店舗集客アップの手法について、「いいアイデアがない」と悩んでいる方は多いでしょう。
オンライン・オフライン双方から戦略を立て、すでにいくつかの施策を実行している方もいるかもしれませんが、どういった戦略が適しているかは業態や店舗の種類・特性によって異なります。施策を打つ前に、まずはそれぞれの特徴やメリット・デメリットを把握し、自店舗にとってベストな店舗集客方法を導き出すことが重要です。
この記事では、店舗集客につながるオンライン・オフラインの施策について解説します。「広告媒体やポータルサイトに頼らず自社集客を実現する方法・施策が知りたい」という方は、記事の最後までご覧ください。
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オンラインの代表的な店舗集客方法としては、自社サイトの運用やポータルサイトの利用、SNSの活用などがあります。それぞれの媒体の特徴やメリット・デメリットを理解し、自店舗に向いているアイデアを検討しましょう。複数の方法を組み合わせ、相乗効果を生み出すことも可能です。
ポータルサイトとは、インターネット上にあるさまざまなページの入り口(ポータルは「玄関」の意味)となる情報集約型のWebサイトのことです。たとえば「今日はどのお店に行こうかな」と考えた際、店舗の場所や開店時間、評価(口コミ)などを確認するためにアクセスする「食べログ」「ぐるなび」などのサイトがこれに該当します。同じように、「SUUMO」「弁護士ドットコム」なども各ジャンルを代表するポータルサイトです。
膨大な情報を発信しているポータルサイトでは、潜在層を含め多くのユーザーにアプローチすることが可能です。オープンしたての店舗や開業したばかりの企業にとっては、知名度アップの面で大きなメリットとなるでしょう。ただし、競合他社も同じことを考えて登録しているため、差別化を図りにくい点には注意が必要です。
また、ポータルサイトでは定期的にコンテンツを更新し、ユーザーにとって有益な新しい情報を発信していく必要があります。掲載には広告費がかかる上、登録企業数が多い人気サイトでは高額な上位プランを利用しないと露出が見込めず、埋もれてしまう可能性があるでしょう。
自社サイトとはその名の通り、企業の基本情報や製品・サービスの特長などの情報を発信するためのWebサイトです。自社所有のサイトなので発信したい情報の選択や見せ方などはすべて自由。良質な情報を提供し続けることで会社の信頼性アップにもつながります。また、アクセス解析ツールを活用すれば、ユーザー数、PV数、訪問数などからユーザーの行動を予測するなど、マーケティング施策にも活用できます。
オウンドメディアは、企業が自社で保有しているメディアを指します。見込み顧客に有益な情報を提供し、最終的に購買につなげるのがオウンドメディアの主な目的です。広義では自社サイトの一種ですが、目的の違いから一般的にコーポレートサイトとは区別されています。オウンドメディアでの情報発信に際しては、メルマガやSNSと連動させるケースが増えています。
運用が軌道に乗れば広告費を削減しながら店舗集客できますが、自社サイトやオウンドメディアでの集客を実施するにはサイトやコンテンツを制作・管理するための費用や人員が必要です。また、運用を始めてからすぐに成果が出るわけではないこと、制作したコンテンツの質が低いとユーザーにも検索エンジンにも評価されないリスクがあることは留意しておきましょう。
Facebook、X(旧:Twitter)、LINE、Instagram、TikTok、YouTubeといった各種SNSの運用も、店舗集客の手段として有効です。不特定多数のユーザーに対し手軽に情報を発信できるので、潜在層・顕在層ともにリーチしやすいでしょう。利用料がかからないため、思い立ったらすぐに始められる点もメリットです。
ただし、SNSごとに特性が異なる点は理解しておく必要があります。たとえば、Xは拡散性やリアルタイム性が高いのが特徴ですが、情報の受け取り手の多くは10代から30代の若い世代です。そのため、若者向けの商品・サービスを扱う店舗・会社の場合は集客を狙いやすいでしょう。若年層や女性ユーザーの多いInstagramにはショッピング機能が付いているので、ECサイトへの誘導が期待できます。
