Webサイト制作で理想のサイトを実現したいなら、作り方のフローを理解し、制作会社へ依頼する前の準備を万全にすることが重要です。
本記事では、Webサイトの作り方について、基本知識から具体的な制作フロー、費用相場、そして信頼できる制作会社の選び方まで、網羅的に解説しています。
「自社でWebサイトを作りたいけど、何から始めればいいか分からない」「Webサイト制作を外注したいが、失敗しないためのポイントを知りたい」といった悩みを抱えるWeb担当者の方や経営者の方に向けて、成果につながるWebサイト制作のノウハウを分かりやすく紹介します。
この記事を読めば、自社に最適なWebサイトの作り方が明確になり、目的達成に向けたサイト制作をスムーズに進められるようになります。
\BtoBサイトリニューアルのよくある5つの失敗例/
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Webサイトとは、複数のWebページを集めて構成された情報の集合体のこと。企業サイトやネットショップ(ECサイト)、ブログなどもすべてWebサイトに含まれます。
Webサイトと似た用語に「ホームページ」がありますが、この2つの用語は同じ意味で使われることも少なくありません。しかし、厳密には意味が異なる点を覚えておきましょう。ホームページとは、Webサイトの入口となるトップページ、もしくはブラウザを起動したときに最初に表示されるページを指す言葉です。
しかし、一般的に「ホームページ制作」は「Webサイト制作」と同じ意味で使われることが多いため、厳密に区別する必要はありません。知識として違いを理解しておくと、制作会社や関係者とのやりとりで役立つでしょう。
Webサイトをインターネット上に公開するためには、「サーバー」と「ドメイン」が不可欠です。これらはよく「家」に例えられます。
ユーザーは住所である「ドメイン」を入力することで、インターネットという広大な世界の中から、サーバー上にあるあなたのWebサイトへアクセスできます。そして、家(Webサイト)の中にあるさまざまな情報(コンテンツ)を閲覧するというイメージです。
Webサイトと一言でいっても、その目的やターゲットによってさまざまな種類が存在します。
コーポレートサイトのように企業の信頼性を示すものもあれば、ECサイトのように売上を直接生み出すものもあります。自社がどんな成果を得たいのかを明確にしないまま制作を進めると、せっかく作ったWebサイトが十分に機能しないことも少なくありません。
まずはWebサイトの作り方を学ぶ第一歩として、代表的なWebサイトの種類とそれぞれの役割を理解しておきましょう。
| サイトの種類 | 目的・役割 |
|---|---|
| コーポレートサイト | 企業の顔となる公式サイト。事業内容、企業情報、IR情報などを掲載し、社会的信頼性を獲得する |
| サービスサイト | 特定の製品やサービスに特化したサイト。詳細な情報を提供し、見込み顧客の獲得や問い合わせにつなげる |
| 採用サイト | 求職者向けに企業理念や働き方、社員インタビューなどを掲載し、採用応募の促進やミスマッチの防止を図る |
| ECサイト | 商品をインターネット上で販売するためのサイト。カート機能や決済機能が必須となる |
| オウンドメディア | ユーザーに役立つ情報(ブログ記事など)を発信し、潜在顧客との接点を作り、ファンを育成する |
| ランディングページ(LP) | 1ページで完結する縦長のサイト。特定の製品・サービスの購入や問い合わせなど、1つのアクションに特化させる |
| ブランディングサイト | 企業や商品の世界観・価値を伝え、ブランドイメージの向上を図る |
こうしたWebサイトの種類を把握しておくことで、制作前に「自社に必要なのはどのタイプか」「どんなデザインや機能が求められるのか」が明確になります。
Webサイトを作る方法は、大きく分けて「自作する」か「専門業者に依頼する」かの2択です。自作の場合は、さらに「CMSを利用する方法」や「Webサイト制作ツールを活用する方法」といった手段に分類されます。
それぞれの方法にはコスト・自由度・作業負担といった違いがあるため、目的やリソースに合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。ここでは、代表的なWebサイト制作の3つの方法を解説します。
CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)は、専門的なプログラミングの知識がなくてもWebサイトのコンテンツを作成・管理できるシステムです。代表的なものがWordPress(ワードプレス)で、世界中のWebサイトの約4割がWordPressで構築されているとも言われています。
