サイトリニューアルはビジネスの成長や競争力維持において重要なプロジェクトのひとつです。しかし、時間とコストをかけたにもかかわらず、期待した結果を得られなかったという話は少なくありません。
「サイトをリニューアルすることになったが、Web制作会社の選び方がわからない。」
「Web制作会社を選ぶ際のチェックポイントを知りたい。」
私が所属するファングリー社にお問い合わせいただいたお客様からもこのようなお声をいただくことが多くあります。
サイトリニューアルを成功させるためには、自社にあったWeb制作会社の選定が重要です。そこで、この記事では、制作会社の選定プロセスや、比較すべきポイントを紹介します。サイト制作やリニューアルプロジェクトの参考にしてみてください。
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Web制作会社を探す前に、まずはおおまかな選定プロセスを確認しましょう。
まず行うことは、課題や目的の整理です。自社が抱えている課題や、Webサイトリニューアルの目的を改めて確認します。ここで整理したことがプロジェクトの軸になるので、担当者の個人的な意見ではなく、会社全体の共通認識として整理しておくことが大切です。
もし、目的があやふやなまま制作会社に依頼してしまうと、具体的な対策がとれず、ユーザー離れや検索順位の低下、予算をオーバーしてしまうなど業績にも影響します。「なぜサイトをリニューアルするのか」「サイトリニューアルでどんな利益を得たいのか」を明確にし、依頼の精度を高くすることがプロジェクトを成功に導くカギとなります。
課題や目的を整理できたら、依頼先の候補となるWeb制作会社を探します。
Web制作会社は、会社ごとに得意な分野や売りが異なります。検索して出てきた会社を上から順にピックアップして見積り依頼をしても、最適な制作会社とは出会えないでしょう。プロジェクトを成功させるためには、自社のリニューアル目的にマッチした制作会社を選定することが何よりも大切です。手当たり次第に探すのではなく、戦略的にパートナーを選定しましょう。
Web制作会社を見極めるポイントについては、後述する「制作会社の特徴を理解する」で解説します。
RFP(Request For Proposal)とは制作会社に提出する「依頼書」のことです。自社の課題やプロジェクトの目的、制作会社への要望を記載します。
具体的にRFPに記載することは以下のような項目です。
・Webサイト制作やリニューアルの背景・目的・納期・予算・事業内容など
・必要な機能(API連携、SEO内部対策など)
・その他非機能要件(サーバー、ドメイン、求めるセキュリティレベルなど)
RFP提出後、Web制作会社からのヒアリングを通してブラッシュアップを行うため、この時点で悩みすぎる必要はありません。提案内容も制作会社の腕の見せどころであるため、サイト制作の目的や要望が決定したら気軽に相談してみましょう。ただし、依頼する制作会社は多くても3~5社にとどめておくのが無難です。候補が多いとその分コミュニケーションコストが増え、のちに提案される内容や情報をさばききれなくなるおそれがあります。
また、制作会社によってはRFPではなく独自のヒアリングシートを使用している場合もあります。必ず担当者に問い合わせてから制作に取り掛かりましょう。
次はいよいよWeb制作会社の担当者と打ち合わせを行います。
RFPで提示された内容をベースに、目的や要望をあらためて制作会社に説明していきましょう。
打ち合わせを重ねたあと、制作会社から提案書と見積もり書を受け取ります。提案書にはデザインや機能の具体的な説明、制作後に見込める成果などが提示されています。見積もり書は予算や作業の範囲、納期に基づいて提示されます。
ここでのポイントは、提案を受ける企業に対して、公平に情報共有をすることです。制作会社ごとの情報格差を防ぎ、同じ条件下で提案を受けることで各社の実力を公平に評価することができます。
ここまでの提案内容を総合的に判断し、依頼する制作会社を決定します。ここで注意したいことは、見積もり金額やデザインの好みだけで判断しないことです。もちろん、費用やデザインスキルも判断要素のひとつであり、目にみえる比較項目なので社内の人たちを納得させやすいのも分かります。しかし、これだけで判断してしまうと、目的に合ったリニューアルが達成できなかったり、リニューアル後の運用が上手くいかなくなることも。