YouTubeに関しては、年齢層が幅広いのでさまざまなユーザーを集客できる可能性があります。ただし、「見たい動画しか再生しない」というユーザー特性があるため、ターゲットとなるユーザーが検索やすいKWを選定し、動画づくりをする必要があります。このように、SNSを集客に活用する際はそれぞれの特徴とどんな業種・業態のビジネスに向いているかを慎重に見極めなければ店舗集客アップという成果を期待できません。
Web広告とは、インターネット上に表示される広告全般を指します。主な例としては、Googleなどの検索結果に表示される「リスティング広告」や、X(旧:Twitter)やInstagramといったSNS上に表示される「SNS広告」、ポータルサイトのトップページやアプリの広告枠に表示される「ディスプレイ広告」などが挙げられます。どの広告も即効性が高く、ターゲットを細かく設定できるのがメリット。一方、活用する際はSNSと同様、それぞれの広告の特性を理解する点が重要です。
ユーザーニーズがKWとして顕在化されているリスティング広告では、商品名など細かい設定をしていくとより多くの集客が期待できます。一方、SNS広告を利用する際は興味・関心のセグメントもしっかり行うようにしましょう。これには、SNSはターゲティング精度が非常に高いことが関係しています。セグメントをきちんと行えれば反応率が高まる反面、反応率アップを意識するあまり過激な投稿をすると炎上してしまうリスクがあります。
ディスプレイ広告は、Webサイトの広告枠を使って広告配信できるという特徴があります。そのため、潜在層に向けた企業・商品の認知拡大に役立つでしょう。ただし、ターゲットが「まだ商品の購入を検討していないユーザー」であるため、問い合わせや店舗の集客につながりにくいというデメリットがあります。また、多くのユーザーに表示されるためクリック率が上がり、広告費用の消化ペースも早くなりがちです。
Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)とは、Googleが無料で提供しているビジネス情報管理サービスのことです。各種情報をここに登録すれば、Google検索やGoogleマップ検索結果上の店舗情報をオーナーとして管理・発信できます。また、Googleマップユーザーに来店を促したり、口コミによってユーザーに好印象を与えたりといったことも可能です。
最大のメリットは、MEO(マップエンジン最適化:Googleマップにおける上位表示や、露出アップのための施策)に必要な機能を無料で利用できる点でしょう。Googleビジネスプロフィールでは、店舗情報やイベント情報、写真を何度更新しても費用が発生しないため、コストをかけずに店舗集客を行えます。なお、MEO対策の競合は同じ地域内に限られるため、SEO対策より難易度は低い(上位表示させやすい)傾向にあると言えるでしょう。
一方、ユーザーが自由に書き込める口コミにはネガティブなものもあり、それによって評価が低くなるなどのデメリットもあります。返信機能を使って真摯な対応を見せたり、定期的な情報更新や写真のアップロードをしたりするためには、それなりの手間がかかることを意識しておきましょう。
昨今では、多くのユーザーがインターネットを介して店舗情報を調べます。そのため、オフラインの店舗集客効果についてピンとこない方もいるでしょう。オフライン集客は顧客の比較対象が周辺地域の同業他社に限定されるため、「競争率が低い」というメリットがあります。チラシやダイレクトメールと言った従来の手法も、ターゲットを限定できれば認知に結び付けやすいでしょう。また、インターネットを使用しない層へのリーチが可能な点もメリットです。
チラシの投函には、主にポスティングと折り込みの2種類があります。ポスティングは、その名の通りポストにチラシを投函する方法。配布先を自由に設定できるため、地域を絞って広告活動をしたい場合はおすすめです。ただし、すべての作業を人の手で行うことから高コストになるケースや配布に時間がかかるケースもあるため、配布地域はしっかり絞る必要があります。