WordPressには豊富なデザインテンプレート(テーマ)や機能拡張のための仕組み(プラグイン)が揃っており、比較的簡単に本格的なWebサイトを構築できます。一方で、セキュリティ管理やサーバー設定など運用面の知識が必要になる場合もあるため、導入前に学習コストを考慮しておくと安心です。
▼WordPressのセキュリティについては、以下の記事をご覧ください。
Wixやペライチ、JimdoといったWebサイト制作ツールを使えば、プログラミング知識がなくてもドラッグ&ドロップの直感的な操作でページを作成できます。テンプレートや機能があらかじめ用意されているため、初心者でも短時間でWebサイトを立ち上げられるのが大きな魅力です。
ただし、CMSと比べるとデザインや機能の自由度は限られる場合が多く、将来的に本格的なカスタマイズをしたいときには不向きになることもあります。小規模なサイトやスピード重視のケースにおすすめです。
Webサイト制作にはデザインやコーディング、セキュリティ対策など、多岐にわたる専門知識が必要です。このような専門知識がない場合は、学習を含めて膨大な時間と労力がかかります。
自社にWeb制作の知識やノウハウ、そしてリソースがない場合におすすめなのが、Web制作会社といったプロに依頼する方法。プロの制作会社であれば設計からデザイン、開発、公開後の運用まで一括で任せられます。デザイン性や機能性、SEO対策を施した高品質なWebサイト構築が可能です。
Webサイト制作をスムーズに進めるには、目的に応じたツールの活用が欠かせません。デザインを整えるツール、コードを書くエディタ、コンテンツを管理するプラットフォーム、さらにはSEO分析のためのツールなど、必要なものは多岐にわたります。
ここでは、Webサイト制作で実際に使われている代表的なツールを紹介します。
| 種類 | 役割 | ツール例 |
|---|---|---|
| デザインツール | Webサイトの見た目を作成する | ・Figma ・Adobe XD ・Photoshop |
| コーディングエディタ | HTMLやCSSなどのコードを書く | ・Visual Studio Code |
| CMSプラットフォーム | コンテンツ管理を容易にする | ・WordPress ・Movable Type |
| SEOツール | 検索順位のチェックやサイト分析を行う | ・Googleアナリティクス ・Googleサーチコンソール ・Ahrefs |
これらのツールを上手に使い分けることで、デザイン性と機能性を兼ね備えたWebサイト制作が可能です。とくにCMSやSEOツールは、公開後の運用・改善にも直結するため、制作段階から意識して導入を検討すると良いでしょう。
▼ SEOツールについて詳しくはこちらをご覧ください。
一般的なWebサイト制作の流れは以下の通りです。
基本的には要件の整理から始まり、設計・デザイン・開発を経て、公開後の運用・改善まで一連の流れで進めます。このプロセスを理解しておくことで、より効率的に成果の出るWebサイトを作成できます。
最初に、「なぜWebサイトを作るのか」「誰に向けて情報を発信するのか」という目的とターゲットを明確にしましょう。
要件定義があいまいだとプロジェクトの軸がぶれてしまい、成果の出ないWebサイトになってしまいます。
具体的な確認項目については、「Webサイト制作を成功させる4つの事前準備」にて後述します。
「Step1. 要件整理」ができたら、定めた要素をもとにサイトマップとワイヤーフレームを作成し、サイト全体の骨組みを設計します。
その後、Webサイト全体のデザイン方針を決めます。 サイト全体のカラースキームやフォント、雰囲気などを決め、ブランドイメージを統一しましょう。
設計書をもとに、Webサイトのビジュアルデザインを作成します。PhotoshopやFigmaといったデザインツールを使用するのが一般的です。
ユーザーにとっての見やすさと使いやすさを考慮し、ブランドイメージを的確に表現することが重要。また、PCだけでなくスマートフォンやタブレットなど、さまざまなデバイスで最適に表示されるレスポンシブデザインを取り入れることを意識しましょう。
デザインが完成したら、Webブラウザで表示できるようにプログラミング言語を使って実装します。コーディング・開発は、フロントエンドとバックエンドの2工程に分かれます。
| 工程 | 使用言語・技術 | 内容 |
|---|---|---|
