「会社の顔」とも言えるホームページは、企業認知度や商品・サービスの売上にも直結する重要なツールです。ブランディングやマーケティング施策の要として、時間とコストをかけて運用している企業も少なくありません。
ただし、目的や課題を理解しないまま制作したり、外注するWeb制作会社を見誤ったりすると、期待した結果を得られないかもしれません。
本記事では、ホームページのリニューアルを検討するべきタイミングやリニューアルのメリット、Web制作会社への依頼手順、制作会社の選び方と比較ポイントを解説します。サイト制作やリニューアルプロジェクトの参考にしてみてください。
\サイトリニューアルでよくある5つの失敗例/
実際に当社が制作したホームページの事例を用いて、ホームページで差別化を図るポイントを紹介。 歯科ホームページでの差別化方法とは?【事例でポイント解説】 ホームページの集客やコンバージョン率を向上させるためにはコンテンツマーケティングの実施も不可欠。コンテンツマーケティングの基本はこちらの記事をご覧ください。 コンテンツマーケティング成功のためのポイントを解説 Webサイト制作の基本は以下の記事で解説しています。 Webサイト制作とは?フローと事前に準備すべき4つのポイント |
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ホームページは、一度制作すれば終わりというわけではありません。実際、4~5年に1回のペースでホームページをリニューアルする企業も多いようです。既存サイトに以下のような課題がある場合は、ホームページの抜本的な見直しを検討しましょう。
色使いが古く感じる、テキストばかりで視覚的要素がないなど、競合他社のホームページと比べて視認性が劣っていると、自社の印象が下がってしまうかもしれません。また、ユーザーにとっては「この会社はまだ存在しているのか」「問い合わせても返信がなさそう」といった不安や不信感を抱かせる原因になり、見込み顧客が競合他社に流れる可能性も高くなります。
ホームページでは、サービス・実績の事例紹介や、セミナーのお知らせ、ホワイトペーパーなどのコンテンツを随時拡充していくことが重要です。既存サイトに問い合わせ先などの最低限の導線しかない場合は、リニューアルを通して新しい機能を組み入れていきましょう。
ユーザーが知りたい情報を速やかに提供するために、ホームページの導線はユーザーが使いやすい状態であるべきです。
問い合わせや資料ダウンロードにつながる遷移先ボタンの場所が分かりづらかったり、ページビューがスマホに対応しておらず見た目が崩れていたりすると、情報は不足していなくてもユーザビリティ(使い勝手)の低さから敬遠されてしまうことがあります。
自社独自のシステムで構築したサイトを運用していると、操作できる人が限られるため作業が属人的になったり、更新に時間がかかったりするケースが多くあります。とくに社内のリソースが不足すると、サイトの改修や改善が間に合わないために放置気味になってしまい、結果として見込み顧客の損失につながる恐れもあるでしょう。
更新作業を容易にし、運用担当者が変わっても引継ぎしやすいサイト環境を整備するには、ワードプレスなどのオープンソースCMSの活用をおすすめします。
ホームページをリニューアルすればサイトの運用をより効率化できますが、それ以外にも以下のようなメリットを期待できます。
ブランドイメージを定め、その方向性にマッチするWebサイトにリニューアルすることは、自社の強みを押し出すことやユーザーに抱いてほしいイメージを醸成させることにもつながります。
ターゲットとするユーザーの業種や職種を踏まえ、掲載するテキストや画像、動画を選定することでコンテンツに統一感が生まれ、ホームページ施策におけるブランディング効果がアップするでしょう。
ホームページ制作の知識がなくても扱えるCMSを導入したり、サイト内の情報を分かりやすく整理したりすることで、ホームページの社内運用が容易になります。社内で更新作業ができれば外部との煩雑なコミュニケーションが減り、更新作業などを委託する必要もなくなるためコストダウンにつながります。
ホームページをリニューアルする際、SEO対策をしっかり行えば検索順位アップが見込めます。Googleなどの検索エンジンでは「ユーザーにとって有益な情報を提供している」と判断されたサイトが検索上位に表示されるようになっています。検索が上位であればあるほどサイトへの流入は増えやすく、その結果、企業・サービスの認知度や商談獲得数、受注金額などの向上が期待できるでしょう。
ホームページのリニューアルは運用効率化やブランディング・マーケティングの面で大きなメリットをもたらしますが、SEO設計が考慮されていなかったり、せっかく刷新したのに競合他社のサイトに類似していたりすると効果が乏しいケースもあります。
内製が難しくWeb制作会社への依頼を検討する際は、以下のプロセスに沿って最適なパートナーを選定しましょう。
まずは、課題や目的の整理から始めましょう。自社が抱えているビジネス課題や、Webサイトリニューアルの目的をあらためて確認します。ここで整理したことがプロジェクトの軸になるので、担当者の個人的な意見ではなく、会社全体の共通認識として整理しておくことが大切です。
ホームページリニューアルの目的を決めず、曖昧なプランのまま制作会社に依頼すると、具体的な対策が取れないためにユーザー離れや検索順位の低下、予算オーバーなどを招く恐れがあります。「既存サイトのどこが良くないか」を洗い出し、「サイトリニューアルで何を実現したいか」という目的を持ってリニューアルに臨みましょう。