一方の折り込みは、新聞にチラシを折り込むタイプの広告です。配布地域や部数を細かく設定できる上、ユーザーへのアプローチ率が高い点がメリットと言えるでしょう。しかし、ターゲットの年齢層などをセグメントできない点はデメリットです。
チラシは近隣住民やインターネットを利用しない層へのアプローチが可能で、配布したその日に見てもらえる可能性が高いのもメリットと言えます。ただし、印刷やデザインにコストがかかる点には注意が必要です。
宣伝を目的として送られる郵送物を「ダイレクトメール(DM)」と言います。住所が判明している顧客に向けた施策で、再来店を促せるのが特徴です。キャンペーンや最新情報など、ユーザーにとって有益な情報があることが分かるよう制作しましょう。
郵送する印刷物の制作にコストと時間がかかる上、顧客データを最新に保つ必要がある点には注意が必要です。
スタンプカードは、商品を購入した際に店側がスタンプを押し、一定数スタンプが貯まったタイミングで特典と交換できるサービスです。付与条件は店側が「●円購入ごとに1個」のように設定できます。ポイントカードは、購入金額に応じてポイントを付与するサービスを指します。ポイントはお金の代わりに利用できたり、金券などに交換できたりするのが一般的です。
スタンプカードやポイントカードは、再来店を促したり、既存顧客の満足を向上させたりする施策として非常に有効です。また、発行することで誰が、いつ、いくら使ったかがわかるため、購買情報も把握しやすくなります。
デメリットとしては、紙代、印刷代、場合によってはデザイン代などのコストがかかる点が挙げられます。デジタル化した場合は、月額費用や制作費用がかかることもあるでしょう。カードを作成する際は、コストに見合った効果を生み出せるか、事前に考えることが重要です。
店舗集客アップのために、壁面看板やスタンド看板、デジタルサイネージ、野立て看板などを利用する方法もあります。目立つ場所に看板を置けば、道行く人々に店舗の存在を認識してもらえる可能性が高まります。
ただし、看板はあくまで「通りすがりに」「通行しながら」見るもの。そのため、詳細な製品・サービスや企業の説明には向いていません。サービスや店舗名の認知拡大用に検討するのがおすすめです。
イベントやキャンペーンを実施することでも、店舗集客アップを期待できます。イベントに来てくれたユーザーは「ファン度」が高い傾向にあるので、顧客化できれば今後もその店を選んだり、買い物をしてくれたりする期待が高まります。また、新規ユーザーであっても来店動機につながるため、非常に有効な店舗集客の手法と言えるでしょう。具体的なイベント・キャンペーンとしては、期間限定の割引セール、季節のイベントなどが挙げられます。
注意点としては、事前告知やしっかりとした下準備が必要な点が挙げられます。コストがかかるほか、準備をするスタッフのためのリソースを確保する必要もあるので、あらかじめ戦略や計画をしっかりと立てなければなりません。
店舗集客のための有効な施策は、ビジネス規模や業種・業態によってさまざまです。他社が成功している店舗集客のアイデアを試したからといって、必ずしも自社で成果が出るとは限りません。特に店舗型ビジネス(実店舗がある業態)の場合は、集客で「成功しやすいパターン」と「成功しにくいパターン」に明確に分かれます。集客が成功していないパターンにはまってしまった場合、その要因を踏まえて、「集客を成功させるためのサイクル」を回すことが重要と言えるでしょう。
以下のホワイトペーパーでは、広告媒体やポータルサイトに頼らず自社集客(店舗集客)を実現する方法を事例つきで紹介しています。「効果的な店舗集客の手法が分からない」「広告やポータルサイトに依存していて自社で集客できていない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
執筆者
Kambe Kumiko
編集プロダクションでの勤務を経て、2018年に入社。現在はライターとして、Webコンテンツ制作に従事している。目指しているのは、「読みやすく」「分かりやすい」文章。今後は取材の数を増やし、臨場感のある記事も書いていきたい。
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