| フロントエンド開発 | HTML、CSS、JavaScript | ユーザーが目にする部分を構築(デザイン・動き) |
| バックエンド開発 | PHP、Python、データベース | データ処理やサーバー側の動きを実装。WordPressなどのCMS導入もこの段階で行う |
開発後はWebサイトが設計通りに機能するか、公開前に最終テストを行います。動作確認では以下の項目を確認してください。
| 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|
| ブラウザ・デバイス | 各種ブラウザ(Chrome、 Safari)やデバイス(PC、 スマホ)で表示崩れがないか確認する |
| リンク・フォーム動作 | 全てのリンクが正しく遷移するか、フォームが正常に機能するかテストする |
| 表示速度・セキュリティ | ページの表示速度が遅くないか、セキュリティ対策は万全かチェックする |
テストで問題がなければ、いよいよWebサイトをインターネット上に公開します。完成したデータをサーバーにアップロードし、ドメインを設定して公開します。
公開後も実際にアクセスして、表示や動作に不具合がないか最終確認を行いましょう。
Webサイトは公開して終わりではありません。成果を出し続けるためには、以下のアップデートなどを行い継続的に運用・保守を行うことが不可欠です。
Webサイト制作を成功させるには、実際に着手する、もしくは制作会社に依頼する前の事前準備が重要です。ここでは、必ず押さえておきたい4つの事前準備について解説します。
前述のフローでも触れた通り、要件整理はプロジェクトの成否を分ける最も重要な工程です。とくに以下の点を具体化しておきましょう。
| 項目 | 具体例 |
|---|---|
| 目的の設定 | ・問い合わせを月○○件獲得する ・採用応募者を前年比○○%に増やす |
| ターゲット・ペルソナの設定 | ・年齢、性別、職業などの基本情報 ・趣味・価値観・抱えている悩みなどの行動情報 |
| 必要機能・要件のリストアップ | ・問い合わせフォーム ・資料ダウンロード機能 |
| サイトデザイン・SEOの対策 | ・パンくずリストや、XMLサイトマップの設置 ・スマホユーザーが快適に閲覧できるレスポンシブデザインの導入 |
| 競合分析 | ・他社サイトの流入数などを数値で分析 ・自社の強みから他社サイトとの差別化方針を決定 |
プロジェクトを円滑に進めるため、社内や制作会社とのコミュニケーションルールを事前に決めておきましょう。以下のような内容を定めておくと、後々のコミュニケーショントラブル防止に役立ちます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 担当窓口 | 制作会社とやり取りする窓口を1名に集約し、情報の錯綜を防ぐ |
| 意思決定フロー | デザイン承認や仕様決定など各フェーズの決裁ルートを共有 |
| スケジュール | 公開希望日から逆算し、制作会社のWBS(作業分解構成図)を参考にタスク・納期を明確化 |
Webサイトは「どんなコンテンツを掲載するか」「どんなビジュアルで見せるか」で印象が大きく変わります。必要な素材をあらかじめ準備すれば、制作スケジュールの遅延を防ぎ、完成度の高いサイトを目指すことができます。主に、以下の項目の素材を事前に用意しておくと良いでしょう。
Webサイトに掲載する写真は、サイトの信頼性を高める重要な要素です。製品やサービス、社員の写真など、サイトに掲載する画像を準備しましょう。フリー素材も活用できますが、自社らしさを出すためにはプロカメラマンによる撮影を検討するのがおすすめです。
Webサイトに掲載する自社のロゴデータも用意します。PNGやJPGといった画像形式ではなく、AI(Illustrator)やEPSなど編集可能な形式で用意するのが理想です。併せてロゴの使用規定やレギュレーションがあれば制作会社に共有しましょう。
制作会社に依頼する場合は、「このデザインが参考になる」と思うサイトを2〜3つピックアップしておくと、イメージのすり合わせがスムーズに進みます。色味やレイアウトのどこが良いのかなど、言葉にして説明できるとより効果的です。
Webサイトを実際に公開・運用していくには、技術的な情報が欠かせません。担当者自身が理解できなくても、管理者や関係部署に確認し、どこに情報があるのかを把握しておくことが重要です。
公開に必要なサーバーやドメインの契約情報、ログイン情報は必ず確認しましょう。既存サイトがある場合は、社内の情報システム部門や外部の管理会社が保有しているケースが一般的です。
