自社の採用を強化するにあたって、採用サイトを作りたい、もしくはリニューアルしたいと考えている経営者や人事担当者の方も多いのではないでしょうか。採用ニーズは業界や業種によって異なりますが、「求める人物像に適した人材を確保したい」「採用のミスマッチをなくして定着率を高めたい」といった思いはどの企業にも共通するテーマかもしれません。
採用効率を高めるには、「インタビューコンテンツ」が効果的です。本記事では、採用サイトでコンテンツを作る重要性と必要なコンテンツの種類を紹介した上で、採用インタビューコンテンツの作り方やポイントを解説します。
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“コンテンツマーケティングの基本”は以下をご覧ください! コンテンツマーケティング成功のためのポイント |
Table of Contents
採用サイトでコンテンツを作る重要性には、主に次の3つが挙げられます。
採用サイトのコンテンツは、以下のような企業の情報を求職者に向けて発信できる重要な手段です。
具体的なプロジェクト事例や社員インタビューを通じて、働く魅力をリアルに伝えることができ、企業への関心を高めるのに役立ちます。
企業が求める人材像を明確に伝えることには、求職者の自社への解像度を高める効果があります。具体的には、求めるスキルや職場環境などを詳細に示すことで、適切な求職者を惹き付けられるでしょう。
これは、実際に応募する人材とのミスマッチを防ぐ役割を果たします。
採用市場は競争が激しく、とくに近年は売り手市場の傾向にあります。これは求人数が増え採用競争が激化していたり、求人条件が改善され求職者にとって魅力的な求人が増えたりしている背景があります。競合企業と差別化を図り自社の採用力をより強化するためにも、採用サイトのコンテンツが重要です。
自社ならではのやりがいや魅力などを独自性の高い情報としてアピールすることで、求職者に「この会社で働きたい」と思わせることができます。
前述したように採用サイトのコンテンツにはさまざまな重要性があります。ここでは採用サイトに必要となるコンテンツについて、次の3つに分けて紹介します。
採用サイトの大きな目的は、求職者から自社の求人に応募してもらうことです。そのためにはまず自社のことを知ってもらう必要があるため、以下のようなコンテンツを確認する傾向にあります。
種類 | 内容 |
---|---|
募集要項 | 募集している職種や業務内容、必要スキル、応募条件など |
選考フロー | 書類選考や面接、適性検査など入社までに必要なフロー |
会社概要 | 所在地や事業内容、資本金、従業員数など会社の基本的な情報 |
会社概要の従業員数などは、以下のように男女や勤続年数、職種別などにインフォグラフィックで可視化させるとより分かりやすい情報となります。
引用:株式会社ファングリー「採用情報」
応募を検討しはじめた求職者が、より詳細に自社のことを知りたいと考えて探すのが以下のようなコンテンツです。
種類 | 内容 |
---|---|
休暇・福利厚生 | 休暇制度や給与モデルや昇給制度、福利厚生などの情報 |
社員インタビュー | 実際に働く社員の声を通じて、業務のリアルな側面を伝えるコンテンツ |
社長メッセージ | 社長自らが企業のミッションやビジョンを語るコンテンツ |
1日の業務内容 | 職種ごとの社員の1日の流れを紹介するコンテンツ |
これらのコンテンツは企業独自の魅力や特徴を強調し、競合との差別化を図る役割を持ちます。
休暇・福利厚生などについては、以下のように平均残業時間や有給休暇取得率などを数値で示せると、より納得感のある情報となります。
引用:株式会社ファングリー「採用情報」
「離職者を増やさない」といった採用活動の目的からも、採用サイトにおいては採用のミスマッチを防ぐコンテンツの存在も重要です。とくに、職場の人間関係や労働環境などはミスマッチが発生しやすい要因となります。
採用のミスマッチを防ぐコンテンツとしては、以下のようなものが挙げられます。
種類 | 内容 |
---|---|
社員座談会・クロストーク | 複数の社員同士で意見や感想を出し合ってもらい、働いている人同士の関係性や職場の雰囲気を知ってもらうためのコンテンツ |
キャリアパス・研修制度 | 入社後の成長支援やキャリアアップの可能性を示すコンテンツ |
オフィスツアー | エントランスや執務室、会議室、休憩室など、職場環境の写真をツアー形式で紹介するコンテンツ |
