インタビュー動画は、BtoBマーケティングでも活用される代表的なコンテンツのひとつ。内容の独自性が高く、社員や顧客などのリアルな声を直接視聴者に届けられることから、企業やサービスの信用を高める上でも有用です。
具体的な主な活用シーンとしては、採用強化や販売促進、認知拡大などが挙げられます。インタビュー動画は文字や写真だけの記事コンテンツと比較すると、より多くの情報を視聴者に伝えられます。
本記事では、「インタビュー動画の作り方が分からない」「作ってみたものの思うように視聴回数が増えなかった」という方のために、インタビュー動画を制作するメリットや撮影手順、事前準備・撮影・編集でそれぞれ押さえておきたい成功のポイントを解説します。ぜひ最後までご覧ください。
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インタビュー動画は自社の商品・サービスの強みや魅力を短時間で効率良く伝えられることから、主に以下の目的で活用されています。
この3つの目的別に、インタビュー動画を制作するメリットを見ていきましょう。
自社の採用強化を目的として、社員や経営者のインタビュー動画を活用している企業は少なくありません。企業の価値観や仕事内容、事業に携わる現場の人の声を、高い温度感で発信するのに効果的です。具体的には、以下のようなシーンで活用できます。
社員インタビュー動画は、求職者が就職・転職活動をする上で多くのメリットがあります。事前に会社の雰囲気や文化を把握できれば、入社後の働くイメージを具体的に描きやすく、ミッションやビジョンの理解を通じて親近感を抱きやすくなるため、入社志望度を高められるかもしれません。
また、社員インタビュー動画は一般的に自社スタッフがインタビュイー(話し手)となり、オフィスを使って撮影することが多いため、コストをかけずに採用PRを行うことが可能です。
採用効率を上げるための採用インタビューコンテンツについては以下の記事で解説しています。 採用インタビューの重要性 採用コンテンツは、記事と動画のセットで発信すると効果的です!インタビュー記事の作り方は以下をご覧ください。 インタビュー記事制作で意識したいポイントを分かりやすく解説 |
販売促進を目的としたインタビュー動画では、実際に商品やサービスを利用した顧客やユーザーによる口コミが有効です。使用感や満足度について顧客やユーザーにリアルな感想を語ってもらえば、視聴者の購買意欲が高まり、売上拡大につながることが期待できます。実体験を踏まえた臨場感のある「お客様の声」を発信できるため、商品やサービスの信頼性も高まります。
インタビュー動画を撮影する際には、実際に商品・サービスを使用しているシーンを写真や映像で流しながら、以下のポイントを訴求できると良いでしょう。
これらの情報はいずれも、「視聴者が購入を検討するときに気になるポイント」です。そのため、実際の消費者の声を活用しながら、親しみや共感を抱いてもらえるようなインタビュー動画を目指しましょう。
顧客の購買意欲を高める「お客様の声」は、キラーコンテンツとしてかなり有用です。キラーコンテンツについては以下の記事で詳しく紹介しています。 キラーコンテンツのマーケティングでの立ち位置や種類を紹介 |
リリースされたばかりの商品・サービスをより広範囲に訴求したい場合や、企業や商材のイメージ向上を図りたい場合も、インタビュー動画は効果的です。
認知拡大・ブランディングを図るためのインタビュー動画には、以下のようなものがあります。
この中でとくに有効なのが、開発者インタビュー動画です。「商品やサービスがどのような背景によって誕生したのか」「どんな人物がどのような想いで商品・サービスに向き合っているか」など、開発者の高い熱量を視聴者に感じ取ってもらいやすいのもインタビュー動画のメリット。
ただし、ブランディングを目的とする場合は、自社ブランドに対して顧客のロイヤリティや共感性が高まるような内容であることが重要です。メリットを伝えるだけの単なる紹介コンテンツとならないよう、ターゲットを意識して自社のコンセプトや商品・サービスの魅力を伝えられる内容に仕上げましょう。
インタビュー動画は、「ただ撮るだけ」では求めるクオリティのレベルを下回ってしまう可能性が高いと言えます。目的に沿った動画を撮影するため、以下の基本の手順をしっかり踏むようにしましょう。