プロジェクトを成功に導くために必要なことは、提案力、プロジェクト推進力、コミュニケーション能力です。次の項目で、目的にマッチした最適な制作会社の選び方を紹介するので確認していきましょう。
先ほど説明した通り、一口にWeb制作会社といってもそれぞれに得意領域があります。プロジェクトの目的に合わせて、適切な特性の制作会社を選ぶことができれば、サイトリニューアルが成功する確率を大幅にアップさせることができるでしょう。ここでは、Web制作会社の特徴を4つにわけて紹介します。
コーポレートサイトやサービスサイトの制作を任せるならBtoB(Business to Business)企業サイトの制作に強みを持った制作会社がおすすめです。クライアントのビジネスモデルや外部環境を分析したうえで戦略を立てサイトの設計を行うので、ブランドイメージやビジネスプロセスを最大限に活かしたサイトを提供することが得意です。
また、制作チームの体制はWebコンサルティング、デザイン、開発、構築、運用、マーケティング支援まで幅広いサービスをワンストップで提供できることが特徴です。
さらに保守契約を結ぶことで、サイトリニューアル後も修正や改善をサポートしてくれるため、公開後の運用も安心です。
システムに強みがあるWeb制作会社は、エンジニアが主体の会社となります。
一口にシステム開発といっても、独自CMSの構築やECサイトの構築など得意領域が異なることがあります。システム会社を選定する際には、得意領域と自社のプロジェクトがマッチしているかを確認しておきましょう。
とくに、決済が伴うECサイトや顧客情報を保有するマイページ機能を開発したい場合は、システム開発に強い制作会社を選ぶことが望ましいです。一方で、ブランディングに取り組みたい場合やユーザーに課題を感じているときは、不向きな可能性があります。デザインやマーケティングに強みをもった制作会社を検討しましょう。
Webマーケティングに強みを持った制作会社は、広告やプロモーションなどの商品・サービスが「売れる仕組み」に重きを置いたサイト制作が得意です。SEOやコンテンツマーケティング、デジタル広告などの専門知識を持ち、効果的なマーケティング戦略を提案できます。
また、サイトリニューアル後も、Webマーケティングのコンサルティングをそのままサービスとして提供する制作会社もあります。マーケティングの観点からサイトを作りたい、ネットでの集客や商品販売の経験が少なく、Webコンサルティングもあわせて依頼したい場合におすすめの制作会社です。
デザイン系の制作会社は、ビジュアル面での訴求力が強く、ブランドイメージやコンセプトを視覚的に表現できます。ブランディングサイトや採用サイトでは、メッセージ性が重要になってくるので、デザインに強みをもった制作会社を検討してみてもよいかもしれません。
また、サイト制作以外にも企業ロゴの作成や名刺などの紙媒体の制作にも対応できることがあります。サイトのリニューアルだけでなく企業全体のデザインをまとめて新調したい際におすすめです。一方で、複雑なシステム開発要件に対応できないケースが多いので注意しましょう。
サイトリニューアルの目的に合わせて制作会社を絞れたら、次はその候補の中から依頼する制作会社を選定します。ここでは、制作会社を比較するポイントを5つ紹介します。制作会社のサイト上では判断できないものもあるので、実際に問い合わせて確認してみてください。
制作会社を選定するうえで制作実績は非常に重要です。特に、同業他社への制作実績がある場合、ビジネスモデルへの理解度やターゲットの解像度が高く、的確な戦略やデザインを提案してくれることが多いです。過去のプロジェクトやポートフォリオを確認し、類似したテーマやニーズに対してどのような成果を上げてきたのかを確認しましょう。HP上で公開していない実績もあるかもしれないので、該当する業界・業種の制作実績があるか問い合わせてみてもよいかもしれません。