アクセス解析や検索順位の計測に必要なツールの設定情報です。既存サイトで利用している場合は、新しいサイトに引き継げるようにアカウント情報を制作会社と共有できるようにしておきましょう。
Webサイト制作を業者に依頼する場合の費用は、サイトの種類や規模、機能によって大きく変動します。
| サイトの種類 | 費用相場 |
|---|---|
| コーポレートサイト | 100万~300万円程度 |
| オウンドメディア | 10万~200万円程度 |
| サービスサイト | 100万~200万円程度 |
| ランディングページ(LP) | 10万~80万円程度 |
これはあくまで一般的な目安です。
▼詳細な費用相場については、以下の記事で詳しく解説しています。
Webサイト制作を依頼する場合は、多くの工程を長期にわたって一緒に進めていくため、パートナー選びが成功のカギを握ります。適切な制作会社を選べば高品質なサイトを実現できますが、選定を誤るとスケジュールの遅延や追加コスト、成果が出ないといったリスクを抱えることになりかねません。
ここでは、信頼できるパートナーを見つけるためのチェックポイントを解説します。
自社が作りたいWebサイトのイメージに近い実績があるかを確認しましょう。とくに自社と同じ業界や事業規模の制作実績が豊富であれば、業界特有の課題やユーザー行動への理解が深く、的確な提案が期待できます。
担当者との相性やコミュニケーションの取りやすさは、制作を円滑に進める上で欠かせません。要望を正確に汲み取ってくれるか、専門用語を噛み砕いて説明してくれるか、レスポンスが迅速かなどを、打ち合わせ段階でしっかり見極めましょう。
事前に対応範囲がどこまで含まれているのかを確認することも大切です。デザインや開発に加え、公開後の運用・保守、コンテンツ更新、SEO対策、アクセス解析など、アフターサポートが整っている会社なら、長期的に安心して任せられます。
見積もりは複数社から取り寄せ、内容を比較検討しましょう。その際、金額の高低だけで判断せず、「なぜその金額になるのか」という内訳が明確に示されているかがポイントです。もし不明点があれば、遠慮せず質問して納得してから契約に進むようにしましょう。
高品質なWebサイトを制作するためには、制作会社のスキルだけでなく、発注者側の関わり方も重要です。より成果につながるサイトを作るためには、単に依頼するだけではなく、以下のポイントを意識しましょう。
Webサイトは制作会社と発注者が一体となって作り上げるものです。「お金を払ったからあとは任せる」といった姿勢では、期待する成果を得られません。
自社のビジネスや顧客について最も詳しいのは発注者自身です。積極的に情報提供や意見交換を行い、プロジェクトに主体的に関わりましょう。
なぜWebサイトを作るのか、何を達成したいのかといった「目的」を制作会社と常に共有することが大切です。
制作過程で判断に迷う場面が出ても、この目的が軸となり、ブレのない意思決定が可能になります。
制作会社を単なる「下請け業者」としてではなく、ビジネス目標を共に達成する「パートナー」として扱うことが重要です。
敬意を持って接することで関係性が良好になり、制作会社のモチベーションが高まり、より良い提案や成果物を引き出せます。
Webサイトは、その目的によって以下のようにさまざまな種類に分けられます。
詳しくは、記事内の「代表的なWebサイトの種類」で詳しく解説しています。
Webサイト制作は、一般的に7つのステップで進められます。
それぞれのフローについては、記事内の「Webサイトを作る7つのステップ」で詳しく解説しています。
制作を成功させるためには、以下のような4つの重要な事前準備があります。
それぞれの準備について、詳しくは記事内の「Webサイト制作を成功させる4つの事前準備」をご覧ください。
Webサイト制作は、企業のビジネスに大きな影響を与える重要なプロジェクトです。成果の出るサイトを作るためには、制作フローを理解し、特に「目的・ターゲットの明確化」といった事前の準備を徹底することが欠かせません。
本記事で紹介した作り方のステップと成功のポイントを押さえ、信頼できるパートナーと共にプロジェクトを進めることで、ビジネスの成長に直結するWebサイトを実現できるでしょう。
執筆者
コンテンツディレクター/ライター
Miho Shimmori
2023年ファングリーに入社。以前はWebマーケティング会社で約2年半コンテンツマーケティングに携わり、不動産投資メディアの編集長を務める。SEOライティングが得意。ほかにも士業関連や政治など複数メディア運営の経験あり。Z世代の端くれ。趣味はサウナと競馬と街歩き。