インタビュー動画を制作するのであれば、事前に目的に合わせた構成案(プロット)を作成することが大切です。構成を検討する際は目的やターゲットを明確にし、視聴者に刺さる内容を意識しましょう。
例えば、ひとくちに採用動画と言っても「新卒採用」と「中途採用」ではターゲットが異なります。新卒採用の場合、ターゲットは学生になるので働くことそのものに対するイメージが湧かない」という人も多いでしょう。このようなターゲットは労働環境やリアルな現場の雰囲気、先輩社員の入社理由などを知ることができれば安心感につながり、志望度も高まると考えられます。
一方、中途採用の場合は「会社で活かせる経験やスキル」「中途採用者の活躍状況」「働き方」について知りたい方が多いと考えられます。構成案を作成するときはターゲットを精査した上で、動画制作の目的や伝えたいことを整理しましょう。
また、インタビュイーを選定するときは事前に動画の配信先(公開先)や配信期間などを伝え、肖像掲載の了承を得る必要があります。インタビュイーが動画出演時に使用する名前(本名・イニシャル・仮名)についても、インタビュー前に打ち合わせておくことをおすすめします。
細かいやり取りをまとめた台本を用意する必要はありませんが、インタビュイーに前もってインタビューの意図と質問内容を共有しておけば事前に回答を準備しやすくなります。
ただし、インタビュイーによっては「当日知らせてもらった方が話しやすい」というケースもあるため、可能な限り希望に沿って準備するようにしましょう。
質問項目は「5W1H」を意識して検討すると、視聴者も理解しやすい内容になります。
より詳細な質問項目を検討する際には、5W1Hの応用である「6W3H」を意識してみましょう。上記の5W1HにWhom(誰に)とHow much(いくらで)、How many(どのくらい)を加えたフレームワークです。
インタビュー動画は、動画全体の「ストーリー性」が肝心です。例えば採用強化なら求職者、販売促進や認知拡大なら消費者や投資家に訴求することになります。想定しているターゲットの共感を得られるような質問を設定することで、視聴者をより引き込む内容に仕上がるでしょう。
インタビューの目的に合った場所で撮影を行うと、視聴者もインタビューの内容に集中しやすくなります。また、インタビュイーと場所の親和性が高いほど人柄も出やすくなるでしょう。例えば、以下のような組み合わせが挙げられます。
また、余計な雑音が入るのを避けるため、騒音が少ない場所での撮影が望ましいでしょう。インタビュー動画の撮影にはカメラやマイク、照明など多くの機材を使用するため、インタビュイーの位置やカメラの角度など撮影前に下調べしておくと安心です。
撮影開始前に、必ずカメラやマイクが問題なく作動するかチェックしておきます。機材トラブルが起こる可能性もあり、撮り直しとなった場合にはインタビュイーに負担をかけてしまうことも。撮影をスムーズに行うためにも、機材の事前チェックは欠かさないようにしましょう。
撮影時はカメラを2台用意し、「引き」と「寄り」で撮影します。「引き」とはカメラを引いて全体を撮影すること、「寄り」とはインタビュイーにカメラを寄せて表情をアップで映すカメラワークです。複数のアングルを取り入れることで、メリハリのある動画になります。撮影場所が社内の場合は、社外秘の資料やPC画面などが映り込まないように気を配りましょう。
インタビューを撮影したら、動画をより見やすくするための編集を行います。まずは、撮影した「引き」と「寄り」の素材を組み合わせて1本の映像にまとめます。商品紹介であれば、全体像が分かる「引き」の映像のあとにディテールが見える「寄り」の映像に切り替えることで、商品の特徴がより分かりやすくなります。
また、編集で欠かせない作業が「不要な部分のカット」です。インタビュイーが回答に悩んでいる間の無音部分をカットしたり、テロップを工夫したりすると、テンポ感のある動画に仕上がります。不要な部分をカットし、次の映像とのつなぎ合わせが不自然になる場合は、インサートカットを利用する方法もあります。
動画が完成したら全体を通して最終チェックを行い、公開作業を進めましょう。YouTubeなどの動画サイトにアップロードして一般に公開する場合は、タイトルや概要欄などの設定、サムネイルの制作も重要です。
YouTubeで動画を公開する際に知っておきたいSEO関連の情報については、以下の記事で解説しています。 YouTube SEOを成功させるポイント |