ホームページのリニューアルを依頼する制作会社の候補は複数ピックアップし、それぞれ概算の見積もり(相見積もり)をとって比較することも重要です。課題や目的、予算が決定したら、制作会社の得意な分野を調査した上で、戦略的にリニューアル目的にマッチしたパートナーを選定しましょう。
Web制作会社を見極めるポイントについては「【目的別】ホームページリニューアルで失敗しない制作会社の選び方」で詳しく紹介します。
RFP(Request For Proposal)とは、依頼時に制作会社へ提出する「提案依頼書」のことです。自社の課題やプロジェクトの目的、制作会社への要望を記載するもので、制作側とのすり合わせをスムーズにし、制作段階での後戻りも発生しにくくなります。
RFPには以下の項目を記載しておきましょう。
RFP提出後は、Web制作会社からのヒアリングを通して依頼内容をブラッシュアップします。このとき、依頼する制作会社は多くても3~5社にとどめておくのが無難です。候補が多いとその分コミュニケーションコストが増え、のちに提案される内容や情報をさばききれなくなる恐れがあります。
なお、制作会社によってはRFPではなく独自のヒアリングシートを使用している場合もあるため、見積もり依頼時にRFPが必要か担当者に聞いてみましょう。
作成したRFPをベースに、ホームページをリニューアルする目的や要望をあらためて制作会社に説明します。複数の会社に相談している場合は、各制作会社に対して同じように情報共有をすることが大切です。制作会社ごとの情報格差を防ぎ、同じ条件を提示した上で提案を受けることで各社の実力を公平に評価できます。
打ち合わせを重ねたら、制作会社から提案書と詳細見積書を受け取ります。各社から提案された以下のような情報を照らし合わせ、パートナーとなる制作会社をじっくり選定しましょう。
ここまでの提案内容を総合的に判断し、依頼する制作会社を決定します。このとき、「予算よりも安価で依頼できるから」「デザインが好みだから」といった安直な判断は禁物です。もちろん、費用もデザインスキルも判断要素のひとつではありますが、それだけで判断してしまうと目的が達成できなかったり、その後の運用がうまくいかなかったりすることも少なくありません。
ホームページのリニューアルを成功させるため、次項で紹介する制作会社の選び方を参考に信頼できるWeb制作会社に依頼しましょう。
ひとくちにWeb制作会社と言っても、それぞれに得意・不得意があります。そのため、リニューアルの目的に合わせて適切な制作会社を選ぶことが重要です。
ここでは、リニューアルするホームページの目的別に、失敗しない制作会社の特徴を4つに分けて紹介します。
会社概要や商品・サービス、IR情報などを掲載したコーポレートサイト、また、見込み顧客にアプローチできるサービスサイト・LPを制作する場合は、BtoB企業向けのサイト制作に強みを持った制作会社がおすすめです。
このような制作会社は、クライアントのビジネスモデルや市場・業界の動向といった外部環境まで分析した上で戦略的なサイト設計を行ってくれます。そのため、ブランドイメージやビジネスプロセスを最大限に活かしたサイトの実現が可能です。
また、システム構築やデザインのみならず、Webコンサルティングやサイト運用支援、マーケティング支援までワンストップで対応してくれるのも特徴。保守契約を結べばリニューアル後も継続的に修正や改善をサポートしてくれるため、公開後のアフターフォローも安心です。
コーポレートサイトリニューアルの基本的な進め方については以下の記事を参考にしてください。 コーポレートサイトリニューアルの基本的な進め方 |
自社メディアの機能拡充を目的に、決済が伴うECサイトや顧客情報を保有するマイページ機能を搭載したいケースでは、システム開発に強い制作会社を選ぶと良いでしょう。
ただし、システム開発と言っても、独自CMSの構築やECサイトの構築など得意領域が異なることもあるため、自社のプロジェクトとのマッチ度を確認しておく必要があります。
一方で、すでにEC機能やマイページ機能を自社サイトで扱っていて、思うような結果が得られていない場合は、ブランディングやターゲティングに課題があるかもしれません。このようなケースでは、システム開発に特化した制作会社ではなく、デザインやマーケティングに強みを持つ制作会社を検討しましょう。
インターネット上での集客や商品販売の経験が少なく、サイト制作だけでなくWebコンサルティングから包括的な支援を望む場合は、Webマーケティングに強みを持った制作会社を選択すると安心です。
SEOやコンテンツマーケティング、デジタル広告などの専門知識が豊富で、商品・サービスが「売れる仕組み」に重きを置いたサイト制作が得意なため、効果的なマーケティング戦略を提案してもらえるでしょう。
ユーザーへのメッセージ性が重要になるブランディングサイトや採用サイトでは、デザインやCI(コーポレート・アイデンティティ)開発に強みを持った制作会社を検討してみても良いかもしれません。
デザイン系の制作会社はビジュアル面での訴求力が強く、ブランドイメージやコンセプトを視覚的に表現できます。また、サイト制作以外にも、企業ロゴや名刺などの制作にも対応してもらえることがあるため、企業全体のデザインを新調したい際にもおすすめです。
