだけでなく、問い合わせや資料請求、申し込みなどのCV増加にも貢献してくれます。
事例取材記事を作成するメリットは、以下のとおりです。
事例取材記事がCVの増加につながりやすい理由は、「ブランディング効果」があるためです。
ブランドは企業や事業、サービスが持つ「らしさ」を言語化したものです。事例取材記事によってブランディング効果が発揮されれば、対外的な「想起」の獲得につながるだけでなく、社内でも「採用活動の質向上」や「従業員のエンゲージメント向上」といった副次的な効果が期待できます。
以下では、BtoB向けサービスをメイン事業としている企業がどのような事例取材記事を作成・公開しているか紹介します。
BtoB向けマーケティングオートメーション(MA)ツールの導入・活用を支援するtoBeマーケティング株式会社では、実際に同社のサービスを導入している企業の事例取材記事を公開しています。
これまで顧客が抱えていた課題から、同社のサービスを選んだ背景、導入後の具体的な成果などを紹介しています。
マーケティングの基盤をゼロから構築!MQL創出約4倍、商談化率2倍以上を叶えた展示会フォローシナリオ設計の効果(外部リンク)
M&Aや事業再生・再編、経営戦略の策定・実行などに総合的に取り組むコンサルティングファーム・PwCコンサルティング合同会社では、実際に同社のコンサルタントサービスを受けた企業の事例取材記事を対談形式で公開しています。
実際にどのような支援を受け、どのような成果があったかといったことから、同社の社員視点でサービスに込めている思いなどもあわせて紹介しています。
献立の悩みを解消し、お客様の食卓に彩りを。大阪ガスが新サービス「FitDish」で挑戦する食の課題解決(外部リンク)
インターネット広告事業を中心に、ゲームやメディアなど幅広い事業に取り組む株式会社サイバーエージェントでも、実際に広告運用サービスを導入した企業の事例取材記事を公開しています。
これまで顧客が抱えていた課題から、同社のサービスを選んだ背景、導入後の具体的な成果などを図解を用いて紹介。同サービスの内容についても、詳細に紹介しています。
AIによって効果的な広告テキストを予測・自動生成するサービス「極予測TD」を運用型広告に導入し、QS10のKW数構成比を7.6%から46.6%まで改善!(外部リンク)
このように自社サービスを導入した企業に取材して作る事例取材記事ですが、ただ「取材して原稿を作ればいい」というほど単純ではありません。質の高い記事を作成するには、「企画」や「質問項目作成」、「香盤表作成」といった事前準備が重要だからです。
主な制作フローは以下のとおりです。
各項目について、どのような作業が必要か紹介していきます。
取材の要旨や想定する記事構成などを簡潔に企画書にまとめ、インタビュイー(取材対象者)へ共有します。注意事項や依頼事項などがあれば、あわせて記載しましょう。
企画書と同様に取材前にインタビュイーへ共有します。
スムーズな取材進行のため、インタビュイーには取材当日までにある程度質問に対する回答をまとめてもらうと安心です。
取材ではインタビューや撮影、取材全体の進行管理など、さまざまな作業が発生します。これらをすべてひとりで対応するのには限界があるため、インタビュアーやカメラマン、ディレクターなど、各作業を担当者に割り振りましょう。
取材を効率良く進行するためには、あらかじめ当日の想定スケジュールを香盤表に詳細にまとめておくことが重要です。作成した香盤表は事前に関係者全員へ展開し、当日に滞りなく取材が進行するように認識をすり合わせます。
当日は香盤表に沿って取材を実施します。1日で複数人に取材する場合はとくに、タイムキープに注意が必要です。また取材後などに、取材を踏まえて実際に記事に追加したい内容や記事イメージなどを共有してもらえるとなお良いでしょう。
取材内容をもとに、事例取材記事のライティングと編集、校閲・校正など原稿制作を進めます。撮影があった場合は、記事内に掲載する写真の選定も行います。
原稿が完成したら、関係各所やインタビュイーに内容を確認しましょう。問題がなければ公開して完了です。
BtoBマーケティングにおいてSEO施策を講じることはもちろん大切ですが、それだけでCVは増えていきません。ユーザーに「このサービスを使いたい!」と思わせ、問い合わせや申し込みを後押しするためには、事例取材記事が有効なのです。
以下のホワイトペーパーでは、BtoBマーケティングに効果的な事例取材記事に関する以下の情報を詳しくまとめています。
すぐに使える「取材企画書テンプレート」、「事例取材質問集」も付いています。ぜひダウンロードしてご活用ください!
執筆者
コンテンツディレクター/ライター
MIHO SHIMMORI
2023年ファングリーに入社。以前はWebマーケティング会社で約2年半コンテンツマーケティングに携わり、不動産投資メディアの編集長を務める。SEOライティングが得意。ほかにも士業関連や政治など複数メディア運営の経験あり。Z世代の端くれ。趣味はサウナと競馬と街歩き。
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