「2.より深く自社のことを知りたい求職者が確認するコンテンツ」で紹介した社員インタビューや社長メッセージなども、採用のミスマッチを防ぐコンテンツとしての役割を持ちます。これらのコンテンツによって企業理念や企業文化、実際に働く人々の声を求職者に伝えることで、期待値のギャップを減らせるのです。
新卒・中途を問わず、自社の採用サイトを制作する企業は年々増加しています。企業と求職者をつないで多くのエントリーを獲得するために、採用サイトのコンテンツは非常に重要な存在です。
採用サイトにおいて、独自性のアピールという点で欠かせないのが「社員インタビュー」のページです。企業の事業内容や成長性などが気になる求職者ももちろんいますが、活躍の場が現場に近い人材ほど「自分がこの会社の社員になったらどんな仕事をするのか」「どんなやりがいを感じられそうか」「どんな成長ができるか」を気にする傾向があります。
募集要項だけでは見えてこない「リアルな情報」は、社員の生の声からしか得られないと言えるでしょう。
また、社員インタビューを採用サイト内に掲載する際には、カテゴリー分けをすることで求職者としても求める情報を効率的に見つけやすくなり企業とのマッチングの質も向上します。具体的には、以下のような分類があります。
社員インタビューを作る流れは、以下のとおりです。
各項目の詳しい作業内容は、以下の記事で解説しています。 事例取材記事の制作フローを紹介 |
とくに最初の「企画」では、読んでもらう目的をしっかり固めましょう。
「企業理解を深めてほしい」「入社後に働くイメージを持ってほしい」という目的だけではなく、その先にある「応募してもらう」「内定を承諾してもらう」「入社後ギャップを感じにくくする」といったより採用に直結した目的を設定することが重要です。
取材企画書の詳しい作り方は、以下の記事をご覧ください! 取材企画書の効果的な作成ポイント【テンプレート付き】 インタビューのコツは以下の記事も参考にしてください。 【目的別】インタビューのコツ オンラインインタビューの手順 電話取材を成功させるコツと注意点 |
社員インタビューの質問項目例を紹介します。ぜひ参考にしてください。
社員の基本情報 ●氏名や入社年、現在の所属部署を教えてください。 ●(新卒社員の場合)出身校や学科を教えてください。 ●(中途社員の場合)前職の内容を教えてください。 |
入社のきっかけ ●この会社を選んだ理由を教えてください。 ●他社ではなくこの会社を選んだ決め手は何ですか? ●入社前と入社後で感じたギャップや良い意味での驚きはありますか? |
業務内容 ●現在の具体的な業務内容を教えてください。 ●日々の業務で大切にしていることは何ですか? ●これまでに携わった中でとくに印象に残っているプロジェクトや仕事はありますか? |
職場環境 ●職場や所属部署の雰囲気を教えてください。 ●同僚や上司とのコミュニケーションで印象的なエピソードはありますか? |
成長とやりがい ●自分の成長を実感できたエピソードを教えてください。 ●今の仕事で最もやりがいを感じるのはどんなときですか? |
働きやすさ ●働きやすさを感じる会社の制度はありますか? ●終業後や休日の過ごし方やリフレッシュ方法を教えてください。 |
今後の目標 ●今後チャレンジしたいことや展望を教えてください。 ●会社の中でどのようなキャリアを築いていきたいですか? |
求職者への言葉 ●どのような人がこの会社に向いていると思いますか? ●求職者の方へメッセージをお願いします。 |
ここでは、採用効率を上げる社員インタビューコンテンツを作るための4つのポイントを紹介します。
すべての取材コンテンツに共通するポイントですが、取材対象者には設定したターゲットに適した人材を選びましょう。具体的には以下のような人材が挙げられます。
採用の種類 | 取材対象者例 |
---|---|
新卒採用 | ・新卒入社の若手社員(入社1~5年目) ・成功事例を持つ社員(昇進やプロジェクト参加経験などがある) |
中途採用(一般社員) | ・中途入社した社員 ・キャリアアップを目指す社員(昇進やスキルアップ) ・働きやすさを体現している社員(フレキシブルな働き方) ・異業種から転職した社員 |
中途採用(管理職) | ・中途採用で管理職で入社した社員 ・昇進して管理職になった社員 |
採用したい人物像に近い社員を起用したインタビューコンテンツを発信することで、求めている人材に応募してもらいやすくなります。
ターゲットのニーズを無視して、会社が伝えたい情報だけを一方的に発信するだけでは、求職者に「応募したい」「入社したい」とは思ってもらいにくいでしょう。