CI開発に強みを持った制作会社は、企業理念や価値観を深く理解し、一貫性のあるデザインでブランドを構築します。さらに、最新技術やトレンドを活用し、ユーザー視点を取り入れた使いやすいWebサイトを提供してくれます。ブランド価値を最大限に引き出し、企業の成長をサポートしてくれるのです。
自社のホームページリニューアルに最適なジャンルの制作会社が絞れても、「どこに依頼するのがいいか分からない」と判断に迷うこともありますよね。そんなときは、次の5つのポイントを参考に制作会社を比較してみてください。
ただし、制作会社のサイト上では判断できないものもあるので、実際に問い合わせて確認してみるのがおすすめです。
オウンドメディアの構築・運用において信頼できる業者の選び方については以下の記事で紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。 オウンドメディア構築・運用業者を選ぶ4つの基準 |
自社と同業種の制作実績がある制作会社なら、ビジネスモデルへの理解度やターゲットの解像度が高く、的確な戦略やホームページデザインを提案してもらいやすくなります。
制作会社のホームページに掲載されている過去のプロジェクト事例やポートフォリオを確認し、自社と類似したテーマやニーズに対してどのような成果を上げてきたのか確認しましょう。
自社でリニューアルを依頼したいと検討しているサイトページ量が膨大である場合、それに対応できるだけのリソースや設計・構築スキルがある制作会社かどうかを見極める必要があります。制作会社の規模のみで判断せず、各会社の得手・不得手をしっかり理解して決定しましょう。
会社規模がそこまで大きくない制作会社の場合は、依頼者側の要望に柔軟に対応してくれたり、特定の業界に特化したWeb制作が得意だったりするケースも少なくありません。ホームページリニューアルの目的や要望が定まっている場合は相談しやすいかもしれません。また、規模の大きい制作会社はノウハウが豊富なこともありますが、その分費用が高かったり、予算が少ない小さなサイトリニューアルは請け負ってくれなかったりすることもあります。自社のプロジェクトのスケールに合わせたパートナーを選ぶようにしましょう。
メールや電話、オンラインミーティングなどさまざまなコミュニケーション手段がある中で、どのように連携を取るのか、プロジェクトの進捗状況や意思決定に関する連絡や報告の頻度はどの程度行ってもらえるか、などをあらかじめ明確にしておきます。
また、コミュニケーションロスの恐れもあるため、制作会社側の担当者が複数いる場合も、窓口は一人に集約してもらうのがおすすめです。
最も重要な比較ポイントと言えるのが、制作会社からの提案内容です。自社ブランドイメージや事業戦略に対する制作会社の理解度が浅いと、サイトのデザインや各種コンテンツへの落とし込み精度も低くなってしまいます。
具体的には、以下のような点を確認しましょう。
加えて、公開後に期待できる効果についても具体的に提案してもらいましょう。公開後の運用を見越して提案してくれているかどうかも、評価する材料になります。
また、費用も制作会社によってさまざまです。希望する予算内で要件をすべて満たせないと判断された場合でも、「どこまでなら対応可能か」について説明してもらうようにしましょう。
ホームページのリニューアルに加え、その後の運用や管理も任せたい場合、リリース後に制作会社がどのようなサービスを提供しているかも重要なポイントとなります。
バグの修正や機能の追加、緊急時対応などのサポートが手厚い制作会社であれば、サイトの安定性や成果の維持・向上に役立つでしょう。
ホームページのリニューアルには決まったスパンやタイミングがあるわけではありません。ですが、長年放っておくと見込み顧客の流入率が下がったり、管理や更新作業に高いコストがかかったりすることもあるため、定期的な見直しをおすすめします。
しかし、リニューアルの目的を明確にしないまま着手してしまうと、思ったような結果が得られず失敗に終わるリスクが高まります。
ホームページリニューアルを内製できない場合は、外注先のWeb制作会社選びも重要です。予算やデザインだけで安易に制作会社を選定することは避け、継続して運用できるかどうか、リニューアルによってどのような利益がもたらされるかについても吟味した上で、制作を委託するようにしましょう。
株式会社ファングリーでは、長年の企業ブランディング支援により培ったノウハウを活かし、コーポレートサイトやサービスサイト、採用サイト、LPの制作をはじめ、CIやVI(MVV・ロゴ・ブランドメッセージ・タグライン・動画・ブランドブックなど)の開発、企業パンフレット、ホワイトペーパーの制作をワンストップでご提供しています。予算に合わせたご提案をさせていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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執筆者
コンテンツディレクター/ライター
MIHO SHIMMORI
2023年ファングリーに入社。以前はWebマーケティング会社で約2年半コンテンツマーケティングに携わり、不動産投資メディアの編集長を務める。SEOライティングが得意。ほかにも士業関連や政治など複数メディア運営の経験あり。Z世代の端くれ。趣味はサウナと競馬と街歩き。
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