制作会社がどれだけの規模に対応できるかどうかも重要なチェックポイントです。制作したいサイトが数百ページから千ページに及ぶほど大規模な場合、制作会社にそれを設計・構築する実力があるか見極める必要があります。注意すべきことは、制作会社の規模のみで判断しないことです。もちろん、規模の大きい制作会社にはそれだけノウハウが蓄積されている可能性もあります。しかし、その分費用が高かったり、予算が少ない小さな依頼内容は請け負ってくれないケースもあります。
また、中小規模の制作会社は得手不得手がはっきりしているケースがあります。どのようなサイト制作に強いのか、プロジェクトのスケールにあわせて制作会社の実績や能力を確認しておきましょう。
プロジェクトの成功には円滑なコミュニケーションが欠かせません。そのため、事前に制作会社とコミュニケーションスタイルや担当体制をしっかり確認しておきましょう。プロジェクトの進捗状況や意思決定に関する連絡や報告の頻度、コミュニケーション手段(メール、電話、ミーティングなど)などを明確にします。また、制作会社が適切なタイミングで質問をし、自社のニーズや要件を正確に把握してくれているか、担当者によって対応に差が生じていないかなども重要なポイントです。
制作会社選定の際に一番重要なのが制作会社からの提案内容です。提案内容が自社のビジネス目標やユーザーの期待に合致しているか、リニューアルによって解決すべき課題や改善点に対して具体的なアプローチや戦略を提案してくれるかを確認しましょう。また、制作会社が自社のブランドイメージや価値を理解し、それをサイトのデザインやコンテンツに反映できるかも重要です。
また、公開後に期待できる効果などが具体的に提案してあるかどうかも確認しましょう。
予算にもよるので一概にはいえませんが、納品することだけが業務の目的となっており、納品したらそれで終わり、という制作会社も少なからず存在します。そのため、公開後の事も見越して提案してくれているかどうかは確認しておきたいポイントです。
制作会社によって費用はさまざまです。要件を満たしつつ、希望の予算内に収まっているのがベストですが、そうでないケースも少なくありません。希望の予算内で要件をすべて満たせないと判断された場合でも、どこまでなら対応可能なのかは説明してもらいましょう。見積書とあわせて提案書の内容をしっかり確認することが大切です。
前述の通り、重要なのは公開することではなく、運用する中でサイトをブラッシュアップしていくことです。サイト制作に加えて、その後の運用や管理も任せたい場合は、サイトのリリース後やプロジェクト完了後のサポートやメンテナンスに関して、制作会社がどのようなサービスを提供しているかも重要なポイントとなります。バグの修正や機能の追加、緊急時の対応などのサポートが手厚い制作会社は、サイトの安定性や成果の維持・向上に役立つでしょう。
時間もコストもかかるサイトリニューアル。目的を明確にせず予算やデザインだけで安易に制作会社を選定してしまうと、思ったような結果が得られず失敗に終わります。サイトリニューアルは企業にとって重要なプロジェクトのひとつです。制作することだけにとらわれず、継続して運用できるかどうか、リニューアルによってどのような利益がもたらされるかを明確にすることがプロジェクトの成功につながります。
私が所属するファングリーは、制作支援とマーケティング支援の機能を併せ持つ支援会社です。とりわけ「BtoB向けのコンテンツ制作」に強みをもった制作会社と自分たちを位置付けており、ブランディングを軸としたサイト制作・コンテンツ制作を通じてお客様のビジネス課題の解決に取り組んでいます。
長年企業のブランディング支援を行ってきたノウハウを活かし、コーポレートサイト、サービスサイト、採用サイト、LPの制作はもちろん、CIやVI(MVV・ロゴ・ブランドメッセージ・タグライン・動画・ブランドブックなど)の開発から企業パンフレット、ホワイトペーパーといったクリエイティブツールの制作までワンストップでご提供します。
「【会社案内】+Web制作事例集(2023年度版)」をご用意していますので、サイトリニューアル等Web制作を検討されている方はぜひ、参考にしてみてください。
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