ターゲットの目線になって、求職者が知りたい情報を前面に出しましょう。これは、必ずしもすべて良い情報というわけではありません。社員インタビューコンテンツは社員の生の声を届けるコンテンツなので、メリットばかりではなくデメリット寄りの情報も語ってもらうのが情報のリアリティをアップさせるコツです。インタビューコンテンツの信頼性が高まり、採用ミスマッチが起こりにくくなるといった効果もあります。
社員インタビューが自社の魅力を発信するのに効果的なのは、社員一人ひとりのストーリーを通じて、リアルな職場像を伝えられるからにほかなりません。
コンテンツとしては、記事だけでなく動画と合わせて発信することで、ビジョンやカルチャー、社員の空気感といった企業の特色を多角的に伝えるのにも効果的です。記事と動画、それぞれの媒体で伝えられるものは以下のとおり。
媒体 | 伝えられるもの |
---|---|
記事 | 考え方、マインド、熱意、想いなどの深層的な情報 |
動画 | 雰囲気、声、話し方などの表面的な情報 |
とくに動画コンテンツは視聴者の記憶に残りやすいため、社員の想いや考え方、熱意をより率直に伝えられます。そのため、社員インタビューをコンテンツ化する際は、記事とともに動画もあわせて制作することをおすすめします。
動画によって企業のイメージや働く人の姿を印象付けるとともに、文章ではじっくり時間をかけて理解を促す――。そうすることで、求職者の共感度がアップします。
インタビュー動画の効果的な作り方はこちらの記事をご覧ください! インタビュー動画の活用方法や撮影手順 |
自社で採用サイトを作る企業が増えているものの、通常業務と兼務して採用サイトやコンテンツを制作したり管理したりするのは大変。また、ターゲット設定や情報の優先順位付けなど、どこから手をつけて良いのか分からないケースも少なくないでしょう。
ターゲットに自社の魅力を認知してもらうには、コンテンツマーケティングのノウハウの蓄積が不可欠です。そのため採用強化を目的としたコンテンツ制作は、クオリティーの担保やコア業務への集中といった観点からも、コンテンツ作りのプロに依頼するのが有効です。
なお、記事と動画を別々の会社に制作依頼すると、各担当者とのやりとりに時間を取られたり品質の統一化に苦労したりするかもしれません。記事と動画の制作を一緒に依頼できる会社に相談すれば、こうしたデメリットは回避できます。
ここでは、社員インタビューの採用動画を活用している企業の事例をご紹介します。
愛媛県伊予市に本社を置くニンジニアネットワーク株式会社の採用PR動画は、ママ社員のインタビューを採用しています。育児と仕事の両立は、働くママ世代にとって永遠のテーマ。ワークライフバランスを実践している社員のインタビューを通じて、育児中のママ社員が活躍できる環境とキャリアパスを用意している企業の魅力が伝わってきます。
クックパッド株式会社の採用PR動画は、さまざまな部署で活躍する人のインタビューをテンポよく見ることができる構成になっています。インタビューの合間に挟まれるキッチンスタジオで料理を楽しむ様子から、同社のミッションである「毎日の料理を楽しみにする」が社内に根付いていることが伝わってきます。
採用サイトにおいては、社員インタビューコンテンツがとくに重要です。採用インタビューコンテンツを発信する際には、記事だけでなく動画コンテンツもあわせて活用することで、企業のさまざまな特色を多角的に伝えやすくなります。
株式会社ファングリーでは、企業のコンテンツマーケティングをお手伝いするプロ集団として、ライティングはもちろんインタラクティブ動画制作も含めた総合的な採用ブランディングにおけるコンテンツ制作をご提供できるチーム体制があります。採用ブランディングを活用したい、採用PRを検討していてコンテンツを作りたいと考える企業担当者様は、ぜひお問い合わせください。
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執筆者
コンテンツディレクター/ライター
MIHO SHIMMORI
2023年ファングリーに入社。以前はWebマーケティング会社で約2年半コンテンツマーケティングに携わり、不動産投資メディアの編集長を務める。SEOライティングが得意。ほかにも士業関連や政治など複数メディア運営の経験あり。Z世代の端くれ。趣味はサウナと競馬と街歩き。
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