インタビュー動画を自社で制作する場合、押さえておきたいポイントがいくつかあります。以下の3つのポイントを意識し、より効果的な動画を制作しましょう。
動画の撮影に慣れていないインタビュイーの場合、カメラが回ると緊張して思うように話せなくなるかもしれません。緊張のあまり本来伝えたいことが十分に伝わらなかったり、ミスを繰り返してやり直しの回数が多くなったりすることも考えられます。
自然体でインタビューを受けてもらうため、雑談などで緊張をほぐすところから始めましょう。リラックスした状態でインタビューに臨んでもらえれば、動画撮影もスムーズに進行できます。
インタビュイーの表情の変化やボディランゲージの豊かさは、文字では伝わらない重要な要素です。
インタビューの雰囲気に合わせて笑顔で話したり、声のトーンを明るくしたり、身振り手振りなどのボディランゲージを加えたりすれば、企業や商品の魅力がより伝わりやすくなります。
インサートカットとは、映像の途中に別の映像(カット)を挿入する手法のこと。インタビュー動画を編集すると話のつなぎが不自然になることがありますが、それをフォローできるのがインサートカットです。
インサートカットには、主にインタビュイーの顔のアップやインタビュー場所の映像などが用いられます。音声や資料を追加で挿入することで、インタビューの内容を補強できます。
撮影時には、インサート用に利用できそうなイメージカットを複数撮影しておきましょう。インタビュー風景のほかに、以下のような映像がインサートカットとして使用できます。
インタビュー風景以外のカットではインタビュイーが同席する必要がないため、別の日に撮影することも可能です。日程や予算の都合などでインタビュー動画と同時に撮り終えたい場合は、事前に必要なインサートカットをリストアップしておくとよいでしょう。
続いて、撮影したインタビュー動画をより見られるコンテンツにするために、編集で役立つコツを紹介します。
最近では、音声を消したまま動画を見る視聴者も少なくありません。また、一般の人がインタビューに答える場合、どうしても聞き取りづらい部分が出ることがあります。
こういったケースでも内容がしっかり伝わるように、インタビュー動画にはテロップを入れましょう。必ずしもすべての言葉をテロップにする必要はありませんが、重要な部分は文字の色を変える、文字のサイズを変えるといった工夫をすることで、視聴者に大切なポイントが伝わりやすくなります。
音楽のないインタビュー動画は単調な印象を与え、視聴者を飽きさせてしまうことがあります。印象に残るインタビュー動画を制作するためには、BGMを効果的に使用することも重要です。
BGMは語り手の喜怒哀楽を表現するのに役立ち、複数を使い分けることで映像に躍動感をプラスして、ストーリー性が伝わりやすくなります。また、場面転換や重要なポイントを強調したいときなどに効果音を挿入するのもおすすめです。
インタビューの内容を邪魔しないよう、音量は映像に合わせて調整しましょう。
インタビュー動画は採用や販売促進、ブランディング強化などさまざまな用途に利用でき、費用対効果も高いコンテンツです。ただし、目的やターゲット像をうやむやにしたまま、インタビュイーとの十分な事前打ち合わせをせずに制作を進めてしまうと、期待したような効果は得られないでしょう。「社内リソースが足りない」「動画撮影はやったことがなくて不安」といった場合は、動画制作の外注を検討してみてはいかがでしょうか。
株式会社ファングリーでは、規模や形態、分野を問わず、採用動画やブランディング動画など、マーケティング視点を踏まえたインタビュー動画の制作実績が豊富にあります。インタビュイーの選定から企画、構成案作成、動画撮影、編集まで一貫して対応していますので、インタビュー動画の制作を検討している方はお気軽にご相談ください。
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執筆者
コンテンツディレクター/ライター
MIHO SHIMMORI
2023年ファングリーに入社。以前はWebマーケティング会社で約2年半コンテンツマーケティングに携わり、不動産投資メディアの編集長を務める。SEOライティングが得意。ほかにも士業関連や政治など複数メディア運営の経験あり。Z世代の端くれ。趣味はサウナと競馬